杉野遥亮&中尾明慶インタビュー「清舟と父親、川藤との関係など、掘り下げられていく人間ドラマを楽しみにしてほしい」『ばらかもん』

特集・インタビュー
2023年08月14日

『ばらかもん』

長崎県・五島列島を舞台にしたハートフル島コメディ『ばらかもん』(フジテレビ系 毎週水曜 午後10時~10時54分)で、主人公の青年書道家・半田清舟を演じている杉野遥亮さんと、同級生の画商・川藤鷹生を演じている中尾明慶さん。8月16日(水)放送の第6話から、ドラマは新章に突入。これまでの撮影の感想と共に見どころを語ってくれた。

◆ここまでの撮影の感想からお願いします。

杉野:自然の豊かさや、人と人との心の距離みたいなものが描かれている作品で、暗いニュースが多い中、意外とみんなが求めているものだったりするのかなと。このドラマを今、世の中に発信することができて純粋にうれしいなという気持ちです。

中尾:清舟が島の方たちと触れ合っているときの表情や空気感が僕も好きで。僕が演じる川藤は島の人ではないので、知らないシーンも多くあって、1人の視聴者として放送を楽しんでいます。

『ばらかもん』

◆第3話では川藤も五島列島に行きましたが、島での撮影の思い出はありますか?

中尾:実は僕、島には2日ぐらいしかいられなかったんです。天気が悪くて、飛行機が飛ばなくなるからって、すぐ帰されちゃって。

杉野:しかも、一緒のシーンも少なくて。

中尾:本当に会わなかったよね。天気の関係で、撮る予定だったシーンも撮れなくなったりしたから。でも、杉野君個人としては島での思い出はいろいろあるんじゃないの?

杉野:一応、鬼岳や大瀬埼灯台みたいな、観光スポットは巡りました。あとは結構、東京と行ったり来たりしてたから…。ずっといた綱(啓永)君の方が五島のことは詳しいかも。

中尾:確か、杉野君は「ふるさと大使」になりましたよね?

杉野:そうなんですけどね…(笑)。でも、五島は本当にいいところですよ。このドラマの影響で、飛行機の予約が取れないとか…。

中尾:そうなんだ!?

杉野:なったら嫌だなって。

中尾:なってんのかと思ったよ!(笑)

杉野:(笑)。今後普通にプライベートで行きたいなと思ってて。だから、あんまり埋まってほしくない気持ちもあるんですよね。

中尾:そうだね。(プライベートで)行きたいよね。海、めっちゃきれいだったし。

杉野:はい。なのに僕たちは海に入れてないわけですよ。

中尾:行こう、落ち着いたら。

◆清舟と川藤の関係性がお2人自身に通じるところもありますか?

杉野:ありますね。中尾さん、男らしいんですよ。こう見えて。

中尾:おい!(笑)

杉野:(笑)。どちらかと言うと清舟は川藤に甘えている感じだから、お芝居もそのままスーッとできているというか。子供たちの扱いにしても、やっぱりうまいですし。

中尾:杉野君はピュアで素直だから、子供たちにも全力でぶつかっていくんだよね。そこがすてきなところだし、清舟もそんなところがあると思うよ。

『ばらかもん』

◆現場の雰囲気はいかがですか?

杉野:にぎやかですね。なる(宮崎莉里沙)、陽菜(寺田藍月)、謙太郎(加藤叶和)って3人そろうとなかなか大変で。子供たちの明るさに救われるときもあれば、時たま修行かなって思うときもあります(笑)。

中尾:でも、杉野君がビシッと引き締めてくれている印象はあるよ。そうじゃないと多分、楽しいが先行して、このドラマで描こうとしているテーマとはちょっとズレて行っちゃうとも思うから。座長としていいな、頼りになるなと思いますね。

杉野:うれしい、本当ですか?

中尾:そんな照れられる?(笑)

杉野:作品に入っていると、だんだん会話が苦手になってくるんですよ。しかも僕、子役の子たちとこんなにお芝居するのも初めてだし、書道の練習もしなきゃいけないし。やることがいっぱいで、てんてこ舞いになっていたりするから、そういう言葉をもらえると頑張ろうって思えます。

『ばらかもん』

◆中尾さんは子供たちとどう接していますか?

中尾:僕はもう、ひたすら甘やかしちゃってますね(笑)。自分にも子供がいるし、息子の友達が家に遊びに来たりして、相手をするのに慣れてるところもあるから。

杉野:子供の扱いをちゃんと心得てますよね。遠藤(憲一)さんより知ってる気がします。

中尾:ちょっと前に、遠藤さんが謙太郎に将来何になりたいかを聞いてて。謙太郎が「役者もやりたいし、書道も好きだから書道家にもなりたい。警察官にもなりたい」って答えたんです。そしたら遠藤さん、「無理だろう」って言い出したんですよ(笑)。子供が一生懸命夢語ったのに。この人、子供に慣れてないわ~と思って、ダメ出ししときました(笑)。

『ばらかもん』

◆(笑)。今回の撮影を通して、中尾さんは「犬猿の仲」と言われていた田中みな実さんとの関係が修復できたそうですが。

中尾:犬猿の仲というか(笑)、「私のことをネタにするなら、ちゃんと笑い取ってください」みたいな、ダメ出しをされてたんですよ。でも今回、千葉でのロケのとき、一緒に海鮮丼を食べに行って。その後、田中さんがデザートが食べたいっていうから、近くのファミレスに行ったんです。田中さんのマネージャーさんと3人で。ドリンクバーで2時間ぐらい。

杉野:それは長いですね。

中尾:長かった(笑)。しかも、向こうは中空きだけど僕は撮影がもう終わってて…。

杉野:だったら、早く帰りたいですよね。

中尾:でも店に入っちゃったから、帰るって言い出せなくて。しかも、田中さんの役者の仕事に対しての思いみたいな、割と真面目な話の内容だったんですよね。だから、取りあえず田中さんが現場に戻る時間を待って「お疲れ様でした」と(笑)。おかげで仲直りしましたけどね。

『ばらかもん』

◆第6話から物語は新章に突入しますが、後半戦の見どころをお願いします。

杉野:前半は清舟が島の人たちとどう関係性を築いていくかに重きがあったと思うんです。でも後半は作風がちょっと変わって、より人間関係を掘り下げていくんですね。清舟とお父さん(清明=遠藤憲一)、川藤との関係、浩志(綱)の話だったり。

中尾:今まではわりと自然の中での空気感というか、のんびり時間が流れてたのが、ちょっと慌ただしくなって。喜怒哀楽が明確に見えて、感情がどかっと出るシーンが増えて来るよね。

杉野:そうですね。その分、僕もちゃんとお芝居をしていかないとと考えています。

『ばらかもん』

◆このドラマは清舟の成長物語でもありますが、お2人が最近何か成長を感じた出来事は?

中尾:分かりやすいところで言えば、杉野君の書道だと思います。撮影の合間、ずっと書いてるんですよ。おかげでどんどんうまくなってて。

杉野:最初はぐるぐると丸を書くところから始めたんです。それからしばらくして、タイトルバックの撮影で大筆を使ったら、普通の筆が簡単に思えるようになって。自分で筆の使い方をアレンジしたりしているうちに、書くのが楽しいというか当たり前になっちゃったんですよね。だからいつも書いてるのは、書くことで気持ちが落ち着くからなんです。

中尾:そういう心境に至ったことも含めて、すごいよね。ドラマが終わった後も続けたい?

杉野:続けられたらいいなと思ってます。中尾さんは何かありますか?

中尾:俺は成長してんのかな? してないからずっと芝居をやってるような感じもするし。今でも現場ではずっと緊張してるから。

杉野:緊張はしますよね。ちゃんとできるかどうか、分からないから。

中尾:うん。しかも子供たちがちゃんとやってるのを見てると、だんだんプレッシャーになってきちゃって。これで大人がNG出しちゃったらやばいなと思って。

杉野:分かります。特に陽菜はめっちゃ泣くじゃないですか?

中尾:すぐ泣けるよね。

杉野:それを見て、僕が泣けなかったらどうしようって。

中尾:そういうプレッシャーもあるよね。まぁ、成長してるのかどうか分からないけど、やり続けるしかないかなと思ってます。

PROFILE

●すぎの・ようすけ…1995年9月18日生まれ。千葉県出身。O型。近作にドラマ『罠の戦争』『僕の姉ちゃん』、映画「東京リベンジャーズ」シリーズなど。現在、大河ドラマ『どうする家康』(NHK総合ほか)に榊原康政役で出演中。

●なかお・あきよし…1988年6月30日生まれ。東京都出身。A型。近作にドラマ『PICU 小児集中治療室』『六本木クラス』、映画「そして僕は途方に暮れる」など。現在、情報バラエティ『プチブランチ』(TBS)のMCを務めている。

番組情報

『ばらかもん』
フジテレビ系
毎週水曜 午後10時~10時54分

公式HP:https://www.fujitv.co.jp/barakamon
公式Twitter:@barakamon_drama
公式Instagram:@barakamon_drama
公式TikTok:@barakamon_drama

©フジテレビ

●text/小山智久