高岡早紀インタビュー「女性の心の奥に潜在しているんじゃないかと思う」映画「リカ~自称28歳の純愛モンスター~」

特集・インタビュー
2021年06月18日

五十嵐貴久のサイコスリラー小説シリーズを、ドラマ版に続き映画化した「リカ~自称28歳の純愛モンスター~」。警察に捕まったはずのリカが、再び愛する人の元に向かったその後を描いた本作で、さらなる「リカ」ワールドへ引き込む主演・高岡早紀さんに、新たな挑戦について聞きました。

◆映画化の話を聞いた時の感想は?

原作もたくさんあることで、プロデューサーとは雑談程度で続編などについて話してはいました。でもいざ映画化が決まった時は驚きました(笑)。私の女優人生で、同じ役を何度も演じることはほとんどなかったですし、「リカ」が映画になっちゃっていいの? って。となると、リカはどのように進化していくのか? それがとても気になりました。

◆2019年に放送されたドラマ『リカ』は、これまでの出演作とは違う反響があったかと思います。

私の実年齢とほぼ同じ女性が「雨宮リカ、28歳です」と言い切ってしまうせりふのインパクトもあると思いますが、今までにはなかった女性キャラだったので、ここまで大きな反響があったのだと思うんです。また、リカのように究極な表現じゃなくても、純愛を貫くとか、少なくとも一般的な女性の心の奥に潜在している感情だと思うんです。そこが皆さんの琴線に触れたのではないでしょうか。私も大きく捉えると共感できないですが、細かく言えば、自分の純愛、自分の信念を貫いているという部分は共感できると言えるかもしれません。

◆リカを演じる上で、特に気を付けていることについて教えてください。

揺るぎない心ですね。ある意味分かりやすい性格なので、演じていてとても楽しいです。最初のドラマのスタッフから、ほとんど変わっていないので、現場は和気あいあいと和やかな雰囲気です。ただ一人でお芝居していることが多いので、誰にも邪魔されずにリカの心情に入り込みやすい分、どこか寂しくもあるんです。

◆リカのファッションや見せ方に関してのこだわりはありますか?

リカはお花好きなので、シリーズでは一貫して花柄の衣装を着ているんです。また髪形にもこだわりがあって、よく見ると、どこかバランスが変で普通じゃない。そういうところでリカの精神状態を表わしてます。さらに、今回はオイリーで、実はあまりお風呂に入っていないという裏設定を持たせました(笑)。

◆今回のリカはスパイダーマンのように、走ったかと思えば、跳んだりもします。そんなアクションシーンはいかがでしたか?

ドラマ版からの見せ場になっている走るシーンは、なんか頑張っちゃうんですよ。完成版では早回しになっているんですが、それでもかなりのスピードを出しています。さらに、今回は台本に「跳ぶ」って書いてあって、リカは常人じゃなくて、超人だったことに気づかされました! そのためには私もスキルアップ、ステップアップしていかなきゃいけないですし、ワイヤーアクションも楽しんでやらせていただきました。びっくりするほど、高く飛び上がりましたが、まさかこの年齢でそんなことをやるとは思いませんでしたね(笑)。

◆本作の見どころをお願いします。

今年3月に放送された『リカ~リバース~』は、「どうしてリカがそんな人間になったのか?」というリカのルーツを知るドラマになっていました。そして、今回の映画版は「隆雄さん、ただいま」という意味深なせりふで終わった、2019年に放送されたドラマの続きとなっています。さらに純愛モンスターと化したリカを見ることができると思いますが、とにかく目が離させない! 瞬きさせない!! それぐらいのスピード感や驚き、そして映画の醍醐味を詰め込んだ作品になりましたので、エンターテインメントとして楽しんでほしいです。

PROFILE

高岡早紀
●たかおか・さき…1972123日生まれ、神奈川県出身。A型。主な出演作に、ドラマ『リカ』シリーズ、『桜の塔』、映画「バタアシ金魚」「忠臣蔵外伝 四谷怪談」「雪の華」「ファーストラヴ」など。今後はNHKテレビ小説『おかえりモネ』(NHK総合ほか)に出演。

作品紹介

映画「リカ~自称28歳の純愛モンスター~」
2021年6月18日(金)より全国公開

STAFFCAST
監督:松木創 原作:五十嵐貴久 脚本:三浦希紗
出演:高岡早紀、市原隼人、内田理央、水橋研二、岡田龍太郎、山本直寛、
尾美としのり、マギー、佐々木希

STORY
山中でスーツケースに入った死体が発見された。被害者の身元は、3年前、逃走犯の雨宮リカ(高岡)に拉致され行方不明になっていた本間。警視庁捜査一課の奥山(市原)は、潜伏中のリカをおびき寄せるため、偽名を使いマッチングアプリでリカを探し出すことに成功する。次第に“純愛モンスター”リカにのめり込んでいく。「やっと会える、雨宮リカ」―捜査と共にリカにのめり込んでいく奥山を心配する婚約者の孝子(内田)は、同僚の尚美(佐々木)と共に彼の部屋へと向かうのだが…。

©2021映画『リカ ~自称28歳の純愛モンスター~』製作委員会

photo/関根和弘 text/くれい響 hairmake/白川いくみ styling/寳田マリ

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