THE PRIMALS “光の戦士達”と生み出した驚愕の光景…!レジェンド・植松伸夫も登場

音楽
2022年06月09日

ライヴ中盤、メンバー達がステージから一旦離れると、エメトセルクの声が再び場内に響き渡る。「永い時の中で、ふと、懐かしいメロディを耳にすることがある」「その始まりを知っているか?」──。すると、ステージ後方に設置されていたスクリーンが上昇していき、仮面と黒いローブ姿という『FFXIV』に登場する古代人の服装をした人物が姿を現した。

シンセサイザーとラップトップPCを操り、「悠久の風」を柔らかく奏でると、フードを脱いだその人は、なんと、作曲家の植松伸夫氏! 『FF』シリーズはもちろんのこと、ゲーム音楽の礎を築いたレジェンドのサプライズ登場に沸く光の戦士達。

そのまま氏は「メイン・テーマ〜マトーヤの洞窟メドレー」、さらには「ビッグブリッヂの死闘」と、新アレンジを施した『FF』シリーズの歴代名曲群を立て続けに披露すると、客席から驚きと喜びの拍手が巻き起こっていた。

演奏後、祖堅に呼び込まれた植松氏は、2人で昔話に花を咲かせつつ、この日披露した楽曲は、2022年11月9日発売予定の『Modulation – FINAL FANTASY Arrangement Album』に収録されることを発表した。同作には、氏自身が『FF』シリーズの原曲音源をサンプリングし、現代的に再構築した楽曲が収録されるとのこと。

この日演奏された楽曲も、懐かしい8bit音が耳に残る形になっていながらも、楽曲によってはアッパーなダンスミュージック仕様になっていたりと、かなり興味深いものになっていた。現在、その他の楽曲も鋭意制作中とのことで、続報を楽しみに待ちたい。

サプライズゲスト含め、とにかく内容盛りだくさんだったこの日のライヴ。前述の特効群はもちろん、重厚な音の塊が押し寄せてくる「貪欲」や、ディレイギターが幻想的な空間を作り出した「To the Edge」では、『FFXIV』プレイヤーから募ったゲームのプレイ動画に合わせてTHE PRIMALSが演奏=ユーザーとの共演を果たすという試みも。

また、今年5月に発表された最新アレンジミニアルバム『THE PRIMALS – Beyond the Shadow』の収録曲も披露された。「知恵の巻貝 〜オールド・シャーレアン:夜〜 (Acoustic Version)」では、祖堅がキーボード、GUNNとイワイがアコースティックギター、たちばながボンゴやシェイカーを手に、流麗で温かみのある演奏を繰り広げると、『FFXIV』の名シーンを再びスクリーンに投影しながら、「Close in the Distance」「Flow Together」といったドラマティックなスロウナンバーで胸の奥底を震わせる。これまでの激しいサウンドで押していく構成とは異なる、円熟味のある演奏を客席に届けていた。

同じく、同作収録の「此処に獅子あり 〜万魔殿パンデモニウム:辺獄編〜」を皮切りに、ライヴはクライマックスへ突入。「ロンクグフォール 〜異界遺構 シルクス・ツイニング〜」では、黒いローブをまとった4人のダンサーが登場。お馴染みのダンスで客席を盛り上げると、続く「魔神 〜魔神セフィロト討滅戦〜」では、コージのパワフルなシャウトと、超重量級のバンドサウンドで幕張メッセを揺らしていく。

そのまま繋げた「過重圧殺! 〜蛮神タイタン討滅戦〜」では、強烈な火柱が何度も激しく立ち上がる中、躍動的なビートの上で、祖堅が客席にいる光の戦士達をアジテート。場内の熱気がピークに到達したところで、それをさらに更新するようになだれ込んだ「エスケープ 〜次元の狭間オメガ:アルファ編〜」で、本編を締めくくった。

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