長瀬智也「連続ドラマのキャパを超えてる」宮藤官九郎「長瀬君にいつかプロレスラーを演じてほしかった」『俺の家の話』会見

ドラマ
2021年01月18日

『俺の家の話』

1月22日(金)スタートの金曜ドラマ『俺の家の話』(TBS系 初回後10・00~11・09)のオンライン記者会見が行われ、主演の長瀬智也をはじめ、戸田恵梨香、永山絢斗、江口のりこ、桐谷健太、西田敏行、脚本の宮藤官九郎が登壇した。

本作は、長瀬と宮藤が11年ぶりにタッグを組む、濃すぎる家族が織り成す王道のホームドラマ。長瀬演じるピークを過ぎたプロレスラーが、能楽の人間国宝である父の介護のために現役を引退し、名家の長男として家族と謎の女性介護ヘルパーを巻き込んで、介護と遺産相続をめぐる激しいバトルを繰り広げる。

プロレスラーと能楽師という全く違う世界で生きる観山寿一を演じる長瀬。演じた感想を問われると、「今までもいろんな作品、役柄をやらせていただく中で、いろんな二面性を演じさせていただいたんですけど、今回は能とプロレスで、今までの二面性とはまた違う形の描き方になるんじゃないかと思っていたんです。実際に演じてみたらその通りで、今までに味わったことのないような感覚や気持ちになった」と心境を明かした。

宮藤との再タッグについては「書いてくれたメッセージというか、伝えたいことみたいなものをそのせりふを発した時に自分が感じる。それはきっと今までもそうだったんですけど、お互い歳もとって、シンプルなせりふでも、若かった時には表現できなかったニュアンスといいますか、そういうものを自分自身感じたこともあったので、感慨深い気持ちとともに、何か新しいものを作る台本を描いていただけたなと思った」と。

プロレスラーを演じるにあたり肉体づくりにも挑んだ長瀬。「毎日、ヘビメタを聞いてやってました(笑)。闘争本能沸き立たせて」とジョークを交えつつ、3か月かけて約12キロの増量したことを明かした。

謎のヘルパー・志田さくらを演じる戸田は「プロデューサー、監督と一緒にさくらについてお話をすることがよくあるんですけど、撮影に入ってもよく分からない役が今回初めて。感情だったり、心境を吐露するところもあるんですけど、断片的で多面性なんですかね。すごく不思議な役です。自分の中でも統一感があるような、ないような、でもそれがさくらなんだなっていうのがようやく分かってきた」と語った。

「家族といる時と、寿三郎(西田)といる時で、どんな気持ちの切り替えをしているか」と問われると、戸田は「じゅじゅ(寿三郎)といる時は乙女です。今となっては自然に女になっていく感覚。ご家族と寿三郎さん、1人の時も違うし、その時々で変わっていくので、いつも面白く探りながら楽しくできている」と明かした。

本作が長瀬と初共演となる永山は「毎日幸せですね。僕たち世代の人にとって(長瀬は)ヒーローの存在なので、学生時代の自分に教えてあげたいですね。そのぐらいふわふわした気持ちでまだ少しいてしまう時がある」と話し、「初めてお会いして、現場でもお話しさせていただいているんですけど、とても気遣いの人だなと思いましたし、笑顔で嘘のないありのままの感じでいる長瀬さんを見て、本当にこういう人なんだっていううれしいっていう気持ちが強いです」と長瀬の魅力を挙げた。

これを受けて長瀬は「照れますよね。絢斗君もナイスガイだなって思って。まだ始まったばかりなので、残りの撮影の中で、いろんな絢斗君と触れ合っていきたいなと思う」と語った。

夫役のロバート・秋山竜次をはじめ、個性豊かなキャスト陣と共演する江口は、オンライン記者会見に少し緊張ぎみ。撮影について問われると「撮影はすごく楽しいです。面白い方たちばっかりで。秋山さんもすごく紳士な方で一緒にいて楽しいです」と。

これまでも宮藤作品に出演してきた桐谷は「宮藤さんの脚本では、ちょっと変わったキャラクターを演じることが多かったんですけど、この度は能楽師。台本を見た時にこれを僕にやらせてもらえるんだと、すごくうれしかった。もしかしたら違う人がやる予定だったところに僕が入ってきたっていう可能性もありますけど(笑)。今、一所懸命演じさせていただいております」と語った。

また、長瀬とも共演歴のある桐谷は「長瀬君とは、付き合いも15年くらいになっているので、今回の役柄としても幼いころからの間柄ということで、そこの空気感を自然に作れるというのは、すごくありがたいこと。でも、そこに甘えないように、もっといい空気を出せるようにやっている」と。

桐谷と同じく、再びの長瀬との共演となった西田は「うれしいオファーでした。渡りに船というか、二つ返事でOKを出しました。長瀬君は頼りになる男なんですよ。表現者として、どんなドラマを作っていこうかっていうのを考え、宮藤さんに相談を持ち掛けて、この企画が生まれたというふうに聞いていますので、頼りになる2人が立ち上げてくれたドラマだなと。能とプロレスを一緒にするっていう発想がすごい。ホームドラマの神髄を1話の完パケを見て思いました。古くて新しい、面白くて悲しい、そんなドラマ」と明かした。

長瀬が初めての父親役を演じることについても、西田は「何も違和感もなく見られましたね。すばらしい。息子役の羽村(仁成)君が、学習障害を持った役を演じているんですけど、それをリアルに演じていて。ハグしたいぐらいのかわいらしさ。役者の才能が一挙に集まっている」と語った。

プロレスと能を掛け合わせた本作がどのようにして生まれたのかと問われた宮藤は「長瀬君にいつかプロレスラーをやってほしいなと思っていた。真逆の世界の家から飛び出して、プロレスラーになったっていうのがいいなと思った時に、伝統芸能がいいなと思った。能は面をつけるので、プロレスのマスクとかかっていたり、四角い舞台とか、自分を抑える能と、自分を出していくプロレスっていう、ギャップが面白いかなと思って選んだ」と明かした。

最後に長瀬が「このクドカンが書いてくれた『俺の家の話』。テレビ連続ドラマのキャパを超えてるんじゃないかなと個人的には思っています。能とプロレス、これを実際に自分も経験させてもらって、思うことはたくさんありました。そのいいところも悪いところも伝わったらいいなと思っています。ここにいる家族の絆とか、1人ひとりの積み上げてきた気持ちや思いみたいなものが交差して、笑わしたいわけでも、泣かせたいわけでもなく、ただ面白いものが作りたいという一心で今までもやっていると思うし、今もやっていると思うので、自分たちに対して正直に表現して、こんなご時世ですけど、少しのお家にいらっしゃる時間のお供になればいいなと思って日々撮影に臨んでいます。新しい形のホームコメディドラマが生まれるのかと思っています。ぜひとも楽しい時間になったらいいなと思っていますので、3か月間、僕らも日々撮影に励みたいと思いますので、ぜひ楽しみに毎週見ていただけたらうれしいなと思います」と熱く語った。

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