柄本佑×鈴木杏×阿部サダヲ『空白を満たしなさい』放送決定!平野啓一郎のヒューマンサスペンス

ドラマ
2022年03月11日
左から)鈴木杏、柄本佑、阿部サダヲ

6月25日(土)スタートの土曜ドラマ『空白を満たしなさい』(NHK総合)に柄本佑、鈴木杏、阿部サダヲらの出演が決定。その3名に加えて、原作者・平野啓一郎と脚本家・高田亮からコメントが到着した。

「あなたは亡くなったんです、3年前に」。ある日突然、身に覚えのない己の死から復活した男・土屋徹生(柄本佑)。会社の屋上から転落したというが、全く思い出せない。最愛の妻・千佳(鈴木杏)と幼い息子を残して、なぜ自分は死なねばならなかったのか。答えを追い求める男がたどりつく真実とは…。

原作は、近年映像化が相次ぐ芥川賞作家・平野啓一郎が東日本大震災直後に発表した同名作。「もしも亡くしたはずの大切な人にもう一度会えたら」という着想から執筆され、昨今のパンデミックを経ていっそう心に響く作品だ。

ドラマ化にあたっては日本映画界に話題作を次々と送り出す人気脚本家・高田亮と、柄本佑、鈴木杏、萩原聖人、渡辺いっけい、うじきつよし、藤森慎吾、ブレーク・クロフォード、風吹ジュン、阿部サダヲら豪華俳優陣が集結。生きるとは何か、幸せとは何か。今を生きる全ての人々に本格派のヒューマン・サスペンスを届けていく。

発表にあたり、主人公の土屋徹生を演じる柄本は「いきつけの喫茶店のマスターに『はいどーぞ』と文庫を渡されたのがこの小説との出会いです。あれから3年。まさか自分が土屋徹生をやるとは思ってもいませんでした。不思議な縁に緊張しています」とエピソードを明かす。

その妻・千佳を演じる鈴木は「サスペンスから始まってやがて人間の本質的なところにたどりついていくこの作品は、いろんな色を持っていて、どこへ連れて行かれるか予想できない面白さがあります」と本作の魅力について語った。柄本、鈴木らのコメント全文は以下に掲載。

土屋徹生役・柄本佑 コメント
撮影:須藤秀之

いきつけの喫茶店のマスターに「はいどーぞ」と文庫を渡されたのがこの小説との出会いです。あれから3年。まさか自分が土屋徹生をやるとは思ってもいませんでした。不思議な縁に緊張しています。
高田亮さんのシンプルイズベストかつどこか色気の漂うホンにとても大人な世界を感じています。地に足をつけて、頑張ります。

土屋千佳役・鈴木杏 コメント

サスペンスから始まってやがて人間の本質的なところにたどりついていくこの作品は、いろんな色を持っていて、どこへ連れて行かれるか予想できない面白さがあります。
生とは、死とは、夫婦とは…さまざまなテーマを、押し付けではなく受け取り方をゆだねるような優しさや温かさとともに、お届けできたらと思います。

佐伯役・阿部サダヲ コメント

僕の演じる佐伯は風貌も変わっていて、出て来たとたんに周りを異様な雰囲気にすると思います。でも意外に核心を突いたことを言っていて、回を追うごとに人間性も見えてくると、実は今の社会や人間のことをよくわかっている人なんじゃないかと感じられるキャラクターです。
佐伯とは一体何者なのか…? 皆さんにもいろいろ想像しながら見ていただければと思います。

原作・平野啓一郎 コメント

コロナに戦争と、人間の命について考えさせられるような出来事が立て続けに起きています。この作品は、死んだ人間が次々に蘇る、という突飛な物語です。もし自分が死んで生き返ったなら、愛する人が生き返ったなら、まず何をしたいでしょうか?
主人公も「復生者」の一人ですが、彼は自分の突然の死の真相を探る過程で、私とは何かと問い、愛する人たちとの関係を見つめ直し、仕事の意味について考えます。
「幸福」とは何でしょうか? この在り来たりな問いに向かい合うべき時でしょう。

脚本・高田亮 コメント

この小説を読んだ時、2012年に書かれた物語が、コロナ禍が長引く今にこそ必要な内容であることに驚きました。
作者の平野啓一郎さんは、いずれ世の中が行き詰まり、普通の生活すら困難になっていくことや、多くの人が生きていく上で救いが必要になることがわかっていたに違いありません。私自身、この物語を読むことで気持ちが楽になりました。
ドラマになることで、多くの方の気持ちが楽になることを願っています。

番組情報

土曜ドラマ『空白を満たしなさい』(連続5回)
NHK総合
2022年6月25日(土)放送スタート
後10・00~10・49

©NHK