山下敦弘監督&松江哲明監督『山田孝之のカンヌ映画祭』「冗談ではやっていない」カンヌ三昧トーク

映画
2017年02月06日

100993_01_R 映画「エリザのために」の公開記念カンヌ三昧トークイベントが行われ、テレビ東京で放送中の『山田孝之のカンヌ映画祭』の山下敦弘監督、松江哲明監督が登壇した。

 最愛の娘を守ろうとする父親の緊張感みなぎる5日間を描いてた「エリザのために」。本作のクリスティアン・ムンジウ監督がカンヌ国際映画祭で3度受賞していることにちなみ、カンヌ最高賞パルムドールを受賞すべく奔走する話題の番組『山田孝之のカンヌ映画祭』(テレビ東京 毎週金曜 24・52~)の山下敦弘監督、松江哲明監督をゲストに迎え、本作やカンヌ映画祭、番組について語るイベントが行われた。

 映画を見た感想を聞かれると山下監督は、「“山田孝之のカンヌ映画祭”の主題歌にムンジウ監督の『4ヶ月、3週と2日』という歌詞が出てきていて、タイトルは知っていましたが監督の作品を見るのは初めて。いろいろと勉強になりました」と。松江監督は「昨年の夏に番組のためにカンヌ映画祭についていろいろとリサーチしていました。本作はある種の“カンヌに好かれる”映画で、見たときに“これか!”とズバッとハマりましたね」とコメント。

 また本作の撮影や演出方法について「ダルデンヌ兄弟のように同じ場所で撮影リハーサルを行ったり、とても自然にルーマニアの人たちの生活を描いているように見えて、緻密に考えられている部分があったりと、非常に丁寧な演出」(山下)、「フレームの外を常に意識させ、映っていないところから何か事件が起きる、不穏なことが起こるという緊張感を入れてくる部分やカメラが1ショットでなるべく撮影するようにしていて。お客さんを飽きさせないように現実感を出している部分がカンヌ受賞作品っぽい」(松江)と絶賛した。

 番組『山田孝之のカンヌ映画祭』でプロデューサーとして出演する山田孝之について「あの番組に関しては“山田組”という感じ。山田君は勘がすごくいいです。たまたまカンヌの事務局に行ったら映画祭のスタッフに会えるとか、とんでもない奇跡が起こるんです。いい偶然を呼ぶ人というか、山田君は“引き寄せる力”を持ってる人」と。

 最後に今年第70回を迎えるカンヌ映画祭へのエントリー予定を聞かれると「そのために今やっています(笑)。目標として掲げています」(山下)、「あの番組を冗談だと思って見ている人もいますが、皆さんは今年の5月がカンヌ映画祭で誰でも応募できることを忘れていませんか?と言いたいです。後半の番組の展開に関わるのであまり多くは語れませんが、冗談でやっているわけではないです」(松江)と、出品への大いなる意気込みを見せた。

映画「エリザのために」は大ヒット公開中!
公式サイト:http://www.finefilms.co.jp/eliza/