山田孝之「描かれていない過去や父のことを想像で足して、半蔵の人物像を組み立てています」『どうする家康』

ドラマ
2023年02月05日
『どうする家康』山田孝之 ©NHK

松本潤が主演を務める大河ドラマ『どうする家康』(NHK総合ほか 毎週日曜 午後8時~ ほか)で、服部半蔵役の山田孝之からコメントが到着した。

大河ドラマ第62作は、誰もが知る歴史上の有名人・徳川家康の生涯を脚本家・古沢良太が新たな視点で描く『どうする家康』。ひとりの弱き少年が、乱世を終わらせた奇跡と希望の物語だ。

山田演じる服部半蔵は先祖が忍びの郷・伊賀出身であるため、忍者とよく間違えられる。本人は武士と思っているが、そんな自分にプライドが持てず、人づきあいが苦手。命ぜられて伊賀忍者を使い、諜報活動をするが時々失敗する。山田のコメントは以下掲載。

山田孝之 コメント

◆服部半蔵の人物像について

第5回(2月5日放送)では、亡き父から「忍びはやるな」と言われていたことも明かされましたが、そもそも半蔵はできることなら争いを避けて生きたい人。ただ、時代的にも避けられない争いも多いし、自分は伊賀に生まれた宿命もある。それは理解しつつも、やはり争いたくない…という悩みや葛藤を抱えていたのかなと思います。
一方で、幼い頃に見ていた忍びとして活躍する父の姿に、少なからず誇りや憧れも持っていただろうと想像しています。いざ任務に就くとなれば、ほんのわずかですが、憧れていた父と同じ働きができる喜びもあったのかなと思います。
でも、結果的に父は自分に忍びを勧めなかった。父はさまざまな出来事に巻き込まれ、もしかしたら甲賀との対立の中で亡くなったのかもしれない。その上での言葉だったことを考えると、やはり引き受けない方がいいのかな…と、本多正信(松山ケンイチ)の誘いに対してためらう半蔵の思いを解釈しました。
脚本にあるせりふをベースにしながら、描かれていない半蔵の過去や父のことを想像で足して、人物像を組み立てていきました。史実が本当なのかは誰にも分かりませんし、今作においては、僕に与えられた服部半蔵をどう生きるかということだけだと思っています。

◆第5回の瀬名(有村架純)奪還に失敗するシーンを振り返って

鵜殿長照(野間口徹)らに襲われた瞬間、「なんでバレてるんだ」と思考停止して、怖くなり動けなくなってしまいました。しかも、そんな自分を救ったせいで、多くの仲間が命を落としてしまった。冷静に考えれば、相手方にバレた場合も想定しておかなければならなかったし、そうなっても動けるように日頃から準備しておくべきだったんですよね。
(忍びではないですが)忍びとしての身体能力は低いですし、戦いたくないので日頃からトレーニングもしておらず、手裏剣一つ投げられない。とはいえ最低限自分が準備しておけば、仲間が犠牲になることもなかったのかと自分を責めたし、絶望したと思います。
それでも、もう一度瀬名奪還の任務に挑戦すると松平元康(徳川家康=松本潤)に申し出る覚悟ができたのは、亡くなった大鼠(千葉哲也)との約束があったからだと思います。きちんと任務をやり遂げて、銭をもらって、妻や子に分けて欲しいと言い残して死んでいった大鼠の言葉は絶対守らなければならないし、今度こそ成功させなければならない。
でも、再度チャレンジすれば、指揮を執るのは頼りない自分なので、また余計に仲間の命を犠牲にしてしまうかもしれない怖さもある。でもやるしかない・・・。ずっと悩んで、葛藤して、人との間に挟まるというか。そうした人としての揺らぎが見えるシーンが多いので、人物像も自然とつかみやすかったように思います。

◆本多正信との関係性

正信と半蔵は、貧しい暮らしの中で死に物狂いで生きていますし、近いマインドを持った人だとは思います。でも、これは正信に限らずですが、半蔵は基本的に人を信用しておらず、警戒心も強い。どのシーンでも人とほぼ目を合わせないんです。目は口ほどにものを言うという言葉もありますが、目をしっかり見ると相手に情報を与えてしまうこともあると思うので。
でも、これから1年間続く物語の中で、半蔵の感情が大きく揺れ動いたり、崩れるほど感情が高ぶったり。もしくはしっかり相手の目を見られるほど信頼できる関係性を、正信や元康たちと築けたら…。そんなエピソードが出てきたらいいなと、僕自身も楽しみにしています。

『どうする家康』左から)松山ケンイチ、山田孝之 ©NHK

番組情報

大河ドラマ『どうする家康』
毎週日曜
NHK総合:午後8時~
BSプレミアム/BS4K:午後6時~

WEB

番組公式HP:https://www.nhk.or.jp/ieyasu/
番組公式Twitter:https://twitter.com/nhk_ieyasu

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