伊藤英明、僧医役に「深い縁を感じる」

ドラマ
2020年01月09日
『病室で念仏を唱えないでください』制作発表

 1月17日(金)スタートの金曜ドラマ『病室で念仏を唱えないでください』(TBS系)の試写会&制作発表が行われ、伊藤英明、中谷美紀、ムロツヨシ、松本穂香、片寄涼太(GENERATIONS from EXILE TRIBE)、余貴美子が登壇した。

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 本作は、ビッグコミック増刊号で現在も連載中のこやす珠世による人気漫画「病室で念仏を唱えないでください」(小学館ビッグコミックス・既刊5巻)をドラマ化。僧侶でありながら救命救急医でもある異色の主人公・松本照円(伊藤英明)の奮闘を通して、「生きることとは、そして死ぬとは何か」を問う一話完結形式の医療ヒューマンドラマだ。

 制作発表は、仏事監修を行っている東京・善立寺で行われ、現役の僧侶や僧侶を目指している人たちも参加した。

 役作りとして、3年ほど伸ばした髪を丸刈りにし、仏教や医療の現場に赴き取材や訓練を重ねたという伊藤。「3か月以上準備をしてきたんですが、般若心経を覚えるに当たって、本当に苦労しました。坊主頭でジムのお風呂でお経を唱えていたら、ジムの人に『市川海老蔵さんがジムでお経を唱えている』とうわさが広まってしまい(苦笑)。このドラマの情報解禁がされてからは、伊藤英明だったと収まりがついたんですけど、その間に不気味がられた市川海老蔵さんには謝りたいなと思っている」と語った。

 天才心臓血管外科医の濱田達哉を演じるムロは「今年のお正月は地元に横浜に帰省をしまして、地元の友達、親族、姪っ子、甥っ子たちから『ツヨシ君、次は何の役をやるの?』と言われ、『天才心臓血管外科医だよ』と答えると、ずっと笑われました。見返すために私は、まずは今年このドラマを頑張りたいと思います」と宣言。

 そんなムロは役作りについて質問されると「説得力が増すように、初の医療ドラマなんですけど、取材などでは、11回目ですって言ってます(笑)。まずはウソから始めて、濱田もウソがあると思うので、そういったところから役作りをしています」と明かし、会場を笑わせた。

 濱田の下で多大なプレッシャーを受けながらも、ひたむきに働く若手心臓外科医の児嶋眞白役を演じる松本は「死と向き合っているドラマというのを、なかなか私は見ることがなかった。その終わってしまう、つらい悲しいことの中にも、残された人たちが明日から頑張れる活力みたいなものをもらえるドラマだなと感じました。すてきな先輩たちに囲まれて、私ももっと児嶋を一生懸命生きて、頑張っていいドラマにしていけたらいいな」と意気込んだ。

 また、役作りで苦労していることとして「初めてお医者さんの役に加えて、左利きという設定があるので、そこはすごく意識しています。22年間、右利きで生きてきたので、左で普段ご飯を食べてみたりとかしています」と明かした。

 照円に何かと反発するさとり世代の研修医・田中玲一役を演じる片寄は「高校時代の同級生に2人、研修医をやっている人がいて、大阪に帰省した時にその2人のリアルな声を聞きました。現場では、中谷さんにも(田中が)『本当にムカつく』と言っていただく瞬間もあったりして」と、さとり世代役に早くもハマっている様子。

 また、役と共感することとして「熱い思いを持ってお医者さんを志して、今研修をしている気持ちっていう部分は、まだ自分の技術が追いついていない現実と、自分の頭の中に思い描く理想との葛藤っていうのは、自分もすごく共感できる。若いころにそういう気持ちを誰しもが経験するでもあると思うので、そういったところを大事にできたら」と語った。

 照円たちが務めるあおば台病院の理事長・澁沢和歌子を演じる余は「撮影に入る前にもこちらのご住職さんに祈願していただいて、邪悪な心が消えていったような気がいたします。また、制服を着る役が大好きで。今回は白衣。理事長なのでちょっと皆さんよりいい白衣を作っていただきまして、楽しんでおります」と、白衣をアピールした。

 照円と医師としての姿勢や意見は異なるものの、お互いの実力を認め協力し合う女医・三宅涼子役を演じる中谷は、役作りのために実際の手術を見学したという。「心臓のバイパス手術をムロさんと、松本穂香ちゃんと一緒に見学をしたんですが、動脈からあふれる血液を初めて見たんです。本当にドラマや映画で見る血の色と同じ鮮やかな赤だった。その時の感動って言うんですかね、生命の神秘に触れた感覚っていうのを常に大事にしたいなと思います」と。

 自身の役については「この伊藤さん演じる松本が生臭坊主なんですよね(笑)。お肉はもちろん食べますし、お酒もあおりますし、卑猥な本を職場に持ち込んだりもします。ムロさん演じる濱田も鼻持ちならなくて、自己顕示欲の塊みたいなキャラクターなので、そんな強烈なキャラクターの中で最も普通な、視聴者の皆さまが最も共感しやすいキャラクターでいれるように頑張りたいと思います」と意気込んだ。

 伊藤、中谷、ムロの3人は同級生。ムロは「対立しているシーンが多いので、今はご一緒する時間がまだそんなになくてですね。でも、ずっと英明さんが『鍋を食べたい』って言っているので、どこかで鍋を振る舞おうかなと思ってます」と宣言。中谷が「80人分ですか?」と確認すると、ムロは「スタッフさんの分も含めて作りますよ!僕ん家に招いて、鍋も5種類くらい作って、ちょっと人が入り切らないと思いますけど(笑)」と。伊藤は中谷の差し入れがおいしいと明かし「毎日楽しみにしている。自分も何か差し入れしたいと思っている」と語った。

 また、本編の放送に先立ち、1月11日(土)から片寄が主演を務めるParaviオリジナルストーリー「病室で念仏を唱えないでください~サトリ研修医・田中玲一~」第1話がParaviをはじめ、TVer、GYAO!、TBS FREEで先行配信。片寄は「より深くあおば台病院のことも知っていただけるようなストーリーになるかなと思いますので、さとり世代の田中君が実は裏ではこんなことを思っていたんだみたいなこともお届けできたらなと思っています」とアピールした。

 最後に伊藤は「自分自身、近年子供が2人生まれて、その中で20代のころから見守ってくれていた、第2の父親と言っても過言ではない事務所の社長を亡くし、そしてかわいがっていただいた津川雅彦さんを亡くす中で、人の生と死という、自分自身、人生の岐路を感じている時に、こういう素晴らしい役を頂いたことに、感謝を感じつつも深い縁を感じております。今、素晴らしいキャストとすてきなスタッフに囲まれながら、撮影をしておりますが、本当に手応えを感じております」と語った。

金曜ドラマ『病室で念仏を唱えないでください』
TBS系
1月17日(金)スタート
毎週(金)後10・00~10・54

©TBS