役所広司、新垣結衣、岡田将生ら出演の特集ドラマ『絆~走れ奇跡の子馬~』今夜から2夜連続放送

エンタメ総合
2017年03月23日

絆~走れ奇跡の子馬~

 特集ドラマ『絆~走れ奇跡の子馬~』(NHK総合)が、今夜放送(後編は24日放送)。今月行われた完成試写会には、主演の役所広司をはじめ、新垣結衣、岡田将生、勝地涼、田中裕子が登壇。撮影エピソードを語った。

 本作は、福島県の相馬を舞台に東日本大震災で傷ついた1つの家族がさまざまな困難と闘いながら、震災の日に生まれた子馬・リヤンを夢の競走馬へと育てていく姿を描くスペシャルドラマ。主人公で生産牧場を営む牧場主・松下雅之を役所が、その娘・将子を新垣、将子の兄・拓馬を岡田、拓馬の親友を勝地、雅之の妻・佳世子を田中が演じる。

 クランクイン前には、「実際に震災に遭われた方々が見るということを考えながら、見る人の気持ちを考えつつ丁寧に組み立てていきました」という役所。「実際はまだまだ復興に時間がかかるし、福島は特に遅れていると思うのですが、この物語を誠実に演じていこうと思いました」と撮影時の心境を明かした。

 新垣も「演じるという時点でフィクションではありますが、それでもより近いものを感じてやっていけたらという思いで撮影に入りました。将子のせりふの中で、実際に震災を経験された方全員の代弁のようなせりふもあったような気がしていて。そのせりふを言うときは自分でも考えましたし、大事に演じました」と。

 本作には、福島の風景とともに、牧場や野馬追祭りだけでなく、馬と人間が共演する印象的なシーンが多い。それについて役所は、「(山本剛義)監督が雄大な引きショットにこだわって撮ってらっしゃいますから、そのスケール感は素晴らしいものがあります。馬が画面に映るとお客さんは必ず馬を見ると思います。撮影現場でも必ず馬がいたので癒やされました。辛い日もありましたけど、馬が癒やしてくれた気がします」と撮影を振り返った。

 子馬のリヤンの世話をしたり、子馬との共演シーンが多い新垣は、「子馬なのでせりふを言っている合間もじゃれてくるんです。でもそれも生意気でかわいくて(笑)。触れることでコミュニケーションがとれて、『リヤンという馬を守りたい』という気持ちも芽生えたので、それは馬のおかげだと思いました」と馬とのエピソードを明かした。

 野馬追祭りのシーンでは乗馬を披露した岡田は、「坂を駆け上るシーンを何度も撮っていたので、馬が疲れてしまったのか急に寝てしまって皆さんに起こされたのがすごく印象的で。馬も自分が寝たことにびっくりして、起こされたことにもびっくりしていて、とても興味深い光景を見させていただきました(笑)」と仰天エピソードも。

 最後に作品について「ドラマを見ていただいて、少しでも被災された方々に元気がでるとうれしいなと思っております」(役所)、「震災を経験された方もそうでない方も、心に1つでも残るような作品として皆さんに受け取ってもらえたらうれしいです」(新垣)、「この家族の一員になれたことを、『絆』という、つながっていくことを繊細に感じながら演じさせていただきました」(岡田)、「またあらためて震災のことを考えさせられましたし、見てくださった方がもう一度考えてくれたらうれしいです」(勝地)、「震災から6年経った今をもう一度見つめてもらえたらいいな、って思います」(田中)とそれぞれメッセージを寄せた。

 特集ドラマ『絆~走れ奇跡の子馬~』(NHK総合)は、3月23日(木)、24日(金)の2夜連続で放送。

特集ドラマ『絆~走れ奇跡の子馬~』
放送日時:3月23日(木)NHK総合 後7・30~8・43(前編)
3月24日(金)NHK総合 後7・30~8・43(後編)
番組ホームページ:http://www.nhk.or.jp/dsp/kizuna/

<あらすじ>
3月23日(木)放送(前編)
 伝統ある馬の祭典「相馬野馬追」を守り、人と馬が共生してきた福島県南相馬市で松下雅之(役所)は、祭りに背を向け、競走馬を作る夢を捨てられずにいた。そんな父に娘の将子(新垣)は呆れていた。そんな松下家を東日本大震災が襲う。牧場は破壊され、長男の拓馬(岡田)の命が奪われた。悲しみに暮れる母の佳世子(田中)ら家族に残されたのは、拓馬の命と引き換えに産まれた子馬リヤン。息子が命を懸けて救ったリヤンを守ろうとする雅之と将子だが、次々に厳しい現実が突き付けられ…。

3月24日(金)放送(後編)
 雅之と将子が必死に育てた甲斐あって、リヤンは立派に成長していく。二人は本気でリヤンを競走馬としたいと考えるが、佳世子は反対する。震災から1年以上経っても町は復興しておらず、松下家の生活も限界だったからだ。だが雅之は頑として譲らず、リヤンを育成する牧場を探す。かつて一緒に仕事をした北海道の牧場主(小林薫)を頼るが、震災で被災したリヤンはどの牧場も受け入れてくれない。それでも雅之は諦めない。やがて、津波に襲われボロボロになった松下家の牧場を再生させるべく、荒れ果てた土地を一人耕し始める…。