【#今旬コレクション】櫻井海音「できないものがあると嫌。やるからには完璧に近づけたいです」

特集・インタビュー
#今旬コレクション
2022年07月07日

【#今旬コレクション】櫻井海音

テレビ情報誌「TV LIFE」で、今後さらなる活躍が期待されるネクストブレーク俳優&女優の魅力を紹介する連載「#今旬コレクション」。WEB版では、本誌に収まりきらなかったエピソードをスペシャル動画も交えて紹介します。第37回はこの夏舞台に初挑戦する櫻井海音さんが登場です。

「#旬コレ 7seconds CHALLENGE」櫻井海音

◆舞台「鎌塚氏、羽を伸ばす」で舞台初出演となりますが、率直な心境は?

オファーを頂いた当初は不安な気持ちが強かったんですが、プロデューサーさんとお話していくうちに(ヒロイン役の)二階堂ふみさんが僕と一緒にお芝居をしたいと言ってくださっていたと聞いて。これはやるしかない、期待に応えなきゃいけないなという気持ちになりました。「鎌塚氏~」は長く続いている歴史あるシリーズ。出演後に得るものはすごく大きいだろうなとも感じていたので、ぜひ挑戦したいと思いました。

◆二階堂さんとはこれまでコミュケーションは?

ほとんどないんです。事務所の先輩で、一度朝ドラ『エール』で共演させていただいたんですが、そのときもごあいさつをさせていただいた程度で。僕の何を見てそう思ってくれたのか…。朝ドラのときは芝居を始めて1か月くらいだったので、心当たりもなく「えっ!?」と驚いて(笑)。でもそんなふうに僕の名前を出してくださったことで、すごくやる気が出ました。

◆期待されるほど頑張れるタイプ?

そうかもしれません。この世界に入ってからは、圧倒的に期待されることが多くなったので、その期待に応えたいという気持ちはあります。

◆今まで舞台を見に行く機会は?

実はこれまでなかったんですが、お話を頂いてから友達の舞台を見に行きました。僕は映像作品に出演させていただいてきたので、舞台がどういうものかも分からない状態で見に行って。生の声で届くもの、見て響くものは全然違うなと思いました。映像とはまた違う、巻き戻しができないリアルな感じというか。生ものって強いパワーを持っているんだなと感じました。今はまだ、自分が舞台に立つという実感が湧いていなくて。どうなるんだろうという不安は大きいんですが、立つからには何かを届けなくちゃいけないですし。自分の中でも“楽しい舞台だった”と思えるように、キャストの皆さんとコミュニケーションを取りながら稽古に臨みたいです。

【#今旬コレクション】櫻井海音

◆何か準備していることはありますか?

過去の「鎌塚氏~」シリーズのDVDを見たり、今は舞台に向けたレッスンをやっています。本当に初歩的なところから、発声だったり、舞台はこう動いたほうが見やすいよっていう所作だったり。基本的なところから教えていただいています。

◆新しいことへの挑戦は怖くないですか?

怖さもありますが、やらないことには始まらないという気持ちのほうが強いので、まずは取りあえず飛び込もうと。きっと死ぬことはないと思いますし(笑)。若いうちはたくさんの作品に出演させていただいて、いろいろな役をやって、そこから自分の可能性や引き出しを見つけていきたくて。今回はコメディー作品で、役も今までにない役なので新たなものをどんどん見つけていけたらいいなと思っています。

◆チャレンジするとき、大事にしている考え方は?

逆に何も考えないかもしれないです。やるしかない、という感覚に近いですね。新しいものに対しては、どうしても不安や怖さがありますけど。一歩踏み出して、続けていたらきっと楽しくなると思うんです。だから僕は何も考えずに現場に行って、そこで面白さを見いだしていく。見いだせたら成長していくし、成長したらまたそれが面白くなる。そういう連鎖があると思うので、僕は“取りあえず行こう”の気持ちで臨んでいます。

【#今旬コレクション】櫻井海音

◆役者を始めたときも同じような気持ちでしたか?

そうですね。僕はもともと役者志望ではなく、コロナ禍でバンドのライブ活動ができなくなって、そのタイミングでオファーを頂いたんです。なので、頂いたものはやってみよう、という感覚でした。最初は志していたわけではないですが、結果的にこうやって楽しくやりながら、それが仕事になっている。何事も挑戦してみる分には、損はないのかなと思います。

◆そのチャレンジ精神はどうやって磨かれたんですか?

僕、基本的に負けず嫌いなんです。自分がやったものでできないものがあると嫌で。やるからには完璧に近づけたいですし、できない自分も嫌いで。そもそもお芝居も、最初やったときに全く出来なくて、それが悔しくてやり始めたところがあるんです。根本にある負けず嫌いな性分が関係しているのかなと思います。

◆プライベートでも負けず嫌い?

はい。友達にもよく言われます。例えばゲームをしていても、僕は勝つまでやるので(笑)。聞こえは悪いかもしれないけど、常に上に立ちたい、だから負けたくない、という感じです(笑)。小さいときにサッカーをやっていたときも、地域の選抜で小学4年生の枠は3人しかなくて。それに選ばれなかったのが悔しくて、そこから1年間ずーっと個人でも練習して試合に出られるようになったんです。徒競走やリレーでもずっと一番でした。頑固というか意固地なんです(笑)。

【#今旬コレクション】櫻井海音

◆そこで結果を出せるのは、やはりすごいことだと思います。

僕、人生は逆算して考えるのが好きというか得意なんですよね。“この仕事をしたら、これにつながるな”“こうなりたいから、じゃあ今はこれをしなきゃいけないな”とか。サッカーをやっていたころから、そういうふうに逆算して考えるのが楽しくて。バンドを始めるに当たっても、音楽でご飯を食べていきたいというイメージを持ったときに、じゃあまず何が必要なのかを考えて。学校の音楽の先生に知り合いを紹介してもらってサポート活動から始めてみたり、自分で考えながらやってきました。今回の舞台も、今後の役者人生を考えたら得るものしかないなと思っていて。こうなりたいっていう人間をイメージしながら、近づけるように積み重ねていく。自分のモチベーションはそこにあるのかなと思います。

◆「こうなりたい」を言葉にするなら?

安直な言葉になってしまうけど、最終的には主演を張れるようになることですね。そのために今できることを精いっぱいやるしかないなと思います。

PROFILE

●さくらい・かいと…2001年4月13日生まれ。東京都出身。O型。最近の主な出演作はドラマ『顔だけ先生』『未来への10カウント』、映画「嘘喰い」など。

公演情報

M&Oplaysプロデュース「鎌塚氏、羽を伸ばす」

7月17日(日)~8月7日(日)東京・本多劇場
8月11日(木・祝)富山・富山県民会館ホール
8月13日(土)、14日(日)愛知・東海市芸術劇場 大ホール
8月16日(火)島根・島根県民会館 大ホール
8月21日(日)岩手・北上市文化交流センター さくらホール 大ホール
8月24日(水)新潟・りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館・劇場
8月27日(土)、28日(日)大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ

作・演出:倉持裕
出演:三宅弘城、二階堂ふみ、櫻井海音、玉置孝匡、マキタスポーツ、西田尚美

<あらすじ>
“完璧なる執事”として名高い鎌塚アカシ(三宅)は、失恋からすっかり元気をなくし、見かねた主人から休暇を言い渡される。豪華寝台特急「アルビオン」に乗車したアカシは、車内でかつて仕えていた綿小路家の令嬢チタル(二階堂)と再会。そこで殺人事件の調査を開始することになり、騒動に巻き込まれ…。

●photo/田中和子(CAPS) text/山口昭子 hair&make/高草木剛(VANITES) styling/藤井晶子