

『クレイジージャーニー ほぼ300回2時間SP』(TBS系 午後8時55分~10時57分)が、10月6日(月)に放送。収録を終えたMCの設楽統さんと小池栄子さん、裏社会ジャーナリストの丸山ゴンザレスさんがスペシャルの見どころ&これまでの放送を振り返ってくれました。
◆スペシャルでのゴンザレスさんの取材先はフィンランドという、ちょっと意外な国でした。
設楽:いつもゴンザレスさんは南米のような、いかにも裏社会がありそうな場所に行ってくださっていて。フィンランドのような幸福度ランキング8年連続1位に選ばれるような国に行って何かあるのかなと思ったけど、すごくありましたね。やっぱりどの国も薬物問題に直面しているんだなと思いました。制度を作っても悪用されて、ギャングの仕事やお金もうけに使われちゃう。日本も何年か後にはそうなっちゃうかもしれないなって。
小池:税金は高いけど、収入も日本より多いと考えると、わりと納得な感じなんでしょうね。ただ、富裕層もいれば貧困層もいて。政府はそういう方々にどう目を向けるべきなのか、考えさせられました。
丸山:さまざまなサービスが充実してるから高い税金も納得できるって人が多くて。ただ、徐々に問題も生まれている感じではあります。ただ、僕は少子高齢化も移民も専門領域ではないですから。とにかく素材として見たままをレポートしようと意識しました。


◆今回の放送で、ゴンザレスさんは42回目の出演となります。
設楽:ゴンザレスさんは最初から出演していただいてますし、もう11年もたったんだなと思います。最近の放送だと、ゴンザレスさんが薬物関係の取材に行った時、靴捨ててくるって話が印象的でした。足の裏に薬物が付いて、空港で引っかかっちゃうからって。そういう感覚で靴買ったことないなって思いました(笑)。またゴンザレスさんが結構、どんなところもガンガン行くんですよ。
丸山:実はディレクターさんと結構長くやりとりしてたりしますね。「僕、行きませんよ」「いいですよ、俺自分で撮りますから」「もう知らないですよ、責任取れませんからね」みたいな感じで(笑)。
小池:私は取材のときの「アホな人作戦」を見て、なるほど、こういうやり方があるんだと思いました。
丸山:失礼な質問だろうなと思うときは、バカなふり、アホなふりして聞きますね。あと、僕は物書きとして仕事をするまでに何年か、経済的に恵まれない時代があったんです。だからスラムで薬物の売買に手を染めている人たちを見て、自分もそっち側だったかもしれないなと想像しながら見るようにしてます。
小池:どんな方に対しても同じ目線で接してますよね。だから、これだけの取材ができるんだろうなと思います。
設楽:僕らからしたらめいっちゃうような話も多い中、ゴンザレスさんはモリモリご飯を食べてるんですよ。超人的なメンタルだと思います(笑)。
丸山:どうしてもおなかへっちゃうので(笑)。ただ、フィンランドはやっぱり、物価が高かったです。メニューを見るたびに驚いてました。
◆取材の際は、食べ物のことも調べて行くんですか?
丸山:そうですね。調べて行くし、通りがかりにおいしそうなお店を見つけると、すぐに入っちゃう。今回のフィンランドでは、とにかくサーモンを食べようと思って。トナカイの肉を食べたところが使われてましたけど、実はサーモンのスープとかおいしかったです。
設楽:スラムで取材中してるときも普通にご飯、行きますもんね?
丸山:基本、大丈夫ですよ。素材が腐ってると無理ですけど、食べてもおなかが痛くなるくらいなんで。
小池:(笑)。ゴンザレスさんはいつもお土産も買って来てくれて。ただ、うれしい物もあれば、正直どうしようかなと思うことも…。
設楽:食品系は困りますよね。スラムで買ってきました、みたいな。
小池:正体不明のソースとか(笑)。
設楽:さすがに抵抗ありますよね。ラベルと中身が違うドレッシング。
丸山:(笑)。普通のお土産屋さんで売ってないような物の方が面白いかなって。毎回、半日くらいかけて探してるんです。
設楽:ありがたいですけど、食品系は大丈夫です(笑)。普通にTシャツとかキーホルダーでいいので。


◆この番組に携わって感じたことは?
設楽:いろんな国のことを知れて楽しい半面、行きたくない国もできました(笑)。南米はもともと興味なかったですけど、ゴンザレスさんがイタリアやフランスの裏も公開しちゃって。アメリカにしても、ラスベガスやハワイに行っちゃうし。
丸山:裏の部分を避けていただければ大丈夫ですよ(笑)。
設楽:あと思うのは、ジャーニーの方たちの目が違うんです。自分が人生を懸けて好きなものを語るときの目がステキで、そういうものがあるって大事なんだなと。自分も見つけられたらいいなと思ったりします。
小池:私は日々、日本に住んでいて得られている喜びは、当たり前のことじゃないんだなとつくづく思います。今、問題あると言われても治安が良くて、お財布を落としたらちゃんと届けてもらえるし、食べ物はおいしいし。そういう細かいことに感謝するようになりました。
丸山:僕はそれこそこの11年で世界中の裏社会にネットワークができて、やりとりがいまだに続いてたりするんです。このネットワーク、どうしたらいいだろうと。お世話になった人がたまに日本に来るんですけど、案内するのも面倒くさいし(笑)。
小池:どんな連絡が来るんですか?
丸山:やっぱり日本の料理、ご飯屋さんを教えてくれとか。USJに行くから大阪で会おうとか。英語だったらまだいいんですけど、スペイン語とか、もっとマイナー言語だったりするんで。毎回、Googleに頼ってます(笑)。
設楽:世界中に人脈がありますからね。
丸山:今回のフィンランドも、もともと南米の人脈から始まったんです。別の話をしているときに、北欧がやばいよと聞いて。そんなこともあるから、やりとりを続けておいた方がいいんですけど、今後どうしたらいいかなと思ったりもします。
◆ジャーニー同士のつながりもありますし、ゴンザレスさんと誰かが一緒に旅をするという企画も面白そうです。
小池:それこそYouTubeでゴンザレスさんが高野秀行さん(辺境ノンフィクション作家)と対談されていたんですよ。それがすごく面白かったので、ぜひ『クレイジージャーニー』でも見たいです。
丸山:公私ともにお世話になっている先輩なので、ありがたいお話です。ただ高野さんはレベルが高いんです。訪問先の人を日本で探して、言語を学んでから行ったりするから、ある意味では出発までの物語が面白かったりして。そういうすごさを見てしまうと、簡単に付いて行けないなと思ったりもします。
小池:洞窟は行けないですもんね?(笑)
丸山:(笑)。誰と行きたいかと言われたら迷いますけど、行きたくないのは吉田勝次さん(洞窟探検家)ですね。僕は洞窟みたいな場所に行って、うまく行ったことがないんで。頭をぶつけるし、どこか挟まるし(笑)。でも、僕が行くところはほかの方とかぶることが多いし、誰と行っても面白くなると思います。それこそ佐藤健寿さん(奇界遺産フォトグラファー)と情報交換はよくしてるし、ヨシダナギさん(少数民族フォトグラファー)が芋虫を食べてたところも行ったことがあって。
設楽:食べたんですか!?
丸山:食べました。全然大丈夫ですよ。
小池:いくつ食べたんですか?
丸山:2つくらい。普通においしかったです。虫は焼くか揚げるかがいいですね。設楽さんがおっしゃってた通り、皮とかがパリパリしてる方がおいしい。
設楽:いや、もし食べるならって言っただけで、食べないですよ。海外で普通の飯だっておなか下しちゃうのに、あんなの食べたら寝込んじゃうと思います(笑)。
◆最後に、あらためて今回のスペシャルの見どころを。
丸山:日本人はフィンランドに対して、すごくいいイメージを持っていると思います。今回、そのイメージをひっくり返そうということではなく、素晴らしい国に見えても裏ではいろいろあるんだよと。日本も同じで、大変なこともあるけど、海外からいい国と見られている面もあるじゃないですか。世の中そういうものなんだと、地続きに見ていただければと思います。


番組情報
『クレイジージャーニー ほぼ300回2時間SP』
TBS系
2025年10月6日(月)午後8時55分~10時57分
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