伊藤沙莉×武正晴監督「ホテルローヤル」キャスティング秘話と演出法を2人が明かす

映画
2020年10月02日

11月13日(金)に全国公開となる映画「ホテルローヤル」。本作で武正晴監督がまりあ役に伊藤沙莉をキャスティングした理由について、そして伊藤が武監督の演出法について語った内容が公開された。

累計発行部数95万部を超える桜木紫乃の直木賞受賞作を、「百円の恋」や「嘘八百」、Netflixで配信中の「全裸監督」など精力的な活動を続ける武正晴監督が映画化した本作。

主人公であるホテル経営者の一人娘・雅代を演じたのは、波瑠。共演には、松山ケンイチ、安田顕、余貴美子、原扶貴子、夏川結衣、伊藤沙莉、岡山天音ら実力派俳優陣が名を連ねている。

本作で、両親に見捨てられ行き場をなくした“自称ホームレス女子高生”まりあという、物語において重要な役どころを演じた伊藤。彼女をキャスティングした理由について、武監督は「はじめから沙莉しかいないと思っていました」という。

その理由として「原作を読んで、まりあが担任の高校教師を『せんせぇ』と呼ぶ声が、既に頭の中で沙莉の声になっていたんです」と、特徴的な彼女の声が決め手になったことを明かした。

また、伊藤も自身のハスキーボイスについて、以前はコンプレックスだったが、声優としてもオファーをもらえるようになったことで自分の個性だと思えるようになったと語る。

武監督からの演出については「ずっと口を開けているなど、とにかく無駄な動きをしてと。だから、観ている人にはまりあという役がちょっと能天気で少しバカっぽく映ると思います。私もはじめは何でだろうと思ったけど、彼女の役はそういう風に見えれば見えるほど、切なく感じさせることができるとわかりました」と、自身の役柄を分析しながら振り返った。

特に印象的だったこととして、「武監督はいつも私たち役者に少しだけ余白を残してくれます。『まりあは親が出て行って、誰もいない家に帰った時どんな気持ちだったんだろうな…』と、彼女の気持ちを私の中で膨らませられるような言葉をそっと投げ掛けてくれました。こういう気持ちだったんだ、と限定せずに、役者自身に役の内面を想像させる機会を与えてくださるんです」と感謝の思いを口にする。

「全裸監督」に続く、武監督と伊藤のタッグ。本作においても、互いについて語る言葉を聞けば、監督と役者それぞれの立場から寄せる強い信頼と絆がうかがえるだろう。

<作品情報>

「ホテルローヤル」
2020年11月13日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

出演:
波瑠
松山ケンイチ
余貴美子 原扶貴子 伊藤沙莉 岡山天音
正名僕蔵 内田慈 冨手麻妙 丞威 稲葉友
斎藤歩 友近/夏川結衣
安田顕

原作:桜木紫乃「ホテルローヤル」(集英社文庫刊)
監督:武正晴
主題歌:Leola「白いページの中に」(Sony Music Labels Inc.)

配給・宣伝:ファントム・フィルム

<WEB>

公式サイト:https://www.phantom-film.com/hotelroyal/

©桜木紫乃/集英社 ©2020映画「ホテルローヤル」製作委員会