小林亮太「かっちゃんもある意味、優等生っぽいんです」『僕のヒーローアカデミア』The “Ultra” Stage

特集・インタビュー
2021年12月02日

小林亮太インタビュー

12月3日(金)より開幕する「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stageで、主人公・緑谷出久(みどりやいずく)のライバルである爆豪勝己(ばくごうかつき)を演じる小林亮太さん。人気キャラクター役をつかんだオーディション当時のお話から、初演を経て感じたこと、そしていよいよ始まる公演についてたっぷりと語っていただきました。

◆まずは「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stage、2019年初演の思い出をお聞かせください。

まず、僕は自分がかっちゃん(爆豪勝己)に選ばれるとは思ってもいなかったんです。オーディションを受けさせてもらえることはうれしかったけれど、当時の自分はまだ20歳前で、彼のように大きなものを抱えている人を演じたことがなかったから。やれるならやってみたいけど、とてつもなく難しい役だと思っていました。オーディションを受けた上で決まったので、ものすごくうれしかったです。振り返ると、デク(緑谷出久)役の心ちゃん(田村心)は、座長なりに作品がどう受け取られるのか考えたり、悩んだりしていたと思うんです。僕は僕で、ただガムシャラに、彼より上に行けるようやってやろう! ということに集中していた。その辺は、役と似ていたかもしれないですね。田村君のすてきな人柄はすぐに伝わってきましたし、信頼関係も稽古が始まってすぐに築けていたと思います。

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◆通称「ヒロステ」の初演を経て、何かご自身が影響を受けたことはありますか?

僕は子供の頃からこの仕事をしているのですが、昔は自分にウソをつくというか、表面的に演じてしまうことが多かったんですね。無意識のうちにそういうスイッチが入ってしまうクセがあったのを、この「ヒロステ」は取っ払ってくれた。自分の人生の中でも、とても大きな転機となった作品です。僕はかっちゃんのようにもともと持って生まれた能力の高さがあるわけではなく、むしろ努力でカバーしなければと思ってやってきました。性格的にも、まわりを見ながら自分を繕って生きてきた部分があったんです。それが20歳のタイミングでこの「ヒロステ」に関われたことで、10代の頃に抱えていたものを取り払うことができた。稽古場でも本番でも、求められたことにただ応えようとするだけでなく、ウソのない自分でちゃんと自我のある芝居ができていたと思います。僕、寅年なんですけど、内面にある“虎的なもの”を出せるようになったというか…。言葉で説明するの、難しいな(笑)。自分が誰かを傷つけることがないようにと、常にまわりを気にして生きてきたけれど、作品のために自分が動くことは決して、人を傷つけることではないんだと気づけたんです。

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◆かっちゃん(爆豪勝己)と小林さんとの間で共通点、共感できる部分というのは?

僕はすごく生真面目で優等生タイプの高校生だったんですけど、自分では当時の自分のこと、あまり好きじゃなくて(笑)。でも、よく考えたら、かっちゃんもある意味、優等生っぽいんですよね。彼の能力や考えていること、人間として成長していく部分も含めてですけど。そんな彼のことを考え続けたことで、自分の中の優等生イメージや、この人ってカッコいいなって思う人の価値観が変わりました。かっちゃんは大人から見たらかわいげのあるキャラクターですし、ひたむきに憧れの存在であるオールマイトの背中を追いかけたいと戦っている様子や、そこからついてくる結果についても刺激になることばかりです。連載中の原作を読んでいても思うのですが、本当に、誰もが通ってきた成長過程が描かれているんですよね。

◆小林さんの思う、「ヒロアカ」(「僕のヒーローアカデミア」)と「ヒロステ」の魅力とは?

僕、マーベル作品が好きで原作のコミックや映画をよく見るんですが、映画によっては、意外とオリジナルから書き換えられている部分があるんです。むしろ、今の社会で伝わるものとして、意識して変えて作られている。「ヒロアカ」も、今の世の中を意識して描かれているのかなって。だからこそ、「ヒロステ」で僕らが生身で体現したときに、キャラクターに自分を投影して感じ取ってもらえることがあるんじゃないかなって思っています。だから僕も、できることなら客席で見てみたいんです。

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◆舞台で演じるにあたり、特に意識していることは?

かっちゃんの存在感です。僕が原作を読んで感じたこと、彼がまわりに与える影響というものも合わせて、ステージ上だけでなく、普段から存在感を出していきたくて。主人公のライバル役、真ん中に立っている人物に影響を与える役って、やっていてすごく楽しいんです。そのポジションを任せてもらったからには、芝居をしているときも、そうじゃないときも、役者としての存在感を出していきたいと思っています。

◆舞台「鬼滅の刃」では主人公、そして「ヒロステ」ではライバル役。両方の立場をやってみて、それぞれで感じた面白さ、難しさはありますか?

主人公をやっていると、作品全体としてよく見せないといけないなって意識になるんです。「炭治郎よかったよ」と言われるのもうれしいのですが、「舞台面白かった!」と言われるように頑張らなきゃ、と。これがライバル役だと、主人公を立たせなければっていう気持ちになる。頭で考えて演じているというよりは、感覚的にやっている感じなんですけどね。役柄にもよりますが、かっちゃんはいろいろ発散できるので、普段の自分が言わないような言葉使いもできて、そこも楽しいと言えば楽しいです(笑)。

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◆アクションの多い2.5次元作品では、映像や音と合わせるのが大変そうなイメージです。

作品によりますね。「ヒロステ」に関しては、そこまで大変ではないです。どの作品もスタッフの皆さんとの連携が大事なので、僕は普段からスタッフの方とよく話すようにしています。ステージに立って気づいたことはしっかり伝えるし、体調に関しても、例えば喉の調子によって、マイクの音量を少し調整してもらうとか。長い公演になればなるほど、それだけコンディションを保たせなければいけない。チームで作り上げているものなので、コミュニケーションは大切にしていますね。

◆最新作でパワーアップさせたい、特に頑張りたいなと思うのは?

去年は公演が途中で中止になり、あらためて原作を読んで気づいたこともあったんです。やっぱり、作品愛やキャラクターについて理解を深めて演じることって、お客さんにもよりワクワクしてもらえると思うので、そこは頑張りたい。僕も今まで感じたことのない領域に到達してみたいし、見てもらいたいですから。前作は短い公演期間でしたが、戦いたくないけれど戦わないといけないシーンを体現するのが難しかった。あの場面の表現方法をずっと考えていたので、今まで自分が出会わなかった感覚にいければ、次のステップに進めるのかなと。彼の抱えているものは、きっと誰もがどこかで抱えているものだと思うのですが、彼の場合は感情が肥大していますから。どこまで表に出したら、うまく伝わるのか。映像で顔が抜かれるわけではないので、どう見せたらいいのかが難しいんですが、そこが2.5次元の面白さでもある。配信もあるので、ダイナミックでありつつ、繊細な表現もしたくなる。ここ1年ぐらい、いろんな作品を見て刺激を受けることが多かったので、自分でも試したい、やってみたいことがいっぱいあるんです。一番はシンプルに楽しむことだと思うし、僕も生き生きとかっちゃんを演じることができているので、ぜひそこを楽しんでもらいたいです。

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PROFILE

●こばやし・りょうた…1998年12月16日生まれ。愛知県出身。A型。これまでに、舞台「鬼滅の刃」シリーズの竈門炭治郎役などを務める。『ビットワールド』(Eテレ)にレギュラー出演中。

作品情報

「僕のヒーローアカデミア The “Ultra” Stage 本物の英雄(ヒーロー)PLUS ULTRA ver.」
12月3日(金)~12(日)
東京・TOKYO DOME CITY HALL

12月24日(金)~26日(日)
京都劇場

<配信スケジュール>
12月3日(金)18・00 公演
12月26日(日)13・00 公演
12月26日(日)18・00 公演
詳細は公式HP(https://heroaca-stage-2021.com/)をご確認ください。

<STAFF&CAST>
原作:堀越耕平「僕のヒーローアカデミア」(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
演出:元吉庸泰 脚本:西森英行 音楽:和田俊輔 振付:塩野拓矢(梅棒)

出演:田村 心/小林亮太、竹内 夢、武子直輝、北村 諒/岩永洋昭 ほか

<STORY>
総人口の約8割が何らかの超常能力“個性”を持って生まれる世界。“無個性”で生まれた緑谷出久は、一人前のヒーローを目指して名門・雄英高校へ。ある日、クラスメイトの兄が敵<ヴィラン>に襲われて…。

©堀越耕平/集英社・「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stage製作委員会

●photo/中村 功 text/根岸聖子 styling/中村美保 hair&make/齊藤沙織

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<応募締切>
2021年12月10日(金)23:59