「披露宴では案の定、変なヤジ飛ばしてました」トンツカタン・森本晋太郎のネクストブレイク紀行【第54回】

特集・インタビュー
トンツカタン・森本晋太郎のネクストブレイク紀行
2025年05月28日

お笑いコンビ・トンツカタンの森本晋太郎さんがTV LIFEで連載中のコラム「トンツカタン・森本晋太郎のネクストブレイク紀行」。「今年売れる」と言われ続ける中での出来事や本音が綴られた“飛躍を夢見る芸人の備忘録”をwebでも公開します。今回は、結婚式に参列したときの話。(TVLIFE 2025年5月14日発売号より転載)


披露宴では案の定、変なヤジ飛ばしてました

ひさびさに自分がネクストブレイクであることを痛感する出来事に遭遇した。

先日、とある結婚式に参列したときの話。

個人的には初めてのガーデンウェディング。前日までの雨予報がウソのように晴れ渡っており、天からも祝福されているかのような空模様だった。

気持ちのいい春の日差しを浴びながら挙式が始まるのをそわそわしながら待っていると、かなりギリギリ、いや厳密には定刻から数分過ぎたころになってひとりの男性参列者が現れた。僕と同じく新郎側のゲストらしく、ちょうど一人分空いていた目の前に着席。そしてそのまま後ろを振り返り、一通り辺りを見渡したあと

「えっ!みんないるじゃーん!!」

と大声で発した。遅刻した上に人の結婚式でまるで主役のような振る舞いだった。幸い僕は彼のことを知らないのでその「みんな」の内には入らないのだが、そりゃ基本的にみんないるだろ。どうやら知り合いらしい僕の隣に座っていた男性がなだめるように「そうだね」と返すとゆっくりと正面を向いた。

なんだか厄介そうな人だなと思っていると、僕の隣の方がひそひそ声で「いつもYouTube見てます」と言っていただき、「ありがとうございます」と感謝していると、またしても前の男がこちらを振り返り、

「おい!おまえ嘘つけ!!」

と、ツッコミのトーンで僕の隣の方に吐き捨てた。あまりに見当違いの発言に「いや、本当だけど…」と返すほかない様子。この方がわざわざそんな嘘付く必要ないし、百歩譲って嘘だったとしてもそれを暴くメリットはひとつもない。そういった人として最低限のデリカシーを考えることもなく、「自分が知らない人=誰も知らないし好き放題言っていい」という一本槍で発言しているのだろう。僕がブレイクしていればギャフンと言わすことができたのに。

もちろんフォローや謝罪の言葉があるわけでもなく、こちらにすこし気まずい空気を残したまま正面を向き直した。その直後にキラキラした新郎新婦が登場してくれたおかげで一気にその場が浄化されて結果的には最高の一日を過ごすことができた。愛の力ってすごい。

今回の件でお分かりの通り、ツッコミはただの否定ではない。コミュニケーションを円滑に進める武器にもなれば、人を不快にさせたり傷付けたりする凶器にもなる。ネクストブレイクと言えど、ツッコミ一筋で芸歴13年目を迎える僕が改めてツッコミと向き合った本、『ツッコミのお作法』が5月28日に発売されます。ぜひお買い求めください。告知???


森本晋太郎
●もりもと・しんたろう…1990年1月9日生まれ、東京都出身。お笑いトリオ「トンツカタン」のツッコミ担当。プロダクション人力舎のお笑い養成所・スクールJCA21期を経て、現在はテレビやラジオで活躍中。趣味でもあるツッコミに特化したYouTubeチャンネル「タイマン森本」も好評。初の書籍「ツッコミのお作法」(KADOKAWA刊)も好評販売中!

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