『東京タワー』永瀬廉のストイックさを松田元太が称賛「廉が透を演じるからこそ美しく見える」

特集・インタビュー
2024年04月20日
左から)松田元太、永瀬廉 ©テレビ朝日

永瀬廉(King & Prince)を主演に迎え、江國香織の伝説の恋愛小説「東京タワー」を日本で初めて連続ドラマ化する、オシドラサタデー『東京タワー』。描かれるのは、永瀬演じる21歳の青年・小島透と、20歳以上年の離れた人妻・浅野詩史(板谷由夏)の美しくも許されない愛だ。

さらには、松田元太(Travis Japan)演じる透の親友・大原耕二と、耕二が家庭教師を務める生徒の母親・川野喜美子(MEGUMI)というもう1組の物語も展開。その儚く甘美な世界を、現代の東京の最旬スポットを舞台に、令和という新しい時代ならではのストーリーとキャラクターで大胆に描き出していく。

そんな本作の放送スタートに先駆け、永瀬さんと松田さんにインタビューを敢行。劇中のみならず取材時も和気あいあいなお2人に、それぞれ詩史や喜美子への思いや撮影を経て感じていること、注目してほしいポイントなどを聞きました。共演を経て発見した互いの新たな魅力や今後の展望も明らかに。


◆本作で描かれる恋愛の形は非現実的ではありますが、それぞれ演じる役柄とご自身でリンクする部分はありますか? 

永瀬:透が詩史さんと出会い、詩史さんしか見えなくなってしまう感じは僕もすごく分かります。僕自身もアニメなど、自分が好きなものやハマったものに関しては睡眠時間を削ってでも楽しみたいと思うタイプで。透の詩史さんに対しての熱い思いや真っすぐさというのは、僕自身とも通じているのかなと思っています。

松田:逆に、僕は意外と耕二との共通点みたいなものがないのかなと思っていて。今後演じていく上で見つかるのかもしれないですが、今はまだ模索している最中です。

永瀬:僕からすると、耕二と元太は割と近いなと思っているよ。ちょっとおっちょこちょいなんだけど、男らしいところも持ち合わせているところとか。もちろんきちんと耕二でありながら、ところどころで元太のいいところが出ている感じがする。

松田:本当に? 廉はその真っすぐさもそうだけど、現場で座長としてどしっと構えつつも、心の中は熱く燃えたぎっているところが透とマッチしているのかなって。だからこそ演じる透が美しく、カッコよく見えるんだと思っています。

◆永瀬さんが透を、松田さんが耕二を演じる上で心掛けていることは?

永瀬:根底として、透は人付き合いに興味がなく、人に対してあまり熱を持っていないんです。ただ、耕二に関してはグイグイ来られて親しくなったという感じで、ちょっとあしらっているようなやりとりもあるので、耕二といる時は落ち着いたテンションで。そして、詩史さんといる時は彼女に対する情熱的な気持ちが見えるような、そういう雰囲気の違いを表現できたらいいなと思っています。

松田:僕は耕二を演じるうえで、視聴者の方に「今回はこういう耕二なんだ」と思っていただきたくて。映画版とはまた違った、僕なりの耕二というものを常に考え体現するようにしています。

◆永瀬さんは詩史に、松田さんは喜美子に感じる愛しい部分は?

永瀬:透のせりふにもあるのですが、詩史さんは所作なども含めて、全てがきれいで丁寧なんです。そして、詩史さんの紡ぐ言葉というのもまた魅力的で、僕個人として聞いていてもすてきだなと思う瞬間があって。さらには大人の余裕までも感じられる、透はそんな詩史さんのまとう空気感に惹かれたのかなと思っています。

松田:それこそ詩史さんとは色が違いますが、喜美子さんもすてきな大人の女性。耕二は割と感情に波がある人物なのですが、喜美子さんもそれは同じで、感情をグッとこらえたり、逆にどっと放出したり、そんな表情や感情の動きが愛しいなと思っています。なので、耕二を演じていると喜美子さんといろいろなキャッチボールをさせていただけて、とても楽しいんです。

左から)板谷由夏、永瀬廉 ©テレビ朝日

◆今回、永瀬さんと松田さんはドラマ初共演ということですが、撮影を経て互いの印象はいかがですか? 

永瀬:元太には場を和ませる力があって、みんながクスっと笑ったり、思わずツッコんでしまったり、自然とそんな発言ができる人。そういう人はどこにいても、そして誰からも愛されると思いますし、そこが彼の一番の魅力ではないかなと。例えば、最近も撮影中にいすに座ったまま移動するようなシーンで壁に頭をぶつけていたことがあって(笑)。それがエンターテインメントだったのか、ガチだったのかは定かではないのですが、元太がいることで現場の雰囲気が明るくなりますし、僕自身、疲れていても笑顔になれるんです。

松田:廉は座長としても俳優としてもとにかくストイック。いつも自分のシーンの撮影が終わるとすぐにベースに戻り、監督とモニターで見え方などを細かくチェックして、よりいいものを作ろうとコミュニケーションを取っているんです。そういう姿勢というのは勉強になりますし、すごくすてきだなと。そして、僕が何かアクションを起こすとすぐにツッコんでくれて、それが透と耕二のリアルな空気感につながり、親友という関係性を繊細に描けているのかなと思っています。

◆以前より交流はあったかと思いますが、互いに見つけた新たな一面はありますか?

松田:この前、撮影の合間に廉と絵しりとりをしたのですが、思っていたより絵がヘタでした(笑)。でも、ただヘタなだけでなく、かわいらしくてなぜか好きになってしまうといいますか…。思わずスマホで写真を撮って、保存しておきたくなるような絵を描くんです(笑)。

永瀬:クセになるでしょ?(笑) 元太は耕二の見た目からこだわっていて、サングラスがあったら頭にかけてみたり、ヘッドホンをしてみたり、自分なりの耕二を探しているのが伝わってくるんです。そういう部分は、これまでテレビで見ていた元太の印象とは違っていて、仕事に対してきちんと考えがある人なんだなと感心しました。

松田:ありがとう。でも、撮影の合間にもよく話すんですけど、お互い深く考えずに発言するタイプなので、いい意味で適当でストレスのない会話ができるんです。なので一緒にいて楽ですし、本当に男友だちみたいな感覚で。

永瀬:うん。たぶん僕らの会話って、よく聞いたら会話になっていないんですよ。騒いでいるだけというか、お互い独り言を言い合っている感じで、元太と“会話”してると思ったことがないくらい(笑)。それくらいゆるく話せる関係です。

◆今後、2人でやってみたいことはありますか?

松田:僕ら2人でユニット活動するのもありかなと思いました。僕もスタジアムで花火(※)したかったですね…。テレビで見ていて、いいなって。なんで僕呼ばれなかったんだろうって。(※411日に千葉・ZOZOマリンスタジアムで開催されたイベント「King & Princeとうちあげ花火」のこと) 

永瀬:本当にすごかったよ。13千発ぐらい打ち上げたから。

松田:『東京タワー』をたくさんの方に見ていただけて成功したら、僕らも2人で何かしらパフォーマンスできたらいいな。

永瀬:かなえばね(笑)。「うん」って言っちゃうと、動いてくれちゃう大人の方がいるかもしれないから。そうなったら大変だから(笑)。

松田:ネガティブ~!(笑) でも、いつか本当にできたらいいな。

左から)板谷由夏、永瀬廉 ©テレビ朝日

◆いよいよ放送がスタートしますが、それぞれ注目してほしいポイントは?

永瀬:まずはやはり東京タワーの美しさ。僕と東京タワーのW主演かなというぐらい東京タワーがいたるところに登場するのですが、本当にいろいろな表情を見せてくれるんです。それがまるで透の心情とリンクしているかのようで、僕自身も東京タワーをより好きになっていますし、思い入れもどんどん強くなっていますね。

松田:僕個人としては、表情だけでも記憶に残るシーンを届けられたらいいなと思っています。「なんでここで笑ったんだろう」とか「なんでこんなに瞬きもせずに見てるんだろう」とか、そういう部分にも注目していただけたらうれしいなと。そして、(映画版同様に)やはりどこかで果物をかじりたいという願望もあります(笑)。

◆最後に、読者へひと言お願いします。

永瀬:このドラマは、“許されざる恋”を描いた作品です。僕自身、初挑戦となることが多いのですが、最終的に見て良かったなと思っていただけるような作品作りを頑張っていますし、何より透と耕二が詩史さん、喜美子さんと出会って、いろいろな気持ちになって、いろいろな葛藤や悩みを経て、どういう大人になっていくかという成長物語も見ごたえがあります。それぞれのペアの恋愛シーンの描き方の差も面白いものになっていて、最後まで飽きさせることのないドラマになっていると思います。ぜひ放送を楽しみに見てくださると幸いです。

PROFILE

永瀬廉
●ながせ・れん…1999年1月23日生まれ。東京都出身。O型。King & Princeのメンバー。近作はドラマ『厨房のありす』、映画「法廷遊戯」など。映画「余命一年の僕が、余命半年の君と出会った話。」がNetflixにて今年配信。

松田元太
●まつだ・げんた…1999419日生まれ。埼玉県出身。O型。Travis Japanのメンバー。近作はドラマ『ゼイチョー〜「払えない」にはワケがある〜』『結婚予定日』など。『ぽかぽか』月曜レギュラーとして出演中。

番組情報

オシドラサタデー『東京タワー』
テレビ朝日系
2024420日(土)スタート
毎週土曜 午後11時~1130 

原作:江國香織「東京タワー」(マガジンハウス刊、新潮文庫刊)
脚本:大北はるか
音楽:近谷直之
監督:久万真路、松本喜代美、畑山創
ゼネラルプロデューサー:中川慎子(テレビ朝日)
プロデューサー:残間理央(テレビ朝日)、島本講太(ストームレーベルズ)、岡美鶴(アズバーズ)
制作協力:アズバーズ
制作著作:テレビ朝日、ストームレーベルズ 

番組公式HPhttps://www.tv-asahi.co.jp/tokyotower/

●text/片岡聡恵

©テレビ朝日