菊池風磨が猟奇殺人犯役を熱演!中谷美紀主演『ギバーテイカー』現場レポ&メイキング写真が解禁

ドラマ
2023年02月06日
『連続ドラマW ギバーテイカー』メイキング写真

現在放送・配信中の中谷美紀主演『連続ドラマW ギバーテイカー』(WOWOWプライム/WOWOWオンデマンド 毎週日曜 午後10時)より、猟奇殺人犯役を演じた菊池風磨にフィーチャーした撮影現場レポートが到着。併せて、場面写真&メイキング写真、特別映像も解禁された。

すえのぶけいこ初の青年誌掲載作品「ライフ2 ギバーテイカー」(講談社アフタヌーンKC)を原作とする本作は、娘を殺された刑事・倉澤樹(中谷)と、その娘を殺した猟奇殺人犯・貴志ルオト(菊池風磨)の死闘を描いた本格クライムサスペンス。

この日、撮影が行われたのは、ルオトが住み込みで働くベーカリー「幸せの穂」の自室で1人の時間を過ごすシーン。美しい容姿からは計り知れぬ狂気を一気に解放させるルオトのさまを、菊池は見事に表現。声のトーン、口角の上げ方、歩みや瞬きの速度など、ささいな表現にも気を配り、一つひとつの動きから狂気を感じさせ、静けさの中でも見る者に緊張を与えていく。

中でも壁に貼り巡らされた倉澤の写真をいとおしそうに眺めながら、鼻歌を静かに響かせる場面で見せた名演には、鈴木浩介監督も「いい表情をするね」とうれしそうに称賛の言葉を口にする。

瞳に冷たい光を宿らせ「樹先生、もうすぐだね。もうすぐ会える」と倉澤との再会を心待ちにする菊池の姿は、ルオトそのもの。ルオトの得体の知れなさを見事に表現し、狂気を次第に爆発させていく姿が捉えられた自室でのシーンは、菊池の高い演技力が発揮された見どころのひとつとして完成した。

菊池は「監督の撮影のスピードがとにかく速くて、日々試されているなと感じています(笑)。いい意味でスリリングな挑戦が続いている感覚があって、鍛えられている」と緊張感もありながら、「監督が始めの段階から『ハマっているね』と言ってくださったので、安心できましたし、うれしかったです」と鈴木監督の言葉に励まされ、役者として充実な日々を過ごしたことを明かしていた。

『連続ドラマW ギバーテイカー』メイキング写真

主人公の倉澤と並び重要となったのが、猟奇殺人犯・貴志ルオトのキャスティング。映画「ダークナイト」のヒース・レジャー、ドラマ『HANNIBAL/ハンニバル』のマッツ・ミケルセンなど、名優たちが息を吹き込んだヴィランキャラクターたちの活躍はサスペンス作品を成功へと導いてきた。

本作においてそんな重要なポジションを担うルオトは、“天使のような美少年”といわれた少年期の面影を残した、独特な雰囲気を身にまとう人物。医療少年院を退院し更生したとされているが、美しい容姿からは計り知れぬ“狂気”を宿し、異常な価値観、あることをきっかけに抱いた倉澤への執着心、精神的な幼さは、親しい友人でもあった倉澤の娘を惨殺した12年前から変わらずだ。

当たり前のように越えてはならない一線を越え、“幸せは奪うもの”という自分なりの正義の貫通行動として人を殺めるルオト。倉澤が追えば追うほど、彼は狂気を加速させ、追い詰めているはずの倉澤が逆に身も心も追い詰められ、怒りは増幅していくばかり。

ルオトが「殺人に快楽を感じる=幸せを得られる」との思想を強く抱くようになった過程や、倉澤へ異常な執着を持つ理由、そして彼の“家族”にまつわるバックボーンなどは、物語が進むにつれて次第に明らかとなり、サスペンスエンターテインメントとして盛り上がりを見せていく。ただし、それらはすべて「悪役は悪役」として最後まで描き切るよう構築されている。

その倫理の問いかけをしたくとも、悲しいほどにその行為が意味をなさないヴィランキャラクターとしてのルオトの描き方は、理解し得ない行動に出た人間に抱く恐怖心や、考えたところで答えなど出るはずもないのに「なぜ」と思わず考え巡らせてしまう未曾有の事態が発生した際に世の人が抱くリアルな感情を見る者に与え、他サスペンス作品とは一線を画す本作ならではの魅力を生み出している。

ルオト役を演じる俳優には、人を引きつけるカリスマ性と巧みな演技力が求められ、加えて原作が漫画だけにファンのイメージも絵として根強いため、キャスティングは困難を極めた。そんな中、それら全てを兼ねそろえた唯一無二の人物として白羽の矢が立ったのが菊池だ。

倉澤に抱く異様なまでの執着心、容赦なく人を襲う残虐性、菊池の“見たことのない姿”に制作陣は多大な期待を抱き、圧倒的な存在感とはかなさを併せ持つドラマ版ルオトの誕生を渇望し、熱烈なラブコールを送った。そして、菊池はその想像をはるかに超える名演を披露し、期待に応えて見せた。

『連続ドラマW ギバーテイカー』

鈴木監督は「原作の世界観を大事にしつつ、ドラマ版に存在するルオトとして成立させるかに関しては、菊池さんのキャスティングが全てでした」と明かし、菊池との初対面を「独特な存在感をまとわれた方だなと感じたんです。“あ、ルオトだ。間違いなく彼がルオトになってくれる”と確信しました」と振り返る。

そして、「菊池さんから醸し出される存在感に浸りたく、少し離れて見ていたくなりました。なので、あえて言葉で交わすのではなく、カットの積み重ねで彼にメッセージを送り続けることにしました」と新境地へ挑んだ菊池への演出について明かし、「カメラを通して彼を見ていると、少しずつルオトと同化していくさまを感じました。見事、ルオトに憑依してくれて大感謝です」と太鼓判を押す。

また脚本を手掛けた小峯裕之は「物語終盤は魅力的なキャスト陣に触発されて生まれたシーンも多く、キャストが作品の世界観を広げてくれたと思っています」と、中谷や菊池をはじめとしたキャスティングにより名場面が誕生したことを明かしている。

中谷は菊池の名演に「脚本を徹底的に読み込んで、ルオトという猟奇殺人犯の役柄を深く理解し、アンニュイな雰囲気のシーンと、たたみかけるように相手を追い詰めるようなシーンと、場面によって緩急のあるお芝居に、ひどく心をえぐられました」との称賛の言葉を。

クライマックスシーンの撮影前には「いかにルオトを生かすことができるかということが大切になるので、菊池さんが思う存分、究極の悪を演じられる撮影となるよう、私も一緒に彼の気持ちを受け止めて演じたいと思います」と気合を入れていた。

「ルオトは一手先、二手先に“何かがある”と予感させる不気味さ、奇妙さがあり、不安をあおる恐ろしいキャラクターなので、難しい部分は多いです。特に残酷なせりふやシーンに直面する時は、普通の感覚ではできないことが多く、ルオトとしては快感を得る行為であっても、“人が苦しんでいるのを楽しむ”という自分自身の引き出しにない感情をどのように表現すればいいのだろうかと悩みました。オーバー過ぎたらうそらしく見えてしまうし、かといってライトな雰囲気で演じるのも違いますし。とにかくルオトのように“当たり前に残酷なことをする”というのは本当に難しい」と思考を深め続けた役作りについて撮影中に明かしていた菊池。

キラキラとしたステージに立つアイドルとしての顔はもちろん、これまで彼が演じてきた明るいオーラを発する役柄とは全く異なり、本作は菊池が新境地を開いたドラマとしても見逃せない1作となった。

『連続ドラマW ギバーテイカー』/特別映像(ルオト役・菊池風磨編)

番組情報

『連続ドラマW ギバーテイカー』
WOWOWプライム/WOWOWオンデマンド
毎週日曜 午後10時~(全5話)
※2月5日(日)第3話放送 第3話放送終了後、WOWOWオンデマンドで第3話~第5話配信

出演:中谷美紀、菊池風磨、深川麻衣、馬場ふみか、吉沢悠、斉藤由貴、池内博之、袴田吉彦、遠山俊也、平山祐介、桜田ひより、吉田ウーロン太、池田鉄洋

原作:すえのぶけいこ『ライフ2 ギバーテイカー』(講談社アフタヌーンKC)
脚本:小峯裕之
監督:鈴木浩介
チーフプロデューサー:青木泰憲
プロデューサー:小林祐介、黒沢淳、雫石瑞穂
制作協力:テレパック 製作著作:WOWOW

『連続ドラマW ギバーテイカー』本予告映像:https://youtu.be/TwQG93cG_Rc
番組サイトURL:https://www.wowow.co.jp/drama/original/givertaker/
WOWOWオリジナルドラマ公式Twitter:@drama_wowow