一ノ瀬颯、『いちばんすきな花』で松下洸平の弟役を好演「松下さんのおかげでスッと兄弟らしい空気感に近づけました」

特集・インタビュー
2023年11月15日

『いちばんすきな花』

“男女の間に友情は成立するのか?”をテーマにしたドラマ『いちばんすきな花』(フジテレビ系 毎週木曜 午後10時~10時54分)。主人公たちの心の機微を繊細に描いた会話劇が毎話話題を呼び、多くの注目を集めている。

TV LIFE webでは明日放送の6話を前に、主人公の一人である椿(松下洸平)の弟・楓役を好演している一ノ瀬颯さんに、現場でのエピソードや本作の魅力について聞いた。

◆楓という人物をどのようにとらえて演じていらっしゃいますか?

すごく家族思いな人だなと思います。楓は幼いころから一番近くで兄を見ていて、誰よりも兄のことを分かってはいると思うんです。だからこそ、兄が傷つくたびに「またか…」って思っているんだろうなって。“友達でも結婚相手でもいいから、誰かと幸せになってほしい”そう願っているんだろうなと思います。

◆楓と共通している部分や似ていると感じる部分はありますか?

これまで生きてきた過程は自分と近いものがあるように感じます。家族が好きで、仲が良いというのも共通していて、演じる上で大切にし続けたい部分の一つです。ただ僕の場合、深く関わる人に対してはもう少し干渉してしまいそうです。お節介で世話焼きなところは楓と違いますね(笑)。

◆とはいえ、楓も小さい頃からお兄さんのことを心配している優しい弟ですよね。

そうですね。一歩引いたところで達観して見ている感じもします。生きづらそうにしている兄を見ているからこそ、自分はそうじゃない生き方を選んで、上手く立ち回っているところもあるのかなって。そういうところは弟っぽいなと思います。

◆兄役の松下さんの印象はいかがですか?

物腰がすごく柔らかい方だなと思います。最初の頃は、先輩である松下さんに対して自分からどう話しかけていいのか迷っていたのですが、松下さんの方から話を振ってくださって。そのおかげでスッと兄弟らしい空気感に近づけたような気がします。僕が過去の出演作の話をしたら、共通の共演者の方がいらっしゃったので、その方のお話をしたりしました。

『いちばんすきな花』

◆ではこれまでの放送で印象的だったシーンやせりふを教えてください。

3話で楓が兄に花を届けるシーンです。玄関の植え込みに「オクサマ」と書いてあって、楓が「オクサマ…。オクサマってなんだっけ?」と兄に聞くんですが、最初に台本を読んだときは、楓も花屋の息子だから花には詳しいし「オクサマ」と書いてあっても「奥様」には結びつかないよなって思ったんです。だからせりふを言うときも「オクサマ…いや奥様なんて花はない」と分かっている感じだろうなと。でも撮影のときにスタッフさんから「逆に分かってない感じで」という指示があって。「奥様っていう花があると思っている風に言ってほしい」と全く違う方向性になったんです。それによって僕の芝居も変わったんですが、結果として兄弟二人の絶妙に噛み合っていない感じが面白いシーンになったかなと思います。

◆“ふたり”という単位を作るのが苦手な4人が主人公のストーリーですが、ゆくえ、椿、紅葉、夜々の中で、一番ご自身の考え方と近いのはどなたでしょうか?

それぞれに共感できるところがありつつ、一番近いのはゆくえか紅葉ですね。僕は男女の友情は成立すると思う派で。ゆくえみたいに友情に男性も女性も関係ないという考え方は理解できるし、共感するところが多いです。

◆紅葉は一見コミュニケーション能力が高く誰とでも仲良くできる反面、実は生きづらそうでもありますが…。

紅葉は幹事を任させられたり、パンダと呼ばれて客寄せみたいなことに利用されたりして、言い方はあまりよくないですが、いわゆる“都合がいい人”というポジションになってしまっていますよね。僕自身はそんな立場ではないんですけど(笑)、みんなと仲良くしていても、どこか孤独感を感じるときもあるというか。

◆この人には自分より仲が良い人がいるかもしれない、みたいな。

そうですね。本当に仲が良いと思える友達はいるので、紅葉ほどではないけど、「二人ずつのペアになりましょう」っていう究極の状況になったとき、僕を選んでくれるような人はいないんだろうなって思ってしまうんですよね。一番仲の良い同性の友達だと僕は思っているけれど、向こうが同じように思うとは限らないなって。とはいえ、僕も誰が一番仲が良いか絞りきれないところもありますし…。これは考えれば考えるほど難しいですね。

◆ちなみに男女の友情は成立する派だとおっしゃっていましたが、その理由は?

よくも悪くも男女平等だと思っています。物心ついた時から「男も女も同じ人じゃん」という考え方だったので、子供の頃は“女子だから”“男子だから”と贔屓する先生が嫌いでした。僕は性別を意識せずに一人の人として見ているし、女子だから恋愛対象かどうかという見方にはならないですね。だから今田(美桜)さん演じる夜々みたいな人と関わることになっても、友達として接することができると思います。

『いちばんすきな花』

◆ではタイトルにちなんで、花にまつわるエピソードを教えてください。

楓は実家の花屋で働いているので、撮影現場にもいろいろな花があるんです。待ち時間にお店に置いてある花を見ていたら、パンプキンツリーという小さいかぼちゃのような形の植物があって。ナスの仲間らしいんですが、すごくかわいいんですよ。フラワーショップはるきのシーンでチラ見えしているかも知れないので、ぜひチェックしてみてください(笑)。

◆4人の関係をはじめ、毎週SNSでもたくさんの感想が寄せられています。一ノ瀬さんが思う、このドラマの魅力はどんなところだと思いますか?

登場人物の誰かしらに共感できるところだと思います。でも100%ではなくて、それぞれの人物に共感できるところ、できないところがあるのがいいのかなって。それが他者理解にも繋がる気がします。ここまで人間関係に深く踏み込んだドラマってあまりないと思うんですよね。この作品を見てたくさんの方が共感してくださるということは、そう思っている人が世の中にはたくさんいるんだろうなと思いますし、もし自分が何か理解できない出来事に出会ったときに見ていただければ、相手の気持ちを想像する能力が自然と身に付くんじゃないかなって思います。

◆一ノ瀬さんは現在ドラマだけでなくバラエティなどにも出演され、活躍の場を広げていらっしゃいますが、今後やってみたいことはありますか?

いっぱいあります(笑)。もともと楽しみながら仕事がしたいと思って俳優を始めたので、ドラマだけでなくバラエティ番組も楽しくやらせてもらっています。僕は俳優の仕事とバラエティは相乗効果があると思っていて。普段バラエティばかり見ている方が、僕の出演した番組をきっかけに興味を持ってくださって、ドラマや映画を見てくださったらいいなと思いますし、その逆もあるかなと思うんです。個人的には歌もすごく好きなので、どんな形でできるかは分からないけど、いつか挑戦してみたいと思っています。俳優として役を通して歌えたら一番いいんですけどね(笑)。実現できるように頑張ります!

『いちばんすきな花』

PROFILE

●いちのせ・はやて…1997年4月8日生まれ。東京都出身。

番組情報

木曜劇場『いちばんすきな花』
フジテレビ系
毎週木曜 午後10時~10時54分

出演者:多部未華子、松下洸平、今田美桜、神尾楓珠、
齋藤飛鳥、一ノ瀬颯、白鳥玉季、黒川想矢、田辺桃子、泉澤祐希、臼田あさ美/仲野太賀 ほか

脚本:生方美久
音楽:得田真裕
主題歌:藤井風「花」(HEHN RECORDS/UNIVERSAL SIGMA)
プロデュース:村瀬健
演出:髙野舞
制作・著作:フジテレビ

公式HP:https://www.fujitv.co.jp/ichibansukina_hana/
公式X(旧Twitter):@sukihana_fujitv
公式Instagram:@sukihana_fujitv
公式TikTok:@sukihana_fujitv

●photo/干川 修 text/佐久間裕子

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<応募締切>
2023年11月24日(金)午後11時59分

※応募規約(https://www.tvlife.jp/present_rules)をご確認いただき、ご同意の上、ご応募ください。