滝沢秀明「さよならではなく、“行ってきます”」

ドラマ
2018年12月19日

『連続ドラマW 孤高のメス』 2019年1月13日(日)スタート『連続ドラマW 孤高のメス』(WOWOWプライム)の完成披露試写会が行われ、滝沢秀明、仲村トオル、工藤阿須加、山本美月、石丸幹二、長塚京三、内片輝監督が登壇した。

 現役医師・大鐘稔彦原作の小説を滝沢秀明主演で映像化。腐敗した医療体制の中で患者と向き合い続けた医師・当麻鉄彦(滝沢)の奮闘と、彼を取り巻く病院内外の人々との葛藤をリアルに描いたヒューマンドラマ。

 本作で初の外科医役に挑戦した滝沢。「初めての外科医役でしたが、非常に手応えがあり自分的にはすごくやりがいがある楽しい現場でした」と撮影を振り返りながら、「演じた当麻は、“目の前の患者を助けることが医師の使命”という信念を持っていてどんな状況に置かれてもブレずに前に進んでいくんです。男から見てもカッコいい生き方をしているなと思いましたし、彼と出会えてうれしかったです」と。

 2018年末で芸能界を引退し、新たな道を切り開くという意味で滝沢自身、当麻と重なる部分があるのでは?と問われると「自分がやりたいこと、求められているものとたくさんあると思いますが、当麻のように自分の思いを大事にしていかないといけないと思いました。今回、当麻からいろんな刺激を受けて、より大きい男になりたいという思いが強くなりました…まあ、身長は小さいんですけどね(笑)。ほかのキャストの方が身長高い方ばかりなので、今日はあえて低めで設定しています!」とコメントし、会場を笑いに包んだ。

 近江大学医学部付属病院外科の助教授・実川剛役の仲村は「甦生記念病院の医師たちの顔面偏差値の高さにビックリしました。僕が患者だったらキョロキョロしちゃう」と笑った。また、初共演となった滝沢について「ひと言で表すと“しなやかな人”。僕の勝手な先入観ですが、幼い頃から日の当たる場所のど真ん中を歩いてきた方のイメージだったんです。でも、このしなやかさを身に着けるにはきっと何度もつまずいたり転んだり、壁にぶつかったりしたんじゃないかな」と印象を明かした。

 また「2話のシーンで、俺の左に滝沢君で右側に石丸さんがいた時に自分の中に『ここにいていいのか!?』が湧きあがったんです(笑)。レベルの高い歌や踊りをやってきたお2人の真ん中にいるので、『俺歌えんのか?踊れんのか!?』って、衝撃を受けましたね」と現場での様子を明かした。

 甦生記念病院の外科医・青木隆三を演じる工藤は「撮影の回を重ねるごとに、作品に向き合うごとに青木という役に吸い込まれて、滝沢さん演じる当麻に魅了されていきました。自分の中でも成長できたんじゃないかと思える作品です!」とコメント。

 また、青木は当麻に刺激を受けて学ぶ役どころにちなみ、滝沢から学んだことを聞かれると、滝沢から「ちゃんと(いいこと)言ってね!」とプレッシャーをかけられた工藤。「医療ドラマということで、命の尊さなどいろんな事に向き合っていかなきゃいけない中、撮影も進んでいましたし、滝沢さんから厳しいことを言われるんじゃないか、本当は怖い一面がある方なのではと不安になっていたんですが、その気持ちを察してくださったのか分からないんですが、朝会えば笑顔で『おはよう』ってあいさつしてくれて、合間にはたわいもない話をしたりと、自分の緊張をいい方向に誘導してくださるような優しさがあって。青木同様、僕自身も救われましたし、滝沢さんと出会えたこと、現場でご一緒できたのが宝物です!」と熱く語ると、会場から拍手が湧き起こった。

 コメントを受けた滝沢は「もっとふざけるかと思ったのに…」と照れながら、「同世代ですし、常に一緒にいる役だったので現場で一番話しましたね。僕もすごく楽しい時間を過ごしました」と笑顔で答えた。

 現場は和気あいあいだったようで、甦生記念病院の院長・島田光治役の石丸は「いろんな場所で撮影があったんですが、僕はたまに皆さんとご一緒するとキャストの方の手際とか役の入り方が会うたびに成長されていて。これでは置いて行かれる!と思い、僕自身も頑張って皆さんについて行けるように頑張りました」と明かした。

 しかし、寂しい思いをしたそうで「たまにしかいないので、合間でほかの皆さんは談笑されているんですけど、僕はその空間に入れなくて。…本当は入って一緒にお話したかった」となげく場面も。

 湖水町の町長・大川松男を演じた長塚は、滝沢と20年ぶりの共演。「最初にご一緒したのが15歳ぐらいだったと思うんですが、その時から深く静かに一人で情熱を秘めて演じるという芸風が変わっていない。天性のものだと思うぐらい、自分の持ち味を把握されているので、素晴らしいなと思います。20年前に滝沢君の保護者のような役でご一緒しましたが、それ以降クールさに磨きがかかって、まさに今や歩く“孤高のメス”。こんなに立派になって、おじさんはうれしいです!」と語った。

 滝沢も「ドラマを始めたころに共演させていただいて、現場でお芝居とはというお話やお芝居の仕方も教えていただきました。それから年月が経って、今回のドラマの打ち上げで一緒にお酒を飲んだときは感慨深いものがありました」と感激した。

 2018年の振り返りとして、漢字一文字で表すと?と聞かれた滝沢は「いろいろありますが『行』ですかね。今回の決断は、さよならという言葉は使いたくないですし、皆さんとのさよならではなく、“行ってきます”という意味で。身長は無理ですが、とにかく人として大きくなって、皆さんの応えられるような男になりたいと思います!」と宣言。

 最後に「本作は医療ドラマですが、登場人物の生き方、人間模様が描かれていて楽しく見られると思います。WOWOWに加入してみる価値があると思いますので、ぜひよろしくお願いします」と見どころを語った。

『連続ドラマW 孤高のメス』
1月13日(日)スタート
WOWOW
毎週(日)後10・00