カトリーヌ・ドヌーヴ最新作「アンティークの祝祭」冒頭5分間の映像解禁

映画
2020年06月02日
「アンティークの祝祭」

 6月5日(金)公開のカトリーヌ・ドヌーヴ主演映画「アンティークの祝祭」の冒頭5分間の映像と、ジュリー・ベルトゥチェリ監督が本作について語ったコメントが公開された。

 本作は“フランス映画界の至宝”と言われる女優カトリーヌ・ドヌーヴの最新主演作。自身の人生の終焉を察した主人公・クレール(カトリーヌ・ドヌーヴ)が、半生を共にしてきたアンティークを処分することで浮かび上がる「劇的な人生」と「本当に遺したい思い」を描く。「やさしい嘘」(2003年)、「パパの木」(2010年)などのジュリー・ベルトゥチェリが監督を務める。

 映像は、激しい雨と雷の音と共にマリーの幼少期が始まる。薄暗い屋敷の中をパジャマ姿で歩くマリー、アンティークの象の時計を愛おしそうになでるとベッドの中へ。そこに若かりし頃のクレールが現れる。

 強い口調でマリーに「なぜここに?」と問いかけると、マリーは「暗いのが怖いの。象の時計のそばで寝たい」と甘えるが、「自分の部屋に戻って。早く」と強い貴重で促し、マリーは自分のベッドへ横たわる。

 クレールが置いてくれた象の時計を見つめるマリー。暗闇の中で時計の音だけが響き渡る。数々のアンティークが映し出され、一転、白髪のクレールが何かの気配を感じ飛び起きる…。

 ジュリー・ベルトゥチェリ監督は「親しい友人が私を連想したと言ってこの映画の原作をくれたの。私はこの本を大いに楽しんだ。私が意識している多くのテーマを含んでいたのよ。母と娘の間の複雑な関係。死がいかに私たちに影を投げかけるか。思い出の品物や家具。家族の関係を歪ませる、家庭内の嘘、秘密、伏せられた事柄。迫り来る死。積み重ねた思い出にとらわれ息苦しく、悲しくなりながらも、解放もされる、人に忘れられるということで。この作品は、あれこれ集めた自分の一部である雑然としたコレクションの回顧だった」と映画化の理由を説明。

 また、過去と未来を交互に描く手法については「クレールにとって、娘にとって、重要なのは過去ではなく、過去の記憶だったの。私たちには、この並行する語りが直線的な1日の話を照らし、複雑にし、豊かなものにすると思えた。事故に遭った人たちがその経験はあっという間の出来事のように思えたとよく言うように、人生を走馬灯のように見るクレールの最後の1日を描きたかった」と語っている。

映画「アンティークの祝祭」
2020年6月5日(金)公開

<ストーリー>
夏のある朝、クレール(カトリーヌ・ドヌーヴ)の決意は突然だった――。
70年以上におよぶ長い人生。ここのところ意識や記憶がおぼろげになることが増えてきた。「今日が私の最期の日」と確信した彼女は、長年かけて集めてきたからくり人形、仕掛け時計、肖像画など数々のコレクションをヤードセールで処分することにする。
見事な品々の大安売りに、庭先はすぐにお客と見物人でにぎわい始める。大きな家財から小さな雑貨まで家中を彩り続けたアンティークたちは、いつもクレールの人生と共にあった。それは、彼女の劇的な生きざまの断片であり、切なく悲劇的な記憶を鮮明に蘇らせるものでもあった。
一方、疎遠になっていた娘マリー(キアラ・マストロヤンニ)は、母のこの奇妙な行動を友人のマルティーヌ(ロル・カラミー)から聞きつけ、20年ぶりに帰ってくるがーー。

<スタッフ&キャスト>
監督・脚本:ジュリー・ベルトゥチェリ
原作:リンダ・ラトレッジ著「La derniere folie de Claire Darling」

出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、キアラ・マストロヤンニ、アリス・タグリオーニ、ロール・カラミー、サミール・ゲスミ

©Les Films du Poisson – France 2 Cinema – Uccelli Production – Pictanovo