台湾在住の女優・大久保麻梨子が語る日本の魅力「空が青いだけで『画』になる」映画「種まく旅人」インタビュー

特集・インタビュー
2021年04月09日

新型コロナウイルス感染症の国内感染拡大を防いだ台湾のいま

◆そうして暮らすようになった台湾。移住した頃の暮らしはどうでしたか?

住み始めた当初はワクワクしっぱなしでした。ただ、半年くらいたったときに、まだ完璧には言葉が通じない状態がストレスだったのか、じんましんが全身に出ちゃったんですよ。当日は病院に行けても、まだお医者さんが何を言っているのか完全には理解できなくて。非常に困りました。そんな時に助けてくれたのが、やっぱり台湾の方々だったんです。これまで大変なことがいっぱいありましたが、周りの人がとにかく助けてくれました。

◆あのときの直感は、間違っていなかった。

そうです。この国でよかったなと改めて思いました。近くの市場には豚が丸ごと置いてあったりカエルがいたりと、日本ではなかなか見られない光景が広がっていますが、それはもう慣れました(笑)。

◆SNSでは「名前を変更できる」ことへのカルチャーショックについてつぶやかれていました。

驚きました。先日、台湾にある日系のお寿司屋さんが「名前をシャケに変えたら、タダで食べられる」というキャンペーンを行っていたんです。台湾では原則3回まで名前を変えることができるのですが、キャンペーンに併せて300人くらいの人が改名したんですよ! 私の友達も「3回変えられるから、食べた後に変えれば大丈夫」って軽々しく言っていて、驚きました。久々にカルチャーショックを受けましたね。

◆そのエピソードからも台湾の方々の人柄を感じます。

基本的にみんな明るくて大らかなんです。活気もありますね。

◆新型コロナウイルス感染症の影響で、日本は過ごし方や暮らし方が大きく変わりました。台湾はいかがでしたか?

2020年の3月頃は、特に感染拡大防止の徹底ぶりがすごかったですね。外食する人は全くいませんでしたし、外に出る約束は基本的にキャンセル。イベント関係も中止になりました。一度、SARS(重症性呼吸器症候群)を経験しているため、「怖い」という認識がみんなにあったのが大きかったかもしれません。今でも電車内ではマスク着用必須、付けていないと乗車できない場合があるなど感染予防を徹底していますが、以前のような暮らしはある程度戻ってきています。

◆日本でも台湾の徹底ぶりや国内の感染拡大を極力防いだニュースが報道されていました。

海外から台湾へ帰ってきた人は、家から一歩でも出たら360万円くらいの罰金を払う必要があるくらい、厳しい対策が取られているんですよね。日本にいる家族と会いたいですが、私も今は我慢。早く前みたいに、台湾と日本を往来できる日が来ることを願っています。

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