「あと普通にバイクの騒音とかも入ってます」トンツカタン・森本晋太郎のネクストブレイク紀行【第68回】

特集・インタビュー
トンツカタン・森本晋太郎のネクストブレイク紀行
19時間前

お笑いトリオ・トンツカタンの森本晋太郎さんがTV LIFEで連載中のコラム「トンツカタン・森本晋太郎のネクストブレイク紀行」。「今年売れる」と言われ続ける中での出来事や本音が綴られた“飛躍を夢見る芸人の備忘録”をwebでも公開します。今回は、TOKYO MX開局30周年記念の特別生ドラマに出演した話。(TVLIFE 2025年11月26日発売号より転載)


「あと普通にバイクの騒音とかも入ってます」

たびたびお世話になっているTOKYO MXがこの度11月1日に開局30周年を迎えた。この節目の日に『いいひとりの日』というスペシャルドラマを生放送することになり、ありがたいことにそれに出演させていただいた。

過去にドラマ出演した際、「あまりにも森本すぎる」「ひとりだけ芝居の下手なやつがいる」などのコメントがSNSで散見されたことがあるのであまり自信はなかったのだが、なんと今回森本晋太郎本人役とのことだったのでご迷惑をかけずに済みそうだと胸を撫で下ろした。

ドラマの舞台は現実と同じく開局30周年を迎えた当日のTOKYO MXで生放送される情報バラエティ。社運をかけた企画の中で起こるサプライズという名の放送事故級のハプニングをみんなで乗り越えていくストーリーだ。その番組のコメンテーターのひとりとして出演させていただくという、普段のTOKYO MXとまったく同じ出方だ。

事前のリハーサルで脚本とダブル主演のひとりを担当される松尾諭さんから「セリフは好きなように変えちゃってくださいね!」や監督から「時間に余裕あるんでいろいろツッコんじゃってください」など、TOKYO MXだからなのか森本晋太郎役だからなのかはたまた相乗効果なのか、ドラマとは思えないくらいの自由度で臨ませていただいた。

こうして迎えた当日の、いわゆる本番同様に行う通しリハーサルではなんとあまりにもテンポ良く進んだため3分ほど巻いてドラマが終わってしまい、残った時間で演者が集まって感想を言い合うという、生ドラマよりも珍しい生アフタートークを披露する事態になってしまった。

もちろん時間が押して放送時間に間に合わないよりはよっぽどいいのだろうが、できればもっとスマートな終わり方をしたいもの。このドラマで唯一セリフの自由が効く特殊な役柄のため、松尾さんや監督から「本番の時間調整は森本くんにかかってる」と、森本にはあまりにも荷が重い注文をされてさらに気合が入る。

そして時刻は20:00になり、生ドラマの本番がスタート。入念なリハーサルの結果、大きなトラブルもなく物語が順調に進んでいく。順調すぎると巻いてしまうということは先ほど学んだので、役者というよりは情報バラエティのコメンテーターとして番組を盛り上げようというマインドに切り替えてとにかくツッコんだり裏回しに励んだ。周りの演者もこれが最後だからと出し惜しみなしでたくさん喋った。

すると合間のCMでスタッフさんが慌てた様子でこちらに向かって

「現在5分押しです!」

と叫んだ。みんなで巻かないように努めた結果、とんでもない時間オーバーしてしまっていた。このままだと途中で放送が終わってしまう。突然のピンチに狼狽していると、中盤から物語に登場する宮澤エマさんが自らの長台詞をまったく違和感のない範囲で調整することによってみるみるうちに押していた時間が短くなっていき、最終的にはみんなの工夫も相まって無事に放送内に物語を収めることができた。俳優陣の底力を改めて目の当たりにした出来事だった。

その後の打ち上げにも誘っていただいたのだが、スケジュールの都合で行けなかったのを悔やみながら帰路に着いた。まあそれもまた、いいひとりの日ってことで。


森本晋太郎
●もりもと・しんたろう…1990年1月9日生まれ、東京都出身。お笑いトリオ「トンツカタン」のツッコミ担当。プロダクション人力舎のお笑い養成所・スクールJCA21期を経て、現在はテレビやラジオで活躍中。趣味でもあるツッコミに特化したYouTubeチャンネル「タイマン森本」も好評。初の書籍「ツッコミのお作法」(KADOKAWA刊)も好評販売中!

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