『ザ・ノンフィクション 犬と猫の向こう側』が「放送文化基金賞」優秀賞を受賞

エンタメ総合
2019年07月02日

『ザ・ノンフィクション 犬と猫の向こう側』 フジテレビで昨年6月に放送された『ザ・ノンフィクション 犬と猫の向こう側』が、第45回「放送文化基金賞」番組部門・テレビドキュメンタリー番組で優秀賞を受賞した。

 『ザ・ノンフィクション 犬と猫の向こう側』は、前後編にわたって、広島に本部を置く動物保護団体「犬猫みなしご救援隊」代表・中谷百里さんの活動を追ったドキュメンタリー。

 中谷さんは各地で起こっている、犬や猫が好きで飼い始めたが、不妊去勢手術をしなかったために世話ができないほど増やしてしまう「多頭飼育崩壊」の問題に取り組んでいる。空前のペットブームの陰で、年間6万匹以上の犬猫が殺処分されているなか、「犬猫みなしご救援隊」の活動は、これらの犬猫を救うだけではなく、「多頭飼育崩壊」のすさまじい現場にまで踏み込んだ。番組では思わず目を背けるような映像を隠さず見せることによって、現代の貧困と孤立を余すことなく伝えたことが評価されて今回の受賞となった。

『ザ・ノンフィクション 犬と猫の向こう側』<プロデューサー・演出・構成 山田あかね コメント>
「2011年の震災以降、犬と猫の命をテーマにドキュメンタリーを撮ってきました。犬猫モノに対しては、どこか軽く見られていると思っています。でも、実は、犬と猫を撮ることは、人を撮ることと同じなのです。今回取材したのは、一人で100匹もの犬や猫を飼って、どうしようもなくなった人たちでした。なぜそんなことになるかと言えば、頼れる人がなく、最後の支えとして犬や猫を飼うからなのです。犬や猫は人を差別せず、裏切らない。そんな現場で感じたのは、飼い主の圧倒的な、社会からの孤立でした。人間にとって、一番身近な犬と猫には、人の抱える問題がダイレクトに反映されます。だから犬と猫を撮ることは人を撮ることと同じなのです。犬猫モノに賞をくださってありがとうございました」

■放送文化基金賞とは…
視聴者に感銘を与え放送文化の発展と向上に寄与した優れた放送番組や、放送文化、放送技術の分野での顕著な業績を残した個人・グループに贈られる賞。今回は、全部で279件の応募、推薦があり、4月から約2か月にわたる厳正な審査の結果、「テレビドキュメンタリー」「テレビドラマ」「テレビエンターテインメント」「ラジオ」の4つの番組部門で、それぞれ最優秀賞、優秀賞、奨励賞の16番組と、演技賞や企画賞など個人6件、さらに個人・グループ部門の放送文化、放送技術で8件が選出された。

『ザ・ノンフィクション 犬と猫の向こう側』
前編 2018年6月3日(日)後2時~2時55分
後編 2018年6月10日(日)後2時~2時55分

<スタッフ>
チーフプロデューサー:張江泰之
撮影:谷茂岡稔
編集:大泉渉
音響効果:中村由紀
プロデューサー・演出・構成:山田あかね
出演:中谷百里、田原好巳
ナレーション:石田ゆり子

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