森川葵×北村匠海×佐藤寛太インタビュー 映画「恋と嘘」

特集・インタビュー
2017年10月11日

同名大人気コミックのアナザーストーリーとして10月14日(土)より映画「恋と嘘」が公開される。それに先駆け、仁坂葵役の森川葵さん、司馬優翔役の北村匠海さん、高千穂蒼佑役の佐藤寛太さんによる座談会を開催。少子化対策として政府によって結婚相手を通知され、自由恋愛が禁止される未来の日本。その世界で自分の本当の気持ちと葛藤する高校生たちを爽やかに演じ切った3人の、息ピッタリな様子が伝わるインタビューをどうぞ。


葵ちゃんはほんとに顔が小さいから、「小指みたいな人だな」と思ったな(佐藤)

森川葵×北村匠海×佐藤寛太インタビュー

◆本作で初共演となりましたが、お互いの最初の印象と撮影が終わった後の印象を教えてください。

佐藤:最初、匠海は人見知りなのかなと思っていたんです。でもいい人オーラが出ていたので「横でお弁当食べていい?」って話しかけました。

北村:寛太はクールな人だろうなと思っていたんですけど、撮影の中盤ぐらいから話し出したらとまらないと気づいて(笑)。それからはら一気に距離が縮まりました。お祓いの後に2人でご飯を食べに行ったよね。そして葵ちゃんは想像していた人柄と変わらなかったです。誰とでも気さくに話せる人だろうなと思っていたので。

森川:ほんと?「意外としゃべってくれる」と言われることもよくあって…。

佐藤:最初から優しかったよね。あと顔がほんと小さいから「小指みたいな人だな」と思ったな(笑)。

森川:もっと大きいよ!(笑)私は2人とも役と同じように、寛太君は高千穂みたいにクールそう、匠海君は司馬みたいに優しそうと思っていたんです。でも一緒に過ごしている中で「逆じゃないかな?」と思い始めて…。だけど最終的に完成した映画を見た時に「やっぱりそれぞれこの役のほうが合っているな」と、2人とも役と似た部分があるなと思いました。

◆撮影中も仲良くされていたのかなと思ったのですが、撮影中、例えば3人でいる時に盛り上げ役は誰になるんですか?

森川:その人が現場にいると自然と盛り上がるっていうのは寛太君かな。

佐藤:僕、くだらない話をタラタラと人にしゃべるのが好きなんで(笑)。

北村:ボケたりもするよね。それを僕がツッコむ。葵ちゃんはそれを見守る。

森川:うん、「あ~、楽しそう」って(笑)。あ、そうそう、撮影中にみんなでコンビニに行ったんですよ。その時、寛太君がアイスを食べ終わった後に「やべえ」みたいな顔をしながら、こそこそトイレに行ったんです。どうしたのかなと思っていたら、アイスをこぼしていて。
一同:(笑)。

佐藤:水族館でのキスシーンの前ね。

北村:何やってんの!(笑)

佐藤:絶対見られてないと思ってたんだけどなぁ。

森川:そう、誰にも見られてないだろうなと思っているだろうなという動きをしていたんです!(笑)

佐藤:悔しい! まじで。

北村:そういうところもムードメーカーだよね。


司馬の軸になっているのは「優しさ」だなと思って演じました(北村)

森川葵×北村匠海×佐藤寛太インタビュー

◆葵、司馬、高千穂をそれぞれどう捉えて演じましたか?

北村: 僕は演じる時、役柄について結構分析するタイプで、紙に書いてまとめたりするんです。司馬はすごく抽象的なところがあるので難しいなと思ったんですけど、今回もそうやって考えているうちに、司馬の軸になっているのは「優しさ」だと思って。この映画のテーマはタイトルのとおり”恋と嘘“だと思うんですけど、司馬はその嘘と優しさがイコールになっているんですよね。(仁坂)葵への愛情があるからこそ、優しさで自分の本当の心まで包み隠してしまうというか。そういうところを踏まえて、司馬の行動の中に散りばめられた優しさをしっかりと自分の中に落とし込んでいこうと思いました。

森川:葵はすごく優柔不断なんですけど、私も優柔不断なんです。だから「分かる分かる」と思いながら台本を読みました。でもその優柔不断さが女の子から見て“うざい”と思われたら嫌だなとも思ったので、そこをどうしていくかを考えながら演じていましたね。

佐藤:僕が大事にしたのは、葵と会ってからの高千穂の心境の変化です。撮り順はバラバラだったんですけど、そこは毎シーン「このシーンは葵と会ってこれぐらいだから、まだここまでしか心開いてないのかな」と、高千穂の心の開き具合を大事に考えてました。

◆森川さんは役柄ごとに髪形を変えると伺いました。葵の髪形はどうやって決まったんですか?

森川:ちょうど伸びてきたころに原作を読んでいて、ヒロインの高崎さんが黒髪のボブだったので、それに合わせて「このままでもいいんじゃないかな」と思っていました。それで衣装合わせの時に話をしたらこのままでいこうと決まりました。演じる役への影響は髪形だけではないですけど、やっぱり性格は見た目に出ると思うんですよね。だから演じる役の内面にも合わせていきやすいと思います。

◆ずばり森川さんは司馬と高千穂どちらがタイプですか?

森川:うーん、どっちもいいです。ツンデレも、デレが見えたときにキュンとするじゃないですか。でもさりげない優しさも、気づいた時に「こんなことしてくれていたんだ」って泣きそうになるだろうし…。

佐藤:そう言われるとどっちも捨て切れないね…って女子目線になってしまった!(笑)

◆(笑)。では男性陣は、自分が目指すならどちらですか?

佐藤:僕の素は司馬に近いですね。ツンとか1ミリもない!

北村:あれ、だとしたら僕はツンデレかもしれない。

森川:うん、ツンデレ。だから演じた2人と実際は逆なんだよ。匠海君はツンというか「北村匠海」という人がどんな人間なのか、ちょっと謎めいているんです。でもふとした時にデレというか“ちょっと構ってよ”みたいな雰囲気が見える時があるので。

北村:うん、ほんとは僕、基本的に構ってほしいんだと思います(笑)。掘り下げていったらただの子犬ですね。

佐藤:ずっとヨシヨシしてほしいんだけど、軽く見られるのも嫌だから「俺はそうじゃねえよ」って? 究極のツンデレじゃん!

北村:そうそう。仲良くなったらばれちゃうみたいな(笑)。


私は周りの意見に左右されちゃうので、2人みたいな自信が欲しい!(森川)

森川葵×北村匠海×佐藤寛太インタビュー

◆皆さんは映画の世界のように最良の相手を薦められたらどうしますか?

北村:僕はきっと従いますね。

森川:うん。16歳だと、まだ世界をそんなに知らないし、そこに政府通知が届いたら、従うしかないかなと思います。

佐藤:16年間本当の恋をしていなかったら「ありがとう」ってなるけど、もし既に本当に好きな子がいて、政府通知のパートナーと会ってもその気持ちが変わらなかったらきついね。相手のところにも自分の全然知らない男の人がきているわけだから。

◆恋愛に限らず、何かを勧められたら素直に従うタイプですか?

北村:いや、僕は「自分はこうしたい」という気持ちが芽生えるタイプかも。お芝居に関しては全然そういうことはないんですけど、プライベートに関しては自分なりのこだわりがあるから。趣味とか。

佐藤:俺もそうだな。「別にいいじゃん、困ってないし」って思うかも。

森川:私は逆に周りの意見に結構左右されちゃうな。「こうしたい」というものがなくて、周りの意見を聞いて「周りがそう言っているんだったらそっちの方がいいかもしれないし、そうやって動いてみるのもありだな」って考えちゃうので。2人みたいな自信が欲しい!

◆胸キュンシーンもたくさんありますが、それぞれ皆さんのお薦めのシーンを教えてください。

佐藤:僕は結婚式のシーンかな。それまでの過程もすごくすてきなんですけど、結婚式のシーンが一番ですね。

森川:私はエンディング後の本当にラストのシーンですね。いろんな捉え方ができると思うので、見た人がどう思うのか、ちょっと気になります。

北村:僕は初めて高千穂が登場するシーン。すごく長いシーンなんですけど、その最後の最後に出てくるので、僕らからすると「すごく待ったね、よく出てきた!」っていう(笑)。

佐藤:ずっと待っていたからね。寒かったしね(笑)。

◆原作のアナザーストーリーと位置づけられる本作ですが、原作のファンを含めてメッセージをお願いします。

北村:実写化ではありますが、原作とはまた違った面白さがあるので。映画「恋と嘘」は映画「恋と嘘」として、楽しんで見てほしいなと思います。原作が大好きな人もすんなり見られる作品になっていると思います。

森川:原作はまだ完結していないので、続きが待ち切れない気持ちを埋めるためにも、映画を見てほしいです!

佐藤:もともと設定を知っている分、原作ファンの人はさらに楽しめるんじゃないかと思います。まだ読んでいない人にも読んでから映画を見てほしいなって思います。リアルな人間が演じていることでその世界を身近に感じるとか、実写化ならではの良さも感じてもらえると思います。

◆では最後に。皆さんは嘘をつくのは苦手ですか? 得意ですか?

佐藤:めっちゃ得意ですね。嘘しかつかないです!

北村:ほら、寛太はだいたい話を盛ってるんだって(笑)。葵ちゃん、聞いた?

森川:うわー、信用ならないなー。私、嘘とか絶対ダメです!(笑)

北村:僕もちょっと嘘とか信じられないですね(笑)。

佐藤:うわー、ひどい…。

◆ほんとに仲がいいんですね(笑)。ありがとうございました!

 

■PROFILE

●もりかわ・あおい…1995年6月17日生まれ。愛知県出身。雑誌「Seventeen」のモデルを経て女優デビュー。10月28日(土)に「先生!、、、好きになったもいいですか?」が公開。2018年には「OVER DRIVE」「嘘八百」が公開予定。

●きたむら・たくみ…1997年11月3日生まれ。東京都出身。B型。ダンスロックバンド「DISH//(ディッシュ)」のリーダー。12月23日(土・祝)には出演映画「勝手にふるえてろ」が公開。2018年には「OVER DRIVE」が公開予定。

●さとう・かんた…1996年6月16日生まれ。福岡県出身。B型。2015年より劇団EXILEメンバーとして活躍。11月11日(土)より出演映画「HIGH&LOW THE MOVIE 3 / FINAL MISSION」が公開。

 

■作品情報

「恋と嘘」「恋と嘘」
10月14日(土)より全国公開

監督:古澤健
原作:ムサヲ
出演:森川葵、北村匠海、佐藤寛太ほか

<ストーリー>
少子化が進んだ未来の日本では16歳になると政府が最良の結婚相手を通知する「政府通知」が届くことになっていた。優柔不断な葵(森川)は、通知が教えてくれる相手をずっと心待ちにしている女子高生。そんな葵は、16歳の誕生日前日、幼なじみの司馬(北村)に突然「好きだ」と告白される。戸惑う葵の元に、無口でミステリアスな高千穂(佐藤)が政府通知の相手として現れる。葵は高千穂に惹かれるが…。

©2017「恋と嘘」製作委員会©ムサヲ/講談社
 
●photo/金井尭子 text/原 智香 hair&make/牧田健史(森川)、佐鳥麻子(北村)、鵜飼雄輔(佐藤)styling/小山田孝司(森川)、鴇田晋哉(北村)、松川 総(佐藤)