【インタビュー】舞台『私のホストちゃん』主演 山本裕典インタビュー

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2013年10月10日

ドラマ『私のホストちゃん~しちにんのホスト~』の続編となる舞台が、10月25日より青山劇場で上演される。その主演を務めるのは、ドラマや舞台で活躍中の山本裕典さん。
数々の舞台を経験してきた山本さんが今回挑むのは、現実のホストクラブ同様に指名制度やランキングシステムを導入し、お客様からの指名数によってエンディングが変わるという斬新なシステムの舞台。その中で座長を務める山本さんの本音や熱い思いを伺いました。

ふたを開けてみたらこんなシステムだったのでびっくり

――新人ホスト役ということですが、どういうホストですか?

真っすぐというか、ピュアというか、子供みたいな性格だったけど、ホストの世界に入って、そのピュアさが今までいなかったので逆にお客さんに受けるという感じですね。
ほかのホストも、例えば“オラオラ系”とか、“~系”みたいになっていて、まだ台本をもらってないときの取材で「僕は“真っすぐ系”でいきたいですね」と話していたら、それを脚本・演出の村上大樹さんが見ていたのか、そのとおりに台本が来たのでびっくりしました。

――ドラマ版のキャストの中に、新たに舞台からキャストに加わるということで、緊張やプレッシャーはありますか?

プレッシャーはないですが、お芝居の姿勢とか、そういうものでみんなに刺激を与えられたらなと思っています。一緒に稽古させてもらって「すごくいいなあ」と思う経験者の方もいらっしゃいますが、やっぱり場数といいますか、お芝居の経験が少ない子もいます。
その中で僕は蜷川幸雄さんとや宮本亜門さん、行定勲さんなど、いろんな演出家の方にいろんなアドバイスを受けてきたし、いろいろ苦しんできたので、そういった姿勢みたいなものを、語らなくても見て、感じて、燃えてもらえたらと思います。僕が直接何か言うんじゃなくて姿勢で見せられたらな、と思っています。

――エンディングが変わるというシステムを初めて聞いたときは、どう思いましたか?

僕がオファーを受けたときは知らなかったんですよ(笑)。ふたを開けてみたらこんなシステムだったのでびっくりしました。

――実際に稽古が始まって、指名制度の最大のライバルになりそうなのはどなたですか?

分からないんですよ。みんなのポテンシャルというか、みんな初めて仕事をさせてもらうので分からないんです。
僕は記者会見のときに「8勝くらいするんじゃないですか?」なんて偉そうな口たたいていたら、中間発表のとき4勝くらいしかしてなかったんですよ(笑)。松下優也君がダントツで勝ってます。
誰がどれだけの“太客”がいるか分からないんですよね(笑)。最近までドラマもやらせていただいていましたし、番宣で色々な番組にも出させていただいているので、認知度はあると思いますが、やっぱり実際のホストも今回のシステムも、“コアなお客様”の存在も大きいと思います。

――投票で1位を取るための作戦などありますか?

当初の作戦は「番宣で顔を売りまくる」だったんですけど、あんまり効き目がなかったですね(笑)。ちょっとほかの手を考えないと…。最終的には自腹を切るか、身内にポイントを入れてもらうか(笑)…秘策、考えておきます。自分のグッズを劇場前で売ろうかな(笑)。いろんな手を使って、何としてでも半分以上は勝ちたいです。
座長が負け越したらダメでしょう?

歌と踊りはほかのメンバーに任せます(笑)

――マルチエンディングシステムのために、稽古もいくつかのパターンがあるのでしょうか?

歌とか踊りもあって、順位によって歌う曲も増えたりするので稽古も大変ですね。1番頭を抱えているのはそれをまとめる脚本・演出の村上さんじゃないかと思います。
でもシャンパンコールとかは、ドラマに出ていたメンバーがネットとかで調べたりして考えていますね。

――劇中での歌とダンスはいかがですか?

歌はずっと苦手だって言ってたんですよ(笑)。そのせいかみんなより分量は少ないので、ちょっと歌ってちょっと踊りますが、松下君ほどはやりません(笑)。歌と踊りはほかのメンバーに任せます(笑)。
でも、歌と踊りにはすっごく憧れがあります。ライブとか見に行くのも好きなのでよく行かせてもらうんですけど、あんなに大勢の人の前で歌ったり踊ったりしていて絶対気持ちいいだろうなあって思うんですよ。

――今まで文芸作品の舞台をやられていましたが、今回は奇想天外で笑いどころが多い作品です。同じ舞台でも色味が違う作品での、それぞれの難しさなどはありますか?

ここまでがっつり“コメディ”というのは今回が初めてですね。
今まではドラマではっちゃけた役をやらせてもらって、舞台ではどちらかというとカチッとした役をやらせてもらっていたので、自分自身もそういうつもりで分けてやっていて、舞台を観に来てくれた方には「こういうこともできるんだよ」っていうのを伝えたいと思っていました。
ドラマでコメディをやらせてもらってコメディもだんだん好きになってきたので、今度は舞台でどうやって人を笑わせたり、楽しんでもらったりするかが新しい挑戦というか、すごく楽しみです。
あと、今回の舞台は台本のせりふ覚えが今までの中で1番早かったですね(笑)。昨日、台本を30ページくらい追加で渡されて、何か所か長ぜりふもあったんですけど、立ち稽古で自分の出番が来るまでにはせりふが入っていました。

「生中継することで全国の方に見ていただけてうれしい

――11月2日にはWOWOWの生中継が入りますが、中継が入るといつもと違ったりしますか?

中継はダメですね(笑)。世に残しちゃダメです。いつも舞台の撮影が入ると何かしら起きるんですよ。
初めてシェイクスピアをやったときはラリアットをしょっぱなにくらって、目が腫れたまま2時間半の芝居をやりましたし、前回のときはひたすら最初から最後までかみまくるという(笑)。
今回は東京しか公演がないので、生中継することで全国の方に見ていただけるというのはうれしいですよね。
あと、生中継される日は映像に残るので、投票ではさすがに勝ちたいです。どんな手段を使ってでも、自腹を切ってでも勝ちたいですね(笑)。

――今回の舞台で楽しみにしているところやこだわりなどはありますか?

これから活躍する後輩たちにも自分の背中や姿勢を見て、学んでくれるものや感じてくれることがあったらいいなと思いますし、青山劇場がもうなくなってしまうので、今回初めて青山劇場で芝居できるっていうのはすごくうれしく思います。
そして歌と踊りも初挑戦なので、いい感じで次につながるように、いい形でできたらと思います。

――最後に、舞台の見どころを教えてください。

今まで僕が出ていた舞台とは違った形だのものだと思います。舞台を見慣れていない人でも、誰か1人でも好きなキャストがいるだけで楽しめる作品だと思います。
お客様との距離感も近く、来場してくれるだけで満足感もあるし、歌も踊りもたくさんあって、お腹いっぱいになれると思います。

 

●取材/小池澄夏

 

PROFILE

山本裕典
やまもと・ゆうすけ…1988年1月19日生まれ。愛知県出身。2005年、JUNONスーパーボーイコンテストで準グランプリ&フォトジェニック賞を受賞し、翌年『仮面ライダーカブト』で俳優デビュー。
その後、ドラマ、映画、舞台と多方面で活躍。近年では、『GTO』(フジテレビ系)、『あぽやん~走る国際空港』(TBS系)、『山田くんと7人の魔女』(フジテレビ系)など話題作に出演。「貞子3D2」「コドモ警察」「RETURN」など映画でも活躍中。


公演情報

舞台『私のホストちゃん』

現実のホストクラブ同様、指名やランキングシステムを導入。お客様からの指名数によって、ホスト(出演者)のランキングが日々変動し、日によってはストーリーが変わっていくマルチエンディングの舞台。
また、その日の売上に最も貢献した各公演の上位3名のお客様には、指名したホストから2人きりの直接接客を受けられる特典があるなど、ホストとお客様が一体となって、ナンバー1を目指し熾烈な争いを繰り広げる。公式サイトでは、最新ホストランキングも公開中。

【総合プロデュース】鈴木おさむ
【脚本・演出】村上大樹
【出演】
山本裕典、松下優也、吉村卓也、上鶴徹、久保田秀敏、松本寛也
五十嵐麻朝、平田裕一郎、塩川渉、鶏冠井孝介、長濱慎、向山毅、廣瀬智紀、町田宏器
貴水博之/ダイアモンド✡ユカイ
オキャディー(甘王)、二瓶拓也、佐藤友祐、SOLIDEMO
池谷のぶえ、香寿たつき ほか

2013年10月25日(金)~11月4日(月 ・祝) 青山劇場
主催:テレビ朝日 エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ エイベックス・マネジメント サンライズプロモーション東京

公式サイト(http://www.hostchan.jp/
公式Twitter (@hostchanjp)

WOWOWライブで生中継!
お客様の貢ぐ“ラブ”の数で、その日のNO.1ホストが決まり、話の結末が委ねられるこの舞台。WEBとの連携で、視聴者参加も実現!
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