「R-1」王者・お見送り芸人しんいちが流した涙の理由「感謝やしんどさ、全部が入っていた」優勝者会見レポート

エンタメ総合
2022年03月07日

“ピン芸日本一”を決める「R-1グランプリ2022」が、3月6日(日)に開催。カンテレ・フジテレビ系全国ネットでの生放送後、第20回となる本大会でグランプリに輝いた、お見送り芸人しんいち登壇のリモート優勝者会見が行われた。

まず、現在の心境を問われると、「1人では獲れなかったものなので、本当に皆さんに感謝しています」と。受賞後は「お母さんと電話をした」といい、「マネージャーさんにまず感謝をしなさいと。マネージャーには事務所に拾ってもらったところから始まって、クビ寸前だった僕を全力で止めてくれたこともあります。『マネージャーさんへの感謝を忘れたらダメだよ』と言われました」とコメント。

賞金500万円の使い道についても、「いったん、お父さんとお母さんに預けます。恥ずかしい話ですが、東京出てきたばかりの時はいっぱいお金を借りましたし、仕送りももらっていましたし、大学のお金も出してくれたので、それを全部返したい」と周囲への感謝の思いを語った。

そして、同じ事務所の先輩であり、「M-1」王者でもあるサンドウィッチマンについても名前を挙げ、「サンドウィッチマンさんがいなかったら今はない」という。「まず、“お見送り芸人しんいちという名前を付けて下さったのが伊達(みきお)さん。それで『なんで今まで隠してたんだよ』って、『お前の武器はギターと歌だ』って言って下さったのが富澤(たけし)さんでした」とエピソードを披露する一幕も。

他にもさまざまな先輩にお世話になったといい、「僕、今日ネタをやるまでに本当にいろんな方に相談したんです。台本を観ていただいたり、アドバイスをいただいたり…。なので、そういう(芸歴的に)『R-1』に出られなくなった方々の思いがかなり乗っていたんです。僕より面白い方がいる、ということを本当に言いたくて。この大会も素晴らしいものですが、もっと面白い先輩方もいるということを伝えたかった」と。オンエアの終盤、「ライブを観に来てください」と視聴者に呼びかけたメッセージについても熱く語った。

なお、しんいちは今回が「R-1」出場ラストイヤーの芸歴10年目。「最後の大会なので、残りの7人に点数は負けても、とにかく楽しもうと思っていました」と。1stステージでは、しんいちと同点の463点で2位が3人並ぶという波乱の展開が巻き起こったが、ファイナルステージに上がれる自信はあったかと問われると、「それはなかったです。吉住もめっちゃ面白かったですし、金の国(渡部おにぎり)も今すごく人気ありますし、いけたらいいなぐらいの感じでした。いけたらラッキーみたいな…」と回答。「ファイナルにいけると分かった時は、なによりももう(ネタを)1本やれるっていううれしさが大きかったです」と振り返る。

グランプリ受賞後にはこらえきれずに涙を流す姿が映し出されたが、その思いについては「全部入ってるんですけど、いろんな人への感謝だったり、しんどかったりっていう。本当にダメピン芸人で使いものにならなかったので、キツかったなぁって」と。

「楽屋はピリピリしてたんですけど、最後はファイナリストに残れなかったメンバーも『すげー』とか『カッコいい』って祝福してくれて、『今日本当にいい大会だったな、楽しかったな』みたいな感情が全部入ってました。お父さんお母さんのことも浮かびましたし…」とその涙を真意を明かした。

最後は、今後の目標について「グレープカンパニーに1円でも多くお金を落とすことですかね(笑)。あとは今いただいてるお仕事を全力で、天狗にならず、感謝込めてやれたらと思っています。仕事がない時期が長すぎたので、全部のお仕事を頭下げながらやりたいです」とコメント。「王者らしい振る舞いをゆっくり身に着けていきたい」と前を見据える。

さらに、6月19日(日)には優勝者冠特番の放送が決定。やりたいことを問われると「僕は歌ネタなので、音楽に関する番組にしたいです。かなうかはわからないですが、親交のあるスキマスイッチさんや山崎まさよしさんが安く出て下さらないかな(笑)」と笑顔を見せた。

PROFILE

お見送り芸人しんいち
●おみおくりげいにん・しんいち…グレープカンパニー所属。1985年4月21日生まれ。大阪府出身。A型。趣味は「ときめきメモリアル」、フットサル。特技はサッカー。

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