井上真央「思うことの大切さが込められている」『少年寅次郎スペシャル』

ドラマ
2020年12月04日

特集ドラマ『少年寅次郎スペシャル』(NHK総合ほか)が、12月4日・11日(金)の2週にわたって放送される。

国民的映画「男はつらいよ」の主人公・車寅次郎の少年時代を描いたドラマ『少年寅次郎』の続編で、葛飾・柴又を旅立った寅次郎の1年後の姿と、幼いころの日々を描く今回のスペシャル。寅次郎の青年期、幼少期を演じた井上優吏、藤原颯音をはじめ、前作と同じ顔触れがそろい、語りも前回同様に原由子が務める。

そして、先日行われた取材会には寅次郎の育ての母・車光子を演じた井上真央が出席。今回のスペシャルについて「前作の撮影でみんな本当の家族のように仲良くなって、『また再会できたらいいね』と話していたんです。その時は、もし続編ができるなら『寅ちゃんが悪さをしようとすると幽霊の光子が出てきて怒るのかな』とか、そういう妄想をして盛り上がっていました(笑)。こういう大変な状況の中で、またこの家族に会えたということがとても心強かったです」と振り返った。

約1年ぶりの再会となった寅次郎役の2人については、「変わってないなと思うことが多くてホッとしました。ただやはり会話をしていると、成長したなと思う部分もあって」と印象を。

青年期を演じた井上については「見た目も背が高くなって、大人に近付いているなという感じがしました。もともとシャイで人見知りな感じなので、あまり話してもらえなくて『お母ちゃんちょっと寂しい』って思うことがあったり(笑)。でも今回彼は劇中で大変なシーンがあって、前作よりも頑張らないといけないと何か思いを背負っていたのかなって」と思いやる。

また、幼少期を演じた藤原については「口が達者になっていたというか。機嫌が悪くなる口数がちょっと減っていたかな(笑)。でも本当に今回も彼の明るさや無邪気さに助けられました」と笑みを浮かべた。

光子については「今まで演じてきた中でも難しい役だと思います。時代背景もそうですし、3人の子供を持ったこともないので、自分と共通する部分というものがなかなかなくて。どうしたら光子のような肝の座ったお母ちゃんを演じられるだろうかっていうのは常に考えていました」と苦悩を明かす。

続けて「やはり『男はつらいよ』の世界観を大事にしたくて。私も映画をずっと見ていましたし、ドラマを見た人が懐かしくなったり、映画を見返したくなるようになればいいなと思っていました」と作品への思いを吐露。

「だからちょっとしたしぐさなどをまねたり、取り入れたりもしていたのですが、今回はどちらかと言えば、世界観に自分からはまりに行こうとするのではなく、目の前にいる子供たちに対して自然に湧き上がる感情を大事に演じました」と役作りについて語った。

撮影中、亡くなった祖父のことを思い出していたという井上。「渥美清さんの大ファンだったので、(前作のことも)報告したら喜んでくれるだろうなって。もっといろんなことを聞きたかったし、話したかったな」と思いを馳せる場面も。

最後は「今回のスペシャルは、寅ちゃんが大好きなお母ちゃんや家族のことを思い返すという物語です。会いたくても会えない人、2度と会えない人、会えるんだけど今は会えない人…皆さんにもきっといると思います。このドラマには『思うことの大切さ』が込められているので、見終わった後にそんな大事な人のことを思うことのできる作品になっていると思います」とメッセージを寄せた。

<番組情報>

特集ドラマ『少年虎次郎スペシャル』
NHK総合・BS4K
【前編】2020年12月4日(金)後10・00〜10・45
【後編】2020年12月11日(金)後10・00〜10・45