ゲーム音楽の祭典『GAME MUSIC JAM – Level 1』ライブレポート「FFXIV」など人気ゲーム5作品の名曲をバンドアンサンブル中心に再構築

音楽
6時間前

『GAME MUSIC JAM - Level 1』「ファイナルファンタジーXIV」

『GAME MUSIC JAM – Level 1』が、7月18日(土)、19日(日)、20日(月・祝)の3日間、LaLa arena TOKYO-BAYで開催された。

『GAME MUSIC JAM』は、スクウェア・エニックスが手がける新しいゲーム音楽ライブイベント。従来の“タイトル/シリーズ単独”のコンサートではなく、タイトルの垣根を越え、複数の人気ゲーム作品の音楽が一堂に会する“ゲーム音楽の祭典”として新たに立ち上げられた。

また、ゲーム音楽を生で体感するイベントとなるとオーケストラ形式のものが多いのだが、『GAME MUSIC JAM』は、楽曲をバンドアンサンブルで再構築。大迫力のバンドサウンドを浴びるように楽しめるというのもこのイベントの大きな特徴だ。

初開催となった「Level 1」には、『ファイナルファンタジーXIV』『NieR:Automata』『クロノ・トリガー』『UNDERTALE』「ダンガンロンパ」シリーズの5作品が参加。かつての熱狂を呼び覚ます名曲から、今を象徴する最新のサウンドまでが続々と飛び出し、ゲームファン、ゲームミュージックファンを大いに熱狂させた。このレポートでは初日公演の模様を紹介する。

『GAME MUSIC JAM - Level 1』「SQUARE ENIX Vocal Covers - Timeless Classics」
『SQUARE ENIX Vocal Covers – Timeless Classics』

MCのおついちと、祖堅正慶(『ファイナルファンタジーXIV』サウンドディレクター/THE PRIMALS)のあいさつの後、オープニングアクトを務めたのは、『SQUARE ENIX Vocal Covers – Timeless Classics』。『Timeless Classics』は、時間と空間を超えて愛され続けるゲーム音楽の名曲群を、新たな歌声とアレンジで再構築するというシリーズ作品で、今年2月には第2弾がリリースされている。この日のライヴでは、本シリーズでボーカルを担当しているアルトラが登場。「サンレス水郷(ファイナルファンタジーXIII)」「SMALL TWO OF PIECES ~軋んだ破片~(ゼノギアス)」「Endwalker(ファイナルファンタジーXIV)」を力強く、伸びやかに歌い上げていた。

「クロノ・トリガー」
『クロノ・トリガー』GMJ SPECIAL BAND

1番手に登場したのは『クロノ・トリガー』。このイベントのために結成されたGMJ SPECIAL BAND(バンドマスター&ギター:後藤貴徳/ギター:岩井陽祐/ベース:鈴木智/ドラム:平川象士/キーボード:川治恵美、田中咲希/ヴァイオリン 伊藤友馬)が登場し、雄麗な「風の憧憬」で幕を開けた。続く「カエルのテーマ」では客席がサイリウムで緑色に染められると、「クロノ・トリガー」へ。スクリーンに同作の名場面が映し出される中、雄大なバンドアンサンブルが高鳴らされていく。軽快な演奏も心地いい「ロボのテーマ」を経て、「ボス・バトル2」「戦い」とバトル曲の連打で熱を高めていき、一転「時の回廊」の異国情緒漂う神秘的なサウンドで場内を包み込む。そこから強烈なノイズを放ち、「ラストバトル」へなだれ込むという圧巻の演奏を繰り広げ、今も色褪せることのない旋律を鳴り響かせていた。

「ダンガンロンパ」シリーズ
「ダンガンロンパ」シリーズ

次に登場したのは、2025年に15周年を迎えた「ダンガンロンパ」シリーズ。2027年には最新作『スーパーダンガンロンパ2×2(ツーバイツー)』も控えており、多くのファンがその発売を待ち望んでいる人気シリーズだ。この日のステージでは、同シリーズの雰囲気を象徴するようなスピーディーかつスリリングなアンサンブルが繰り広げられた。怪しげながらもポップな空気が漂う「DANGANRONPA」を皮切りに、スラップベースに高揚させられる「議論 -HEAT UP-」、疾走感に満ちた「Welcome DANGAN IsLand!!」、強烈なソロパートがフィーチャーされた「エコロシア」など、GMJ SPECIAL BANDによる緊迫感に満ちたグルーヴィーな演奏が展開されていく。続けて披露された「BRAIN DRIVER」からはエレクトロミュージックを土台にしたダンサブルな要素が増していき、瞬く間にラストナンバーの「V3議論 -SCRUM-」へ。強烈な低音でフロアを揺らし、ダイナミックなサウンドで会場を熱く盛り上げた。

「NieR_Automata」
『NieR:Automata』

続く『NieR:Automata』は、GMJ SPECIAL BANDに加えて、ボーカリストにエミ・エヴァンス、ジュニーク・ニコールを招いたステージとなった。儚くも柔らかな鍵盤の音色とジュニーク・ニコールの穏やかな歌声が絡み合った「遺サレタ場所 / 斜光」や、エミ・エヴァンスの透明感のある歌声が幻想的な空気を膨らませていた「遊園施設」など、2人の美声とアコースティック色の強いバンドサウンドに、客席は息を呑む。「穏ヤカナ眠リ」の厳かな空気から一転、強烈なまでに重厚なバンドサウンドを叩きつけるように繰り広げられた「美シキ歌」では、2人が代わる代わる主旋律を務め、その世界へと引きずり込んでいた。ラテン風味の情熱的なアレンジが施された「パスカル」を挟み、再びエミとジュニークが登場。深淵なスロウナンバー「塔」で美麗なハーモニーを響かせる。曲を終えた2人はオーディエンスへの感謝と、今回のライヴに参加できたことの喜びを告げ、最後に「Weight of the World」を披露。情感豊かに届けられた歌と演奏に、客席からは惜しみない拍手が送られていた。

『GAME MUSIC JAM - Level 1』「UNDERTALE」
『UNDERTALE』

『UNDERTALE』のステージでは、同作の10周年を記念して今年2月にリリースされたピアノアレンジアルバム『UNDERTALE Piano Arrangement Album – Echoes Beneath』の収録曲を、同作のアレンジ・演奏も担当している森下唯が披露。森下は「ひとりでなんでも作ってしまう(『UNDERTALE』開発者の)トビー・フォックスに敬意を示して」と、ピアノ1台で曲を紡いでいく。性急ながらも叙情的な「心の痛み」や、徐々に激しさを帯びていき、音が跳ね上がるように奏でられた「正義の槍」、静かな中にも強い決意の滲む「あきらめないで」、柔らかなタッチで届けられた「自由」と、流麗かつドラマティックな演奏で客席を魅了した。ラストナンバーの「MEGALOVANIA」では、GMJ SPECIAL BANDも参加。ハードなバンドサウンドと呼応するように森下の鍵盤も一際熱を放ち、アグレッシヴなアンサンブルを繰り広げた。

『GAME MUSIC JAM - Level 1』「ファイナルファンタジーXIV」
『ファイナルファンタジーXIV』THE PRIMALS

トリを飾ったのは『ファイナルファンタジーXIV』。演奏を務めたのは、同作のオフィシャルバンドであるTHE PRIMALSだ(この日は、イワイエイキチに代わってクボタケイスケがサポートベースを担当)。先日イギリスで開催されたロックフェス『Download Festival 2026』にも出演し、現地のオーディエンスを熱くさせてきた彼ら。『GMJ』では日替わりで異なるセットリストを設けてのステージとなった。初日のコンセプトは“「機工城アレキサンダー」シリーズより”。1曲目の「ローカス ~機工城アレキサンダー:起動編~」からパワフルなバンドサウンドを轟かせ、続く「魔神 ~魔神セフィロト討滅戦~」ではヘヴィな音塊を叩きつけると、「メタル ~機工城アレキサンダー:起動編~」では祖堅がトランペットを吹き鳴らし、場内の熱気を強烈に高めていった。

『GAME MUSIC JAM - Level 1』「ファイナルファンタジーXIV」
『ファイナルファンタジーXIV』南條愛乃

ライヴ中盤では2名のゲストボーカリストが登場。1人目は『ファイナルファンタジーXIV』にも参加している南條愛乃。和柄が施された赤い衣装に身を包んだ南條は、『GAME MUSIC JAM』に“Level 1”と付けられていることもあり、「カンスト目指しましょう!」と話すと、「THE PRIMALSで生きている人間誰もいないかも(笑)」という祖堅の返しに、客席から笑い声が上がる。そんな緩やかなトークを交えつつ、南條は「千年の暁 ~朱雀征魂戦~」の美しい旋律を切なげに歌い上げると、「普段英語の歌詞は歌わない」と話していたものの、英詞の「忘却の彼方 ~蛮神シヴァ討滅戦~」を披露するというレアな一幕も飛び出し、客席を喜ばせていた。

『GAME MUSIC JAM - Level 1』「ファイナルファンタジーXIV」
『ファイナルファンタジーXIV』光吉猛修

2人目のゲストは、SEGAの光吉猛修。赤い法被姿でチェッカーフラッグを振り回しながら登場した光吉は、自身が歌唱を務めている『DAYTONA USA』の「Let’s Go Away」を披露。THE PRIMALSが高鳴らす重量感のあるバンドサウンドに乗って、“日本一歌が上手いサラリーマン”の異名を持つ光吉がパワフルなロングトーンを放つ。さらに光吉とは「エスケープ ~次元の狭間オメガ:アルファ編~」でも共演。ゲームタイトルはもちろんのこと、同業他社のクリエイターもステージに登場するという、まさにゲーム音楽の祭典にふさわしいコラボレーションとなった。

怒涛の後半戦は「ライズ ~機工城アレキサンダー:天動編~」から。ゲーム内で登場する“時間停止”のギミックを再現したパフォーマンスでは、演者も観客も全員がストップ。LaLa arena TOKYO-BAYの時を止めると、続く「過重圧殺! ~蛮神タイタン討滅戦~」では凄まじい音圧と祖堅の激しい煽りで客席を沸かせ、ラストナンバーの「ロングフォール ~異界遺構 シルクス・ツイニング~」へ。この日最大の熱狂を迎えた中、ラストには銀テープが発射され、約3時間半に及ぶ祭典を締め括った。初開催となった『GAME MUSIC JAM』。ここから“カンスト”を目指し、さらに素晴らしいゲーム音楽の祭典へと成長していくことを楽しみにしたい。

『GAME MUSIC JAM – Level 1』7月18日(土)セットリスト

▼オープニングアクト SQUARE ENIX Vocal Covers – Timeless Classics
https://www.jp.square-enix.com/music/sem/page/sqexvc/tc/
https://www.jp.square-enix.com/music/sem/page/sqexvc/tc2/
出演:アルトラ・フェイブル
01. サンレス水郷(from『ファイナルファンタジーXIII』)
02. SMALL TWO OF PIECES ~軋んだ破片~(from『ゼノギアス』)
03. Endwalker(from『ファイナルファンタジーXIV』)

▼クロノ・トリガー
https://www.jp.square-enix.com/chronotrigger/
出演:GMJ SPECIAL BAND
01. 風の憧憬
02. カエルのテーマ
03. クロノ・トリガー
04. ロボのテーマ
05. ボス・バトル2
06. 戦い
07. 時の回廊
08. ラストバトル

▼「ダンガンロンパ」シリーズ
https://www.danganronpa.com/
出演:GMJ SPECIAL BAND
01. DANGANRONPA
02. 議論 -HEAT UP-
03. Welcome DANGAN IsLand!!
04. エコロシア
05. BRAIN DRIVER
06. V3議論 -SCRUM-

▼NieR:Automata
https://www.jp.square-enix.com/nierautomata/
出演:GMJ SPECIAL BAND / ボーカル:エミ・エヴァンス、ジュニーク・ニコール
01. 遺サレタ場所 / 斜光
02. 遊園施設
03. 穏ヤカナ眠リ
04. 美シキ歌
05. パスカル
06. 塔
07. Weight of the World

▼UNDERTALE
https://undertale.jp/
出演:森下唯 / GMJ SPECIAL BAND
01. 心の痛み
02. 正義の槍
03. あきらめないで
04. 自由
05. MEGALOVANIA

▼ファイナルファンタジーXIV
https://jp.finalfantasyxiv.com/
出演:THE PRIMALS ※サポートベース・クボタケイスケ
01. ローカス ~機工城アレキサンダー:起動編~
02. 魔神 ~魔神セフィロト討滅戦~
03. メタル:ブルートジャスティスモード ~機工城アレキサンダー:律動編~
04. 千年の暁 ~朱雀征魂戦~ / ゲスト:南條愛乃
05. 忘却の彼方 ~蛮神シヴァ討滅戦~ / ゲスト:南條愛乃
06. Let’s Go Away(from『DAYTONA USA』)/ ゲスト:光吉猛修(SEGA)
07. エスケープ ~次元の狭間オメガ:アルファ編~ / ゲスト:光吉猛修(SEGA)
08. ライズ ~機工城アレキサンダー:天動編~
09. 過重圧殺! ~蛮神タイタン討滅戦~
10. ロングフォール ~異界遺構 シルクス・ツイニング~

特設サイト:https://www.jp.square-enix.com/music/sem/page/event/gmj/

©SQUARE ENIX
Illustration: ©BIRD STUDIO/SHUEISHA Story and Screenplay: ©ARMOR PROJECT/SQUARE ENIX
UNDERTALE ©Toby Fox 2015-2026. All rights reserved. Licensed by Royal Sciences LLC.
©Spike Chunsoft Co., Ltd. All Rights Reserved.

●photo/西槇太一 text/山口哲生

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