THE BEAT GARDEN 『六本木クラス』挿入歌へ込めた思いとこれまでの歩み「泥臭く進んでいく姿と自分たちが重なった」

特集・インタビュー
2022年08月19日
THE BEAT GARDEN

2012年に大阪でグループを結成し、2016年にメジャーデビューした3ボーカルユニット・THE BEAT GARDEN。結成10年目を迎えた彼らは、人気韓国ドラマ『梨泰院クラス』のジャパン・オリジナル版ドラマ『六本木クラス』(テレビ朝日系 毎週木曜 午後9時〜)の挿入歌「Start Over」を担当している。Gahoが歌唱する本家『梨泰院クラス』のテーマ曲「START」の日本語カバーとして製作された本曲は、ドラマに寄り添いつつも、彼らの歩みを感じられる1曲にもなっているという。

今回は「Start Over」をリリースした彼らにインタビュー。楽曲へ込めた思い、そしてTHE BEAT GARDENの魅力についてお話を伺いました。

◆TV LIFE webには初登場ということで自己紹介と合わせて、マイブームを教えていただけますか?

U:よし、じゃあいくぞ、最初はグー、じゃんけん……。

2人:ポンッ!

MASATO:……はい、ということで、じゃんけんの結果、僕から自己紹介することになりました。THE BEAT GARDENのMASATOです。最近のマイブームはキャンプです。もともとサウナにハマっていたのですが、サウナ仲間の1人がキャンプの魅力を教えてくれて。この夏は、自分のギアでキャンプに行くことが目標です。いつかはテントサウナをしたいですね!

U:さすがだわぁ、自己紹介感あるわぁ。ということで、続いては私! 埼玉県・所沢市出身のUと申します。THE BEAT GARDENのリーダーです。いま……と言いますか一生のブームだと思うのですが、僕はチワワが大好きでして。実家では9匹のチワワちゃんを飼っています……が、犬アレルギーです。よろしくお願いします。

MASATO:おぉ、自己紹介っぽい。

U:ありがとう(笑)。

REI:はい、最後に自己紹介するのはREIです。最近、友達の影響でレコードにハマりました。同じ音楽でも、レコードで聞くと音の広がり方が全然違うんですよ。仕事の合間が1時間でもあれば、レコード屋さんへ行くようになりました。あと、フィルムカメラも好きですね。もしかしたらアナログ好きなのかもしれません。

U:最後、自己紹介感を持たせてきたね!

◆ここまでのやり取りだけでも、3人の仲の良さが伝わってきました。

U:まぁ、僕たちはもともと友達同士で結成したユニットですからね。もう気持ち悪いくらい、どんどん仲良くなっています(笑)。

◆ということは10年以上、一緒にいるわけですよね。ちょっとギクシャクした瞬間はなかったんですか?

U:ないかなぁ。意見がぶつかったとしても、お互いに何でも言い合える関係なので、長く尾を引くことがないんです。あっ、一緒にゲームをしていて負けたとき、本気で「こいつめ……!」って思うことはありますね(笑)。

THE BEAT GARDEN・MASATO

◆それはまさに、友達ですね。

MASATO:そうですね。ただ、僕は友達から始まったからこそ、この2人と音楽を一緒に続けていけないかもと思った瞬間がありました。この2人とだったら音楽人生をかけられるという気持ちでユニットを結成し、上手くいかないことも多々あったものの、ようやく事務所が決まって、メジャーデビューすることもできて。その喜びを噛みしめる一方で、音楽で飯を食っていくには、少なからず誰かに評価されないといけない。そういうビジネス面を考えると、友達とは違う付き合い方がどうしても必要なんです。そのときに寂しさを感じましたし、やりたかった根本が変わってきちゃったなと思って。それで、音楽活動をやめようと思った時期がありました。

REI:僕たちも、(MASATOが)そう思っているんだろうなと感じていました。

◆それを乗り越えたから、いまも3人で歌えている。

U:はい。いまは“誰か1人が頑張っていたら、他の2人がちょっと休む”という関係ができている気がしています。「働きアリの法則」みたいに、働き者と休む者というのが自然と分かれるというか。

MASATO:仕事として音楽活動を始めた頃は、全員が10割で頑張らないといけないという感覚がありました。でもそこから、“他の2人ががんばってくれているから自分は休みます”と言える関係になったことが、僕のなかでは大きかったですね。自分自身を許せるようになりました。

◆なるほど。さて今回、THE BEAT GARDENはドラマ『六本木クラス』の挿入歌「Start Over」を担当されているわけですが。

U:僕は今回のお話をいただく前から、『梨泰院クラス』を知っていたんです。さまざまな困難がありながらも泥臭く進んでいく、ゼロから築き上げていく主人公たちの姿が、おこがましいですが、上京してからここまでの自分たちの歩みと重なりました。僕たちも泥臭く、がむしゃらにやってきたので、シンパシーを感じたんですよね。そこから、作品にドハマりしました。この2人やマネージャーさんなどにも「見たほうがいいよ」って、オススメして回っていたくらいです。それだけに、挿入歌を担当できると聞いたときは信じられなくて。最初は、うれしさよりも驚きのほうが勝っていたかもしれません。

原曲に寄り添いながらTHE BEAT GARDENらしさを意識

THE BEAT GARDEN・U

◆「Start Over」は、Gahoさんが歌唱する本家『梨泰院クラス』のテーマ曲の日本語カバーとなります。原曲を聞いたときの印象を教えてください。

U:メロディもGahoさんの熱量も、ドラマのストーリーにピッタリですよね。実は今回、日本語カバーさせていただくにあたり、まずはGahoさんの原曲をメンバー全員が歌えるようにレッスンしたんですよ。そうして歌っていくうちに、Gahoさんは声質を含めて柔らかい歌い方をされていることに気が付きました。熱量のなかに深みを感じられたので、日本語カバーするうえでもその点は意識しようと思いましたね。

◆Uさんは、本曲の日本詞を担当されていますね。

U:そのまま歌詞を直訳してしまうと、少々端的な言葉が並んでしまう可能性が高くて。自分としても込めたい思いがあったので、日本の比喩表現も入れて制作をさせてもらいました。

◆改めて、本曲に込めた思いを教えてください。

U:仲間との絆や夢を諦めないというドラマのテーマを軸に、日本詞を書いていきました。また、ドラマを見ていて恋愛模様も印象的だったので、恋愛要素も含めたいなと思ったんです。そういった要素については、原曲にはないサビの「ずっと隣でいて」という歌詞で主に表現しました。

THE BEAT GARDEN・REI

◆お二人は今回の日本詞について、どのような印象をお持ちですか?

REI:Uさんは普段からTHE BEAT GARDENの作詞を担当しているのですが、いつもはメロディより詞を優先しているんですよ。ともすれば、伝えたい内容に合わせて、メロディを削ったり伸ばしたりという作業をすることもあるんです。ただ今回は原曲があったので、そこに日本語をしっかりとはめていくという、いつもとは違う工程で作っていました。Uさんが作詞している姿、そして完成した内容を見て、原曲をリスペクトしていることが伝わってきましたね。

MASATO:原曲のイメージを壊さないという大前提はありつつ、自分たちの人生を投影しているような歌詞になっていると感じました。僕たちは路上ライブから始まってここまで、悔しい思いもたくさんしてきたんです。活動していくうえで、他のアーティストさんにジェラシーを感じたこともあります。それでも、メンバー全員で「だとしても!」と唱え合って、ここまでやってきて。その「だとしても!」精神がドラマからも感じられましたし、この曲にも詰まっていると思います。

◆歌に関して、本曲の聞きどころを教えてください。

REI:基本的にはGahoさんの歌い方に沿っていますが、「もう見失ないたくないんだ 自分を」というフレーズは、グッと自分の気持ちを込めて歌っています。聞いてくれた人が「また明日があるよ」と思ってくれるような、誰かの背中を押せる曲になればいいなという気持ちを込めて、あえて原曲よりも熱く、ねちっこく歌いました。

MASATO:世界的な名曲を日本語でカバーするという重責を感じていますので、まずは原曲ファンの方々が聞いても違和感がないように歌うことを意識してレコーディングしました。一方で、Gahoさんがソロで歌唱されているのに対して、僕たちは3ボーカルで歌っているので、その意味も持たせられたらなとも思っていて。Gahoさんの歌い方に沿っている部分、THE BEAT GARDENらしさを出している部分をそれぞれで表現しているので、聞き比べていただけたらうれしいですね。

U:サビの「I can fly the sky Never gonna stay」はGahoさんの歌詞をそのまま引用している部分で、歌い方もすごく研究しました。この部分に関しては自分のオリジナリティよりも、ドラマ『梨泰院クラス』のファンの方々がより作品にのめり込めるようにと思いながら歌っています。『六本木クラス』のドラマ放送後に「声が似ている」とおっしゃってくださる方がいて、とてもうれしかったですね。

THE BEAT GARDENの何かが変わる瞬間

THE BEAT GARDEN

◆先日開催されたツアーライブ「in your tour 2022」のファイナル公演で、「Start Over」を披露されていました。その時の感想を教えてください。

U:僕らは事務所に入る前から自分たちで車を運転して移動しながら、路上ライブをやっていました。その当時から応援してくださっている方々が、今もライブに来てくれるんですよ。それ以降も本当に多くの方々が僕たちを応援し、支えてくださいました。結成して10年。みなさんとの思い出が僕たちのなかにあります。そんなみなさんの前で期待のテレビドラマのタイアップ曲を披露できたことが、本当に感慨深かったですね。まだここがゴールではありませんが、ずっと一緒にいてくれたみなさんへの感謝の気持ちを込めて歌いました。THE BEAT GARDENの何かが変わる瞬間をみなさんが目に焼き付けながら聞いてくれているような熱意を感じて、これからもより一層頑張ろうという気持ちにもなりましたね。

◆今風の言葉で表すと「エモい」感じでしょうか…?

U:そうです。エモい! まとめると、めっちゃエモい。それでお願いします(笑)。

REI:10年一緒にいられることも、活動を見守ってもらえることも、当たり前じゃないと思うんです。それでも、全国各地で僕たちのことを待ってくださっている方々がいるのが、うれしくて仕方ありません。ツアーでみなさんの顔が見られるだけで、気持ちが高ぶります。「Start Over」を歌えたことは、もちろん自分たちにとっても大きな出来事ですが、応援してくださっているみなさんへのプレゼントにもなっていたらいいなと思いながら歌いました。

MASATO:僕自身が、応援しているアーティストの大きなタイアップなどが決まると、うれしい反面、どこか遠くへ行ってしまうような、ちょっと寂しさも感じることがあって。ツアーでこの曲を披露する前は、もしかしたらそういうファンの方もいらっしゃるんじゃないかなと思っていたのですが、実際は拍手が鳴りやみませんでした。あの拍手が、これからTHE BEAT GARDENがいろいろな人に知ってもらえる可能性があることを、みんなが喜んでくれたことを物語っていたような気がします。ツアーを通して“これがTHE BEAT GARDENだ”という意思表明をできたという手ごたえを感じたので、“これからもいろいろな夢をみんなと一緒にかなえていきたいな、かなえていこう!”と思いました。

◆今後はどのような活動を予定されていますか?

U:以前に僕たちは、3人が集まって遊んでいる様子を見てもらう「庭宴会」というファンクラブ限定イベントをやったことがありまして。

REI:友達同士が遊んでいる様子をただ見てもらうだけのイベントです(笑)。

U:だね(笑)。そのイベントの派生形である「庭宴歌謡祭」を9月17日(土)に開催することが決定しています。いつものライブでは歌わないようなインディーズ時代の曲なども歌唱する予定なので、興味があればぜひ足を運んでください!

◆最後に改めて、THE BEAT GARDENがどういうグループなのか、アピールをお願いします。

REI:楽器も持たない3人が、縦横無尽に動いて、伝えたいことを伝えるライブをやっています。「Start Over」で僕たちのことを知ってくださった方々には、ぜひ今まで僕たちが歌ってきた大切な曲も聞いてほしいです。さらに潜り込んで、僕たちのことをどんどん掘り下げてください!

MASATO:アーティスト写真がクールめだからなのか、お会いしたことがない方からは近づきにくいと言われることがあって。ただ、実際の僕たちは何もカッコつけず、ありのままに音楽を届けています。ライブのMCも、普段その辺の道を歩いている自分たちの姿のままやっています。きっと、見た目以上に親近感を持っていただけるグループのはず! 今回のタイアップ曲をきっかけに興味を持ってくださった方と、どこかで会える機会があればうれしいですね。

U:まず、この機会に出会ってくださり、本当にありがとうございます。僕らは他人事じゃなく、悩んでいる人や苦しい思いをした人に届く音楽を歌いたいと思っています。そういう思いをもって曲を作ってきたので、ぜひ一度聞いてみてください。大阪の専門学校で出会った僕たち3人は、知り合いがデビューしていく背中を見続けてきました。何かに選ばれたという経験がほとんどないんです。いま所属している事務所も、声をかけていただいたわけではなく、自分たちから所属したいと何度もアピールをして入所させていただきました。そうして、やりたかったことをいくつも形にしてきました。それでも、まだまだかなえられていないことがたくさんあります。その夢をかなえていくためにこれからも頑張っていきますので、応援をよろしくお願いします!

PROFILE

THE BEAT GARDEN
●びーとがーでん…2012年に大阪で結成されたグループ。今年で結成10周年。結成して1週間で上京し、現在の事務所に毎日デモテープを送り続け、2013年に正式に所属する。事務所に所属してからも路上でのライブ活動を続け、2016年にメジャーデビュー。シングル、アルバムのリリースを重ね、2020年には新木場STUDIO COASTでのワンマンライブを開催。同年12月に配信リリースされた「マリッジソング」はドラマ『社内マリッジハニー』(MBS)のエンディングテーマ曲として話題となり、 LINE MUSICでリアルタイムランキング1位を獲得した。

リリース情報


Digital Single『Start Over』
2022年8月4日(木)より各種音楽サイトにて配信中

配信リンク:https://THEBEATGARDEN.lnk.to/Start_Over

WEB

THE BEAT GARDEN 公式サイト:http://thebeatgarden.com/
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●photo/YOSHIHITO_SASAKI text/M.TOKU