奈緒&磯村勇斗『演じ屋』で初共演「奈緒さんはちょっとこだわりの強い人かも…と思ってました(笑)」

特集・インタビュー
2021年07月30日

2000年代初頭にインディーズ作品として野口照夫監督が制作した「演じ屋」を約20年ぶりにリメイクしたWOWOWオリジナルドラマ『演じ屋』が730日(金)より配信・放送開始する。「演じ屋」のメンバーが、さまざまな事情を抱える人たちとのつながりとともに、家庭内暴力や飲酒運転など、日本が抱える社会問題に切り込んでいく物語。本作でW主演を務めた奈緒さんと磯村勇斗さんに、作品のテーマの印象や演じる上で意識したこと、共演前のお互いの印象などを伺いました。

◆本作の印象を教えてください。

奈緒:初めて台本を読んだ時に、内容自体は明るいテーマばかりではないはずなのに、なぜかすごく明るい作品だなと思いました。悪党もたくさん出てくるけど、その中でも人の優しさが光っている作品だなって。

磯村:僕はすごく斬新なテーマを描いた作品だなと。社会問題にもしっかり踏み込んでいるけど、人の優しさもちゃんと描いている、そのギャップがとてもすてきだなと思いました。僕自身社会の闇の部分にもともと関心があったので、作品を通してそこをしっかり伝えないとという責任も感じました。あとは、社会の隅に追い込まれている人に手を差し伸べて、そういう人たちにとって何か大切なひと言のようなものが描かれていると感じました。誰かにとって、救いになる作品になるんじゃないかなと思います。

◆奈緒さんが演じるのは、依頼された役に成り切るという職業「演じ屋」のアイカ。役に対してどのようにアプローチされたのでしょうか。

奈緒:「演じ屋」という特殊な職業に、なぜアイカは就くことになったのか、アイカが今まで歩んできた人生はどんなものだったのか、それは台本を読んでいる時もしっかり考えましたし、監督ともよく話をしました。アイカは「演じ屋」の仕事以外の場面でも、どこか演じているような部分がある人なんですよね。だから、自分の本当の気持ちどおりに動けないアイカをしっかり演じられたらいいなって。現場で皆さんとお芝居する中で生まれるアイカ自身の感情を大切にしようと思いました。

◆磯村さんは、そんなアイカをはじめとする「演じ屋」のメンバーに巻き込まれていくトモキ役で出演です。

磯村:トモキは、アイカや「演じ屋」のメンバーと出会い、途中で止まりながら揉まれながら成長していく、根が本当に優しい男の子なんです。僕は、トモキの周りにいるいろんな人たちとの時間を大事にしながら演じたいなと思いました。

奈緒:私もトモキはとにかく優しい人なんだなと思いました。でも心に傷を抱えている部分もある。アイカはそういう部分を自分自身と重ねて、トモキに声を掛けたんじゃないのかな。トモキは、アイカがそれまで抱えていたものを溶かしてしまうような、そういう真っすぐな優しさを持った人だと思います。

◆磯村さんはアイカというキャラクターについていかがですか?

磯村:人生に絶望してビルの屋上から飛び降りようとしてるトモキに救いの手を差し伸べてくれたのはアイカなので、トモキはアイカにすごい感謝をしていると思います。ただ、初めてトモキがアイカに連れられて「演じ屋」ハウスに行った時、個性的な人たちがたくさんいて少し怖かったと思うんですよ。でもトモキもアイカに似たようなものを感じていたのかな。だからアイカに付いて行ったんだと思います。

◆では、奈緒さんと磯村さんそれぞれの印象を伺います。今回お2人は初共演とのことですが、共演前はどんな印象をお持ちでしたか?

磯村:お会いするまでは、奈緒さんは女優さんとしてすごくお芝居を楽しむ人なんだろうなという印象を持っていました。だから、もしかしたらちょっとこだわりの強い人かもなって(笑)。

奈緒:それたまに言われる(笑)。

磯村:お芝居好きの人はそういう方が多いので(笑)。でも実際にお会いしてみたら、そんなことは一切ありませんでした。奈緒さんは、ものすごく周りを見ていて、安心して一緒にお芝居ができる方。今回の共演を通して、女優さんとしてすごく魅力的な人だなと思いました。

奈緒:私は磯村さんとご一緒できると知った時、本当にうれしかったんですよ。磯村さんのお芝居すてきだなっていつもスクリーンで見ながら思っていたので。すごくお芝居に対して厳しい方なんだろうなって思っていたので、初めてごあいさつする時はすごく緊張しました(笑)。

磯村:そうなんだ(笑)。

奈緒:でも、磯村さんが現場ですごくいろんなところを見てくださって、皆を引っ張ってくださったおかげで、その緊張感がすぐに安心感に変わりました。

◆奈緒さんは、前作「演じ屋 reDESIGN」(2019年)にも出演されています。旧メンバーとして、何か意識されたことはありますか?

奈緒:前作はバディ感が強い印象があったんですけど、今回はアイカとトモキの2人を中心に、演じ屋のチーム感が光る“人”にスポットを当てた作品になっていると思います。現場で特に意識したことはあまりないかも。スタッフさんのことはよく知っているし、作品のことも信頼しているのであまり心配することもありませんでした。なので、“あ、髪形が変わったな”とか会わない期間に生まれた変化を楽しみながら、また一緒に新しい『演じ屋』を作っていけたらいいなって。

◆社会問題をコミカルに描きながらも、アイカの繊細な感情の揺れ動きも画面を通してしっかり伝わってきました。

奈緒:それに関しても自分の中で意識したことは特にありません。アイカは心の中に何かを抱えているけれど、「演じ屋」のメンバーと一緒に過ごしている時間は自然と明るくなっているだけですし。闇が深いからこそ、ちょっとした光がものすごく強い光に見えたりするんですよね。それは台本の段階でもう出来上がっているものだったので、私は現場で台本や共演者の方を信じてお芝居に集中していました。

磯村:それは僕も同じですね。トモキは「演じ屋」に依頼された仕事やそこで会う人たちに寄り添っていく人なので、感情が豊かで大きなハートがありますし、自分の感情のレベルについてはしっかり意識するようにしていました。

◆ちなみに、「演じ屋」公式Instagramにはなごやかな舞台裏が公開されています。空き時間はどのように過ごすことが多かったのでしょうか。

奈緒:今回はセイル役の子役・加藤柚凪ちゃんがいたので、柚凪ちゃんを囲んで遊んでいることが多かったかな。天真爛漫ですごく明るくて本当に癒やされたし、現場の雰囲気を引っ張ってもらいました。

磯村:うん。かわいかったよね。

奈緒:現場には子供が遊ぶものがたくさん置いてあったので、実際に柚凪ちゃんが折り紙で作ったものを劇中に登場させようってなって。あのシーンに小道具として出したらいいんじゃないかなってなったりもしましたね。

◆最後に本作の見どころをお願いします!

奈緒:皆さんぜひ、「もし自分が演じ屋だったら」と考えながら見ていただきたいです。「演じ屋」をやることで、いろんな立場から物事を捉えたり考えたりできると思うんです。自分と考え方が違う人と出会った時に、相手の立場で考えることができる。もし皆がそうなったら、すごく幸せな平和な世界になるような気がするんです。この作品を少しでも頭の片隅に置いていただけたらうれしいです。

磯村:エンタメドラマとしてもちろん楽しめる作品ではあるけれど、社会問題にも切り込んでいく作品です。それをきれいごととして描くのではなく、闇は闇としてしっかり描いています。自分たちの少しの行動で救える人が近くにいるんだよ、というメッセージが伝わればいいなと思います。

PROFILE

奈緒
●なお…1995210日生まれ。福岡県出身。A型。今後の出演作に映画「先生、私の隣に座っていただけませんか?」(2021910日(金)公開)、「君は永遠にそいつらより若い」(2021917日(金)公開)、「マイ・ダディ」(2021923日(木・祝)公開)、「あなたの番です 劇場版」(20211210日(金)公開)、「草の響き」(2021年秋公開)がある。

磯村勇斗
●いそむら・はやと…1992911日生まれ。静岡県出身。A型。最近の出演作にドラマ『恋する母たち』『珈琲いかがでしょう』、映画「ヤクザと家族 The Family」など。現在ドラマ『サ道2021』(テレビ東京系)に出演中のほか、映画「東京リベンジャーズ」が公開中。待機作に「劇場版 きのう何食べた?」(202111月3日(水・祝)公開)、「彼女が好きなものは」(2021年秋公開)がある。

作品紹介

WOWOWオリジナルドラマ『演じ屋』(全6話)

2021730日(金)WOWOWOにて放送・配信スタート【第1話無料放送】
WOWOW 毎週(金)後11・30~

STAFF&CAST
脚本・監督:野口照夫
出演:奈緒 磯村勇斗
笠原紳司 青山倫子 藏内秀樹 加藤柚凪 今井孝祐
徳永えり 伊藤萌々香 伊藤あさひ/島崎遥香 田中俊介 白川裕二郎(純烈)/
忍成修吾 おかやまはじめ/袴田吉彦(話数順)

STORY
結婚式前日、トモキ(磯村)は痴漢の冤罪で仕事も婚約者も失ってしまう。死を決意し、ビルの屋上から飛び降りようとしたその瞬間、女性が悲鳴を上げながら逃げてくるのを目撃。女性は刃物を持った男に襲われてしまい、さらにその場に居合わせたトモキまでもが刺されてしまった…と思いきや、それらは全て演出であり、演じ屋のアイカ(奈緒)とその依頼主による演技だった。巻き込まれてしまったトモキは、アイカから演じ屋という職業の存在を聞かされる。そこでトモキは自分に痴漢の冤罪を着せた犯人たちに復讐するため、演じ屋であるアイカを雇う。

公式サイト:https://www.wowow.co.jp/drama/original/enjiya/

photo/金井尭子 text/山村千晴 hairmake/竹下あゆみ(奈緒)、佐藤友勝(磯村) styling/岡本純子(奈緒)、齋藤良介(磯村)衣装協力/ワイズ、ブルーナボイン

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