山寺宏一×江原正士インタビュー「意外かもしれませんが、アドリブはほとんどないです」

特集・インタビュー
2021年03月07日
©Images courtesy of Amazon Studios

◆ちなみに、お2人はプライベートで洋画を見る時は吹き替え版をご覧になるんですか?

山寺:自分が出ていない作品に関しては、面白いと悔しいから本当は吹き替えで見たくないんですけど(笑)、“ちょっとチェックしてやろうかな”くらいの気持ちはありますね(笑)。

江原:僕は吹き替え版を見るように努力していた時期がありました。ところが、見ると反省しちゃうんですよ。“自分だったらこうするなぁ”とか余計なことを考えて、全然作品が楽しめない(笑)。純粋に映画を見たいはずなのに、頭の中は違う世界に行ってしまって。なので、結局字幕で見るようになりましたね。本当は、“みんなどうやってるのかなぁ”って勉強したい気持ちも強いんですけどね。

山寺:分かります。どれだけ経験してきても、“まだまだ勉強しないとダメだな”って思いますよね。特にコメディ作品は吹き替えで面白さを伝えるのが難しいなって感じます。

江原:うん。確かにコメディは難しいよね。自分の技量の問題もそうだけど、台本の仕上がりや、共演者との息の合い方によっても面白さの見せ方が変わってくるから。

山寺:だからこそ、いつも“チャレンジしたい!”という思いでいっぱいなんですけどね。それに、「吹き替えのほうが笑えた」なんていう感想を頂けたら、声優冥利に尽きますし。例えばモンティ・パイソンの作品は、字幕だとあの雰囲気がなかなか伝わらないと思うんです。一方、吹き替えはレジェンドの大先輩方が演じていらっしゃって、それが抜群に素晴らしい。“ネイティブの人たちよりも、こっちのほうが面白いんじゃない!?と思えるぐらいですから。まぁ、比べるものでもないんですけど、僕らも「吹き替え版がすっごく笑えて面白かった!」と思ってもらえる自信を持って演じていますし、いつかコメディ映画の吹き替え版を多くの方に褒めてもらえるようになりたいっていう思いもありますね。

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