須賀健太インタビュー「脂の乗った役者を目指して頑張りたい」『江戸前の旬』

特集・インタビュー
2018年11月30日

飯テロドラマとしても話題のお寿司にまつわる人情劇『江戸前の旬』。撮影が終えた、須賀健太さんに寿司職人を演じる上で意識したことや、作品の魅力を聞きました。


いつか僕もカンパチのように脂が乗った役者になりたい

須賀健太インタビュー◆あらためて須賀さんが思う、柳葉旬の魅力はどんなところですか?

フレッシュで元気で、“THE主人公”ですよね。自分も修業に励まなきゃいけないのに、お店に来たお客さんや常連さんの悩みを放っておけなくて、助けてようとしちゃう解決しちゃう。しかも本人は気づいてないけど、職人の才能もあって寿司にも好かれている。すごく素敵な子なんだなと思いましたし、そんな旬の雰囲気が見てくださる皆さんに伝わればいいなと思います。

◆ドラマでは、お寿司を通していろんな人の思いや人情劇が描かれています。須賀さんが印象に残っているエピソードは?

須賀健太インタビュー2話で女将見習いの翔子さん(田辺桃子)を勇気づけるために話す、ショッコのエピソードが好きです。翔子さんは旬と同世代。だからこそ旬は勇気づけたくて、お互い一人前になれるように頑張ろうという意味も込めて「お互い、まだショッコとヒナだけど、いつか出世魚のカンパチになれるように頑張ろう」って翔子さんに語りかけるんです。翔子さんと一緒にいる時の旬は、いつもの元気な旬ではなく落ち着いた雰囲気を出したくて、声のトーンも意識しました。

◆出世魚の話もそうですが、劇中でお寿司にまつわる解説もあって、見ているといろんな知識がつきますね。

須賀健太インタビューそうですね。自然と学べるのはすごくいいなと思います。毎話出てくるタネにまつわる職人さんの気持ちも知れますし。2話で出てきた、穴子を2貫出す時に、1貫は身の表面で握って、もう1貫は身の裏面で握るという違いや、お客さんに出す時に煮汁をかけて温め直すという“ひと手間”だったり、そういう細やかな部分も知ってもらえるのはすごくいいなと思います。

◆寿司に対するイメージも変わりましたか?

多少値が張ってもカウンターで食べたいなと思うようになりました。握る難しさも分かりましたし、タネのことを話しながら食べてみたいんです。目の前で握ってくれるお寿司屋さんって、ルールがたくさんあるように思われがちなんですが、そんなにうるさくなくて。指導してくださった先生も「その時期の魚について話しながら食べてほしいんです」とおっしゃっていたので、自分もそれをやりたくて、加藤諒君と行く計画を立てているんです。あと、タネの好みも変わりました。前までは中トロとかシンプルなものが好きだったんですけど、ドラマでイカを塩とすだちで握ったのを食べたらすごくおいしかったので、その食べ方ができるお店を探しています。シンプルな食べ方もできるけど、塩やタレ、すだち…といろんな食べ方ができるって面白いですよね。自分が大人になったような気がします(笑)。

◆ドラマの今後の見どころを教えてください。

須賀健太インタビュー8話で他店の職人と対決し、さらに腕を上げていく旬の成長も見守っていてほしいです。また、柳葉家の問題も少しずつ解決していきます。幼いころからわだかまりがあった、父・鱒之介(渡辺裕之)と兄・鱚一郎(田中幸太朗)がどうなっていくのか注目してほしいですね。今後も寿司ケーキや太巻きなどいろんなお寿司が登場するので、おなかをすかせながら見ていただいて、次の日に寿司を堪能してもらえたらうれしいです(笑)。

◆原作漫画も連載20年で映像化され、須賀さんも今年で芸能生活20年。縁のある作品なんじゃないでしょうか?

そうですね。今までは学生役が多かったので、やっと寿司職人という仕事に就いている役をやらせていただいて(笑)、20周年の幕開けに素晴らしい作品に携わらせていただいたなと思います。これを機に、医者や刑事などいろいろな役に挑戦して、僕も旬と同じように立派なカンパチになれるよう、脂の乗った役者を目指して頑張りたいです!

 

■プロフィール

●すが・けんた…1994年10月19日生まれ。東京都出身。A型。『世界の村で発見!こんなところに日本人』(テレビ朝日系)にレギュラー出演中。ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!! “最強の場所”」が12月16日(日)まで公演している。2019年2月22日に映画「凛」の公開が控えている。

 

■ドラマ情報

『江戸前の旬』真夜中ドラマ『江戸前の旬』
テレビ大阪 毎週(土)深0・56~1・26
BSテレ東 毎週(土)深0・00~0・30

©「江戸前の旬」製作委員会2018


●photo/中村圭吾 text/宮西由加