テレビ情報誌「TV LIFE」で、今後さらなる活躍が期待されるネクストブレーク俳優の魅力を紹介する連載「#今旬コレクション」。WEB版では、本誌に収まりきらなかったエピソードをスペシャル動画も交えて紹介します。第102回はドラマ『すぱいす。』(BS-TBS)に出演中の奥野壮さんが登場です。
「#旬コレ 7seconds CHALLENGE」奥野壮
◆撮影現場はどんな雰囲気でしたか?
すごく和気あいあいとしていました。撮影の合間は祐樹役の本田響矢さんと奈月役の吉田凜音さんと3人でずっと話していたので、騒がしい現場だったと思います(笑)。でも、やる時はしっかりやるという切り替えがちゃんとできていた現場でした。
◆祐樹、晃、奈月はそれぞれ違う性格で個性も強く、歪な関係性ですが、回を追うごとにどんどん絆が深まってきていますね。
はい。歪な3人なんですけど、それがなぜかマッチしていて心地いいんです。特にキッチンカーで走っている時の車内の会話には、3人の雰囲気がよく表れていると思います。晃は寝ているか、基本無視しているんですけど(笑)、嫌いで無視しているわけじゃないというのがちゃんと分かる関係値が3人の中で出来上がっているので、なんかいいなって思います。
◆奥野さんはもともと料理が得意だそうですね。晃は、その時にしか作れないこだわりのスパイスカレーを作りますが、奥野さんも料理をされるときのこだわりや独自の味付けなどはありますか?
それが料理に対してのこだわりは全くないんです。もう、レシピに書いてあるとおりにやるだけですね。
◆変に独自の色を出さずに、レシピを忠実にやることがこだわりであると。
僕は器用な人間じゃないので、余計なことをやらないに越したことはないですね(笑)。レシピ通りにやれば失敗することもないし、それが一番いいかなと思っています。
◆カレーにまつわるエピソードはありますか?
家庭のカレーが一番おいしいと言う人もいますが、僕は自分が作るカレーが一番おいしいと思っています!
◆どんなカレーなんですか?
普通のバターチキンカレーです。ヨーグルト、チキン、カレー粉、トマト缶、生クリーム、にんにく、しょうが、たまねぎを使って作ります。20歳の時に初めて作ったんですけど、母のカレーを超えました(笑)。母はデザート作りが得意で、よく家で梅酒をつけてシロップを作っていましたね。親が働いている時は祖母の料理を食べたり、兄弟たちと自分たちで作って食べていたので、自然と料理の腕が上がって、それが今に活かされているなって思います。
◆得意料理はなんですか?
麻婆豆腐です。といっても、ただレシピ通りに作るだけなんですけどね(笑)。
◆料理に対してのこだわりはないとのことですが、お仕事に対するこだわりや晃のように自分を曲げられないことはありますか?
楽しむこと。それがこだわりですね。自分が楽しんでいないと、見ている人も楽しめないと思うので、マイナスな感情も全部楽しむようにしています。ただ笑顔で楽しむのではなく、悲しみやつらさをちゃんと感じてあげるというか。その自分をしっかり受け止めた上で、昇華させるんです。それが僕の中で=仕事を楽しむということであり、仕事に対するこだわりかもしれないですね。
◆マイナスな感情を楽しむことはなかなかできないですよね。それよりも悲しみや辛さが上回ってしまって。
僕ももともとはネガティブな人間なんです。でも、このお仕事ってすごくありがたくて、見てくれた方たちからポジティブな言葉をたくさん頂くんですよね。そういった外部からの賞賛だったり、共感だったり、いろんなポジティブな感情を頂くことで、それが自分の自信につながっていくような気がします。ここまでやってきたという自信、こういうことをしてきたという経験がプラスに作用して、全てのことを最終的に楽しめるようになるのかなと。だから、揺るぎない自信があれば僕は何でも楽しめると思っています。
◆素敵ですね。では晃はキャップを後ろ前にして気合を入れますが、ご自身が気合を入れる時のスイッチみたいなものはありますか?
衣装を着るとスイッチが入ります。あと、目が悪いのでコンタクトを入れると一気にシャキッとしますね。衣装を着て、コンタクトを入れて、ヘアメークをしてビジュアルを作っていただいた時に、完全にスイッチが入って“よし、頑張ろう!”って気合が入ります。ちなみに僕も普段からよく帽子をかぶっているので、そこは晃との共通点ですね。
◆スイッチが入った瞬間に切り替わるから、役をひきずることもないですか?
ないですね。役に影響されることはあっても、役は役、自分は自分と別ものなので、そこがごちゃごちゃになることはないです。
◆“すぱいす。”にちなんで、最近刺激を受けた人や物事はありますか?
刺激は常に受けています。共演者のお二人にもたくさん刺激をいただいていますし、これまで共演した役者さんたちの活躍だったり、友達から“こういうことするんだよね”と報告を受けたりすると、僕ももっと頑張ろうって刺激になります。あと、最近初めてファンミーティングを『下剋上球児』で共演して以来の役者仲間である小林虎之介君、生田俊平君、福松凜君を招いて開催したんですけど、すごく楽しかったですし、ファンの方からもたくさん刺激をいただきました。役者のお仕事って、直接見てくださっている皆さんとお会いする機会ってなかなかないじゃないですか。すごく楽しかったし、これを機に今後もやっていけたらいいなと思いました。
◆今回演じる晃は“孤高の天才料理人”というキャッチコピーがついていますが、ご自身にキャッチコピーをつけるなら?
役を通していろいろな人物にもなれるし、いろんなことが経験できて、それが自分の身にもなっていて。今までやってきたことで言うと、乗馬だったり、殺陣だったり、それこそ今回の料理だったり…自分は何でもできるなって。しかも、自分で言うのもなんですが、わりとすぐにできるようになるんです。なので、“何でもできる器用貧乏”でお願いします(笑)。
◆今後出演したい作品のジャンルや演じたい役柄はありますか?
何でも。お芝居ができる環境さえがあれば、ジャンルや役は関係なく楽しめると思います。
◆最後にメッセージをお願いします。
物語も後半戦ですが、『すぱいす。』は途中からでも楽しんで見られるドラマだと思います。もちろん最初から見ていただくのが一番いいと思いますが、まだ見てないという方でも充分楽しめるはず。毎話違ったカレーが出てきて、ロケーションも素晴らしくて、ロードムービー的な楽しみ方もできるので、ぜひ最後まで楽しんで見ていただけたらうれしいです。
PROFILE
●おくの・そう…2000年8月21日生まれ。大阪府出身。A型。主な出演作はドラマ『コスメティック・プレイラバー』『ビリオン×スクール』『好きやねんけどどうやろか』『下剋上球児』、映画「罪と悪」など。
番組情報
木曜ドラマ23『すぱいす。』
BS-TBS/BS-TBS 4K
毎週木曜 後11時~11時30分
※「TVer」「TBS FREE」など配信あり(放送直後から配信予定)
出演:本田響矢、奥野壮、吉田凜音 ほか
脚本:たかせしゅうほう、田口佳宏、和田清人、茄子純平
監督:瀬野尾一、佐々木豪、中山大暉
製作:BS-TBS共同テレビジョン
bs.tbs.co.jp/spice
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●photo/田中和子(CAPS) text/星野彩乃