台湾在住の女優・大久保麻梨子が語る日本の魅力「空が青いだけで『画』になる」映画「種まく旅人」インタビュー

特集・インタビュー
2021年04月09日

「農業」に対する意識の変化

◆台湾に移住するという大きな決断をされた大久保さん。今回ご出演される映画でも、大きな決断を迫られる役を演じられます。

そうなんです。私が演じる凜は、平岡祐太さん演じる山田良一の恋人。良一は大阪で銀行員として働いていますが、金沢のれんこん農家を営む母から「父親(竹市)が脳梗塞で倒れた」と電話がきて、農家を継ぐかどうかを決断しなくてはならなくなります。凜は良一と結婚を考えていましたが、その話を聞いて戸惑ってしまうんですよ。

◆結婚を考えていた相手が突然「農業」をやるかどうかの選択を迫られてしまったため、戸惑った。

ただ、彼女も良一を通じて「農業」という仕事を知っていきます。加えて、栗山千明さん演じる農林水産省の神野恵子とのやりとりなどを踏まえて、さらに考え方が変わってくる。良一と凜が最終的にどういう決断を下すのかは、映画をご覧になって確かめてみてください。

◆台本を読んだときの感想も教えてください。

結婚を考えていた恋人から突然、農家の跡継ぎについて相談されたら、私も戸惑うだろうなと思いました。ただ、それって「農業」のことをよく知らないからだと思うんです。正直、「農業」は女性が活躍できるフィールドではない、農家の嫁になったら旦那さんを支える役割をしなければいけないと思い込んでいましたが、それは勘違いだったと本作を通じて気が付きました。「農業」は女性も活躍できる職業だという認識に変わったんです。

◆婚約者と一緒に農業を仕事としてやっていくこともできるし、職業の選択肢にもなり得る。

そうですね。技術の発展に伴い、体力をそんなに使わなくてもできる作業や作物も増えています。また、若い方は興味ないというイメージがありましたが、本作を通じて、その認識も改めないといけないと思いました。跡継ぎ問題は確かに存在しますが、「これからもっと発展する業界」と感じて働いている20代の方々も、たくさんいらっしゃるんです。

◆「農業」に対する認識が変わった。

大きく変わりました。小学生の頃に授業で農業体験をしたことくらいしかなかったので、今回の作品で「農業」の魅力を知ることができてよかったです。きっとご覧になる皆さんの意識も、変わるんじゃないかな。

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