i☆Risは「みんな負けず嫌いで停滞したときがない」山北早紀・芹澤優・若井友希に聞く最新シングルの魅力とユニットとしての進化

音楽
2023年08月24日
i☆Ris

声優とアイドルの活動を両立するハイブリッドユニット・i☆Risが、2023年8月23日に、23枚目となるシングル「Let you know!/あっぱれ!馬鹿騒ぎ 」をリリースした。本作は両A面シングルで、「Let you know!」は世界的に活躍する音楽プロデューサー・TeddyLoidが楽曲提供するガールクラッシュなナンバー。一方の「あっぱれ!馬鹿騒ぎ」は、4月~7月で行われた全国ツアー「i☆Ris 8th Live Tour 2023~わっしょい!!!!!~」のテーマソングで、人気音楽プロデューサー・ヒャダインこと“前山田健一”が作詞・作曲を担当している。

今回は山北早紀さん、芹澤優さん、若井友希さんにインタビュー。本シングルのことに加えて、8thライブツアーの感想やそれぞれが推したいエンタメについてお話を聞きました。

 

◆23枚目シングルは両A面の一枚に仕上がったとお聞きしました。最初に「Let you know!」の紹介と、それぞれが思う推しポイントを教えてください。

若井:一言で表すと「今どき」。K-POPの要素にいまの音楽チャートで上位を飾る音楽の雰囲気が混ざり合った、中毒性のある楽曲だと感じました。i☆Risとしてはこれまで歌ってこなかった、新しい曲だと思います。

山北:確かに、今どきのトレンド+K-POPを感じる曲だし、中毒性はすごくあるかも。(歌詞に登場する)「Do you wanna?」が1日に何回も頭のなかで鳴り響くくらい、インパクトが強い曲ですね。あと歌詞からは、意志の強さも感じます。それを背伸びせずに、肩の力をほどよく抜いて歌えるようになったのは、i☆Risとして10年以上活動してきたからこそ。今のi☆Risちゃんだから歌える曲だと思いました。

芹澤:この曲はTeddyLoidさんとのコラボ楽曲で、今までのi☆Risにはない、唯一無二感がすごく出ています。いい意味で異彩を放っている気がしますね。一方で、声のバランスなどは「やっぱりi☆Risの曲だよね」という妙な説得力もあって、不思議なんですよ。絶妙なバランスで仕上がった一曲になりました。

芹澤優

◆MVは、i☆Risとしては初となるフルアニメ映像。イラストを手掛けたのは、Adoさんの「夜のピエロ (TeddyLoid Remix)」でイラスト・動画制作を担当した、ケイゴイノウエさんですね。

山北:i☆Risとしては初の試みということもあり、最初にお話を聞いたときはどうなるのかあまり想像できませんでした。萌え萌えしている絵になるのかなと思っていたら、ケイゴイノウエさんが手掛けるスタイリッシュなイラストで、オシャレな作品に仕上がっていると感じたんです。ジャケットの衣装を着た私たちがデフォルメされていて、すごくかわいい! MVだけではもったいないので、キーホルダーなどのグッズを出してほしいです(笑)。

若井:今回のMVは、歌っているメンバーとイラストがちゃんとリンクしているんです! 誰がどこで歌っているのか分かりやすいMVに仕上がっているんですよ。「Do you wanna?」や「Tulu-tulu-tu-ti-tu」などの文字もインパクトがあって、より曲や歌詞が伝わるMVになっている気がしました。

芹澤:ケイゴイノウエさんのセンスあふれるイラストを使ったMVは、i☆Risを知らない人にも届くような仕上がりになっていると感じました! 「Let you know!」はイントロがキャッチーで、TeddyLoidさんに楽曲を提供してもらっていることも相まって、音楽が好きという人にも刺さるんじゃないかな。楽曲・MVといろいろな方面からi☆Risを知ってもらえるきっかけになる気がしています。

◆一方の「あっぱれ!馬鹿騒ぎ 」は、ヒャダインこと前山田健一さんが手掛けた一曲です。こちらは、先日まで行われていた「i☆Ris 8th Live Tour 2023~わっしょい!!!!!~」のテーマ曲でもありますね。

山北:ツアー、最高でした。これまでもツアーはたくさんやってきましたが、未だに最高を更新しているんです。今年は何といっても約3年ぶりに声出し解禁になったのが、大きかったですね。

◆久しぶりにファンの方の声援やコールなどを聞いて、どう感じましたか?

山北:コロナ禍以降、ありがたいことに新規のファンの方も増えたんです。そういう方々から「まだコールのある現場に行ったことがないから不安です」という話をちらほら聞いていて。ただ、i☆Risのライブって、もともと声出しを強制するようなこともなかったですし、今回は特にファンの方々が「みんなで楽しもうよ」という雰囲気を作ってくれたんです。結果、すごく声援も聞こえてきましたし、コールをしていない方も楽しんでくれているように感じました。

山北早紀

◆それはi☆Risさんの盛り上げ力もあるかなと思っています。仕事がら、いろいろなライブに行くことがありますが、声出し解禁となっていても緊張からか、最初はなかなか大きな声を出せない現場が多いという印象があって。

芹澤:ダンスを教えてくれている先生も、「どうしても探り探りで始まる現場が多いなかで、i☆Risちゃんのファンは最初からギアが全開でしたね」とおっしゃられていました。これまで応援してくれている方々のすごさを改めて感じています。

若井:ファンのみなさんの力と、今回は「あっぱれ!馬鹿騒ぎ 」の力も大きかった気がしています。これまで披露したことがない曲をライブの最初に持ってくるのって、挑戦的なことではあると思うんですよ。それでも曲の持つ力が大きくて、ファンのみなさんも私たちも思い切りテンションを上げることができました。事前に配信していたコール動画で予習してくれたみなさんと、ヒャダインさんの曲の力によって、ツアーがさらに良いものになったんです。

◆改めて、「あっぱれ!馬鹿騒ぎ 」の推しポイントを教えてください。

若井:明るいけれどちょっと泣けるっていうのが、ヒャダインさんの楽曲の魅力だと私は思っています。個人的に今回の歌詞のなかでいちばん好きなのが「今日もご飯美味しい ばんざーい!!」というパート。この曲を聞いていて、「今日もご飯が美味しいって思えるのって、すごく幸せなことだよな」って改めて思ったんです。日々仕事や学校を頑張っている方々も含めて、いろいろな人を救ってくれるような歌詞だと思いました。ただ馬鹿騒ぎできるだけじゃなくて、どこか歌詞をかみ締めちゃう部分がある。それがこの曲の魅力だと思います。

◆確かに、今日もご飯が美味しいと思えるだけで、幸せなことなのかも。

若井:ですよね! この歌詞、すごく好きなんです。

芹澤:私はDメロの歌い出しを担当しているのですが、ここは直前まで大騒ぎしているなかで、急にスンとなって始まるんです。だからこそ、さらに染みるパートになっていると思っていて。私たちは10年以上活動してきましたが、いつ何が起きて、散るのか分からない状態だとは思うんです。それでも恐れず、今を咲き誇るというこの歌詞を、ステージ上で歌うことにすごく意味があると感じました。

◆刹那的かもしれませんが、だからこそ楽しい・美しいということもある気がします。

芹澤:ですよね。そのあとすぐまた思い切り激しいサビが始まるのも、「ひとときの楽しさ」を感じるというか。やっぱヒャダインさんすごいな。

若井:泣けるわー!

山北:このDメロは、「あっぱれ!馬鹿騒ぎ 」をぜんぶ凝縮したようなパートだと感じています。私はこのパートの最後となる「いくよ!」を担当していて。よく考えてみたら、そこまでにメンバーがちゃんと空気を作って、クライマックスに向けてどんどん盛り上げてくれているんですよね。ぜんぶが繋がっているんです。ツアーが終わってから気が付いてしまいました。次に歌うときは「いくよ!」をもっとかみ締めて歌いたいです!

◆声優とアイドルの活動を両立するハイブリッドユニットとして10年以上も活動されてきたみなさん。デビュー当時と比べて、パフォーマンスは変化・進化していると感じていますか?

芹澤:本当に何もできないままデビューしていて(笑)。メンバーみんながほぼ素人だったから、伸びしろしかなかったんです。だから、デビュー当時と比べたら変化しかしていないと思いますね。

若井:むしろ、進化してないとダメだよね(笑)。変化した点といえば、以前はパワフルなパフォーマンスに磨きをかけていましたが、最近はいい意味で大人の抜き方を覚えた気がします。私は特に(笑)。全体的に大人になったよさが出ているんじゃないかな。パフォーマンスでもメリハリがこの10年で出せるようになりました。

若井友希

◆そうやって、グループとしても、個人としてもパフォーマンス力が上がってきている。

芹澤:i☆Risちゃんはみんな負けず嫌いで、停滞したときがないかも。

山北:デビュー当時はみんな「自分が抜きん出ないと!」って考えていた気もします。それも大事ですが、最近はどちらかと言うと「自分に負けたくない」という負けず嫌いを発揮しているのかも。ずっと「全力でやる」というスタンスでやってきましたが、最近はいい具合に力を抜いて楽しめるようになった気がします。あと、圧倒的にライブでのアドリブが多くなりましたよね、i☆Ris。歌詞を変えるとか。ああいう遊び心は私たちの特徴だと思います。

若井:とあるアイドルちゃんが、「i☆Risのライブはアドリブが多くて煽りもすごいと思ったから、自分のグループにも取り入れたい」と言っていました。そう言われて改めて、i☆Risってそこが魅力のひとつかもって気づいたんです。

◆ライブパフォーマンスもi☆Risの魅力。

芹澤:そうですね!

若井:今回のシングルでi☆Risに興味を持ってくださった方は、ぜひライブにも足を運んでほしいですね!

山北:よろしくお願いします!

i☆Ris

(こんなお話も!)山北さん・芹澤さん・若井さんが読者の方々に推したいエンタメは?

山北:恋愛リアリティショーです。

芹澤:同じく~!

山北:えっ、本当!? 何見てる?

芹澤:私は『ラブ トランジット』。

山北:見てる、見てる! 恋愛リアリティショーにもいろいろありますが、私は『ラブ トランジット』と『あいの里』を特にオススメしたい。どちらも恋愛のきれいさだけを撮っていない気がしていて。人間のドロドロな部分が浮き出ているというか。ふつうに過ごしていて、誰かの恋愛を深くまで知る機会って、そんなにないと思うんです。だから、そういう側面を見ることができる恋愛リアリティショーを見ちゃうのかも。

芹澤:ふだんメンバーとはこういう話をしないから、取材で同じものを見ていることが発覚するっていうね(笑)。すごく語りたいわー! あと、私は秋から始まる『MFゴースト』というアニメのオープニングテーマを担当するのですが、本作は走り屋をテーマにした『頭文字D』の後継作なんですよ。それもあって、最近は『頭文字D』を見るのにハマっていて。めっちゃ面白いです。峠を下る男たちのデッドヒート、そして鳴りだすユーロビート。見ているとテンションが上がりっぱなしです。車に興味持ちました。私も走り屋になろうかな(笑)。

若井:お笑い芸人コンビ・ラランドのサーヤさんがボーカルを務めて、川谷絵音さんらと組んでいる「礼賛」というバンドがあるんです。そのバンドの音楽を聞いたとき、衝撃を受けました。サーヤさん、めっちゃ歌が上手なんです。お笑いの最前線にいる人なのに、音楽の才能もあるなんて! 英語もペラペラで、芝居も上手。めっちゃ尊敬しています。そんなサーヤさんがボーカルを務める「礼賛」、すごくカッコいいバンドなので、みんなにもぜひ聞いてほしいです!

i☆Ris

PROFILE

山北早紀
●やまきた・さき…2月28日生まれ。北海道出身。A型。声優活動のほか、さまざまな舞台にも出演し、女優としても活躍する。

山北早紀

芹澤優
●せりざわ・ゆう…12月3日生まれ。東京都出身。B型。声優のほか、ソロアーティストとしても活動する。

芹澤優

若井友希
●わかい・ゆうき…10月30日生まれ。岐阜県出身。A型。声優のほか、「友希」名義でソロアーティストとしても活動する。

若井友希

リリース情報

「Let you know! / あっぱれ!馬鹿騒ぎ」
2023年8月23日(水)発売

CD+Blu-ray:2,970円(税込)
CD+DVD:2,750円(税込)
CD only:1,870円(税込)

<CD収録内容>
M-01.Let you know!
M-02.あっぱれ!馬鹿騒ぎ
M-03.Queens Bluff -TeddyLoid Remix-
M-04.Let you know! -Instrumental-
M-05.あっぱれ!馬鹿騒ぎ-Instrumental-
M-06.Let you know! -Off Main Vocal-
M-07.あっぱれ!馬鹿騒ぎ-Off Main Vocal-
<Blu-ray&DVD収録内容>
1. Let you know! -Music Video-
2.あっぱれ!馬鹿騒ぎ -Live Music Video-
3.i☆Ris 8th Live Tour 2023 〜わっしょい!!!!!〜 -1st day@三郷市民文化会館 Off Shot Movie

●photo/安井美彩希 text/M.TOKU