大倉忠義×成田凌「窮鼠はチーズの夢を見る」胸を締め付ける名シーンの誕生秘話とは

映画
2020年09月14日

全国公開中の映画「窮鼠はチーズの夢を見る」より、恭一(大倉忠義)の帰りを待つ今ヶ瀬(成田凌)が映画を見ているシーンの場面写真が解禁。併せて、行定勲監督がその映画にジャン・コクトー監督の「オルフェ」を起用した理由を明かした。

原作は、人を好きになることの喜びや痛みをどこまでも純粋に描き、圧倒的な共感を呼ぶ心理描写で、多くの女性から支持を得た水城せとなの傑作コミック「窮鼠はチーズの夢を見る」「俎上の鯉は二度跳ねる」。主人公・大伴恭一を演じるのは、大倉。そして恭一への想いを募らせる今ヶ瀬渉を、成田が演じる。メガホンを取るのは、日本を代表する映画監督・行定勲。

この度、今ヶ瀬が恭一の帰りを部屋で待っているシーンで見ている映画に、ジャン・コクトー監督の「オルフェ」を起用した理由が明かされた。元カノとヨリを戻すかもしれない恭一に対し、「俺と寝てください。これを拒まれたら、もう2度と触らない」と今ヶ瀬が懇願するそばで、テレビのモニターには「オルフェ」の一篇が流れ、「これからする事を理解しようとしないで」という意味深な字幕が映されている。

予告編でも使用され、いち早く気付いた映画ファンからは「切なすぎる」「今ヶ瀬の心情に合っていて絶妙」などの声が上がっていた。行定監督は「『オルフェ』は死の世界と現世という境遇の違う者が惹かれ合うが、相手のことを想い、別離を選択する“犠牲愛”を描いた映画です」とその世界観を語る。

そして、起用した理由として「今ヶ瀬は恭一への想いが溢れ、抑えられなくなったとき、ひとり『オルフェ』を見ながら、恭一への愛を貫き、自分に引き寄せることで本当に彼のためになるのか。自分が犠牲になって別れた方がいいのかと苦悩している。その気持ちが、『オルフェ』の登場人物たちの逡巡する気持ちと重なりぴったりだと思いました」と明かした。

さらに、もうひとつの理由として「香港出身の俳優、レスリー・チャンとお会いした時に、好きな映画が『オルフェ』だと聞いたことがあります。彼はその時、自分は常に自己犠牲を意識して生きていると語っていました。社会に対して自分を偽って生きていることも含めて、何かのために自分を犠牲にしていると感じていた。その彼の寂しさや憂いがとても印象に残っていたんです。その姿が今ヶ瀬と重なりました」と、香港が生んだ大スターであるレスリー・チャンとの秘話を披露している。

<作品情報>

「窮鼠はチーズの夢を見る」
全国公開中

原作:水城せとな「窮鼠はチーズの夢を見る」「俎上の鯉は二度跳ねる」(小学館「フラワーコミックスα」刊)
監督:行定勲
出演:大倉忠義 成田凌 吉田志織 さとうほなみ 咲妃みゆ 小原徳子

配給:ファントム・フィルム

<WEB>
公式サイト:https://www.phantom-film.com/kyuso/
公式Twitter:https://twitter.com/kyuso_movie

©水城せとな・小学館/映画「窮鼠はチーズの夢を見る」製作委員会