龍宮城・佐藤海音、中田秀夫監督は「演技の父親でもあるような、僕たちにとって大切な存在」『秘密を持った少年たち』制作発表会見

ドラマ
2023年09月03日
『秘密を持った少年たち』制作発表会見

10月6日(金)スタートの新金曜ドラマDEEP『秘密を持った少年たち』(日本テレビほか 毎週金曜 深夜0時30分~0時59分/初回は深夜0時40分~)の制作発表会見が行われ、女王蜂アヴちゃんプロデュースのオルタナティブ歌謡舞踏集団・龍宮城(佐藤海音、西田至、米尾賢人、冨田侑暉、竹内黎、伊藤圭吾、齋木春空)、大原優乃、大谷亮平、中田秀夫監督が登壇した。

18歳以上の大人の女性層をメインターゲットに、深夜だからこそ描けるディープな人間模様や緊迫するサスペンス、大人の恋愛などをテーマに4月から新設された「金曜ドラマDEEP」枠。

『夫婦が壊れるとき』『癒やしのお隣さんには秘密がある』に続き、第3弾作品となる『秘密を持った少年たち』は「リング」シリーズや「スマホを落としただけなのに」など、ジャパニーズホラーの名匠・中田監督の完全オリジナル作品となる。

望まずして“夜行(やこう)”という人を襲いその血をすする、人ならざる存在になってしまった少年と少女の残酷な運命を描く、衝撃的なエロティックサスペンス。奪い合い、裏切り、嫉妬、いじめ、浮気…。新進気鋭の若手俳優たちが、錯綜する人間関係に体当たりで挑む。

中田監督は「今回、オリジナルということで、非常にやりがいのある、困難はいろいろありましたが、すごく楽しい脚本開発であり、撮影もなかなかしんどい局面もあるのですが、ただその分、見せ場の多いドラマになっていると思います」と思いを吐露。

「映画で人間ならざる存在をたくさん描いてきましたが、(本作は)ほぼ人間だけど、“夜行”ってどういう人なのかというと、感情や行動が濃密で、欲望も濃厚でエネルギッシュな人間ならざる存在という感じの理解で僕は進めました」と、“夜行”という存在について語った。

本作のポスタービジュアルのお披露目も。大原はこの撮影を振り返り、「一緒に(ドラマの)撮影させていただいている最中に、この撮影もさせてもらったのですが、照れくさかったです(笑)。海音君とポージングだったり、2人の役の関係性を考えながら撮影させていただきました」と。

佐藤も「僕も照れくさいところがありました」とはにかみ、「現場でも大原さんが話しかけてくださって、撮影しやすい雰囲気を作ってくださるので、とても楽しく毎日撮影させていただいています」と大原の印象を明かした。

完成したポスタービジュアルを見る一同

また演じる主人公・光石玲矢役について、佐藤は「玲矢はとてもギターを大切にしている少年。僕はギターをやったことがなかったのですが、撮影に入るまでの1カ月間でギターをたくさん練習しました。撮影していく中でギターを弾いているシーンが玲矢と一番リンクできる瞬間だなと思っていて、自然と気持ちが入りやすいです」と役への思いを。

そして、「この作品は龍宮城としても新たな試みで、アーティストとは違う竜宮城をたくさんお見せできると思うので楽しみにしていただけたらうれしい」とアピールした。

玲矢の幼なじみで、ともに過酷な運命に翻弄されるヒロイン・吉野ユキを演じる大原は「初めてこの作品の脚本を読ませていただいたときに、ユキという役柄が過去と現在で変わり果ててしまった姿であったり、抱えているものの大きさを受け取りました」と役について感じたことをコメント。

「ユキを生きるにはとても覚悟が必要だなと思ったので、覚悟を持ってこの作品に入らせていただいています。現在撮影中なんですが、愛を求めて吸血し合うこの世界がどこかはかなくて、残酷なんだけど美しく見えたらいいなと思っています」と意気込んだ。

予備校教師・隆介を演じる大谷は「初々しいキャストの皆さんと最後まで楽しくやりたいなと思っています。(龍宮城が)キラキラしていますよね。自分の10代を思い返しますけど、皆さんすごく堂々とされていて、スタイルもシュッとしていて、間違いなくここからいくんじゃないかと。なので会見をご一緒できてうれしいです」と印象を語った。

玲矢が出会う秘密を抱えたバンド「404 not found」のボーカル・貴崎慎一郎を演じる西田は「強くて優しい慎一郎という役と全力で向き合っているのでぜひよろしくお願いします」と。

バッキングギター・久保勧を演じる米尾は「今回、自分たちにとって初のドラマということで、撮影をするたびにいろんなことに出合えてとても幸せです。スー(久保勧)はすごく物静かで、メンバーの中でもあまり意見を言う立場ではないのですが、せりふのない中での表情やしぐさだったりを意識して演じさせてもらっているので、そこに注目していただけたら」とアピール。

キーボード・石橋ヒカルを演じる冨田は「ずっとやりたかった演技のお仕事をこうして龍宮城のメンバーとともに初出演という形でやらせていただき、とても光栄に思っています。ヒカルはドラマのタイトル通り秘密を持っているのですが、その秘密はドラマが進んでいくにつれて明らかになっていくので、そこも楽しみにしていただきたいです」と。

ギター・麻見葉を演じる竹内は「昔からドラマや映画はもちろん、ミュージカルや舞台も好きで、いつか演技に挑戦したいなと思っていたので、今回このような機会をいただけてとてもうれしく思っています」と心境を明かし、「葉という役に心から寄り添って、バンドのメンバーのみんなとの関わり方も含めて、楽しみながら演じていけたら」と語った。

ドラム・矢沢和馬を演じる伊藤は「いじめられっ子で内気な性格の和真ですが、どこか自分と似ている部分があって、張り切って演技ができているなと感じます。お芝居は初めてですが、共演させていただいている役者やスタッフの皆さんからたくさん学ばせていただいているので、最後まで楽しく全力で演技ができたらいいなと思っています」と。

ベース・岡部雅人を演じる齋木は「初めてのドラマということで、日々演技を勉強しながら撮影に臨んでいます。雅人は感情表現が豊かな人物で、どうやって感情を表現したら雅人になりきれるのかなど研究しています。雅人になれるよう、これからも全力を尽くして頑張ります」と意気込んだ。

記者からの質問に照れる大谷亮平と笑う大原優乃

夜行の血を吸うという行為について、中田監督は「血を吸うというのは彼らにとって命をつなぐ行為でもあるので、本能的に吸わざるを得ない。その行為は本能に結びついているので、ラブシーンそのものとは言えませんが、近いニュアンスがあって。エロスというのは意識して撮りました」と。

大原、大谷、佐藤はすでに何度か吸血シーンを撮影したといい、大谷は「誰と今やり合っているのかはかなり大事ですね。相手によるという意味ではキスに近いのかもしれません」と明かす。

佐藤は「求愛行動という意味のある行動だったりするので、ただ単に喉が渇いて、その辺りの人のを吸うのとはまた違った感情だったり、吸い方、見せ方があるので、その使い分けは撮影していく中で勉強しながら頑張っています」と。

大原も「吸血するシーンになると特殊メイクをさせていただいていて、首元から頬にかけて血管が浮かび上がったり、目の色も変わったり、画的にもガラッと変わるので、芝居のスイッチも切り替えるといいますか、狂気的だけど美しく見えるように演じています」と裏話を語った。

3人の話を受け、中田監督は「いろいろ大変だったと思いますが、すごく頑張っていただきました。僕もそのあたりは要求度が高いので(笑)」と感謝を。

また旧知の仲である大谷について「あまり言葉を多く交わさなくても分かり合える。大谷さんが脱いで背中があらわになったときに、広い背中だなと。この背中についていこうと。頼りになる背中でした」と語ったところ、大谷から「この現場、映っていないときも脱がすんですよ(笑)」と笑顔でツッコまれていた。

演技初挑戦となる佐藤は「この役柄を決めるところからご一緒しているんですが、僕たちにイチから演技を教えてくださって。この前、中田監督とのラストシーンを撮り終えたときに『気を抜いていいわけじゃないけど、よく頑張ったね』と言ってくださって。そのときに、愛情をたくさん注いで僕たちを育ててくれたんだなとあらためて思いました。僕のことを息子って言ってくださって、監督でもあり、演技の父親でもあるような、僕たちにとって大切な存在です」と。

大原も中田監督の印象について問われると、「癒やされるんですよね。リハーサル期間に、中田監督が休憩時間にお昼寝をされていて、始まりますよって起こされていたことがあって。どんなに大変なときでも監督がいらっしゃると現場が和むので癒やされます」と現場でのエピソードを明かした。

ドラマ初出演となる龍宮城の俳優ぶりについて問われると、中田監督は「最初はたぶん彼らも不安だと思うし、実は僕も不安でした。誰を主人公にするかというところから始まり、プロデューサーにとことんリハーサルさせてくださいと頼んで。現場では試行錯誤できないことを伝えて、いざ初日を迎えて、彼らが自分たちの役柄をきちんと理解しているなと思ったんです。仲良しバンドのようで、実は仲良しじゃない。お互い引かれ合っている人もいれば、反目し合っている人もいて。彼らの間でも濃厚なエモーションの交わし合いもあるんですけど、リハーサルしながらあるいは脚本を読み込みながら、彼ら自身で初日から理解が高いなと思って、その時いけるなと思いました」と絶賛した。

なお、龍宮城の最新曲「SHORYU(→↓↘+P)」(読み:ショーリュー)が主題歌に決定。メンバーを代表して西田が「『SHORYU(→↓↘+P)』という楽曲は、ドラマで重要な存在である夜行とさまざまな登場人物たちの心の内というのを楽曲を通して表現しているので、ぜひ歌詞に注目して聞いていただければ」と楽曲に込められた思いを。

ドラマ出演に際し、龍宮城をプロデュースする女王蜂・アヴちゃんから何か声を掛けられたかという問いには、齋木が「まず心の心配をしてくださって。『演技は楽しいか?』など、優しい言葉をかけてくださったことがとても印象的でした」と。

竹内は「『演技をしていて楽しいと思うのは、たぶん自分じゃない人物になりきって演じていることが日頃の生活から離れることができて、とても楽しいんじゃないかな』という言葉をかけてくださいました。初めての演技、ドラマということで、不安ばかりで怖いなって思うこともあったんですが、その言葉を聞いてからは、現場に入ると監督の優しい言葉を聞いたり、役者の皆さんと話したりして、本当に楽しいと思えるようになりました」と話した。

米尾はアヴちゃんから演技指導をしてもらったことを明かし、「全員ではできなかったんですけど、エチュードみたいな感じでアヴちゃん先生にも教わって、表現していく中で音楽と少し近いところもあるのかなと思ったりしました。龍宮城はオルタナティブ歌謡舞踊集団ということで、とことん新しいことに突き進んでいきたいなと思うので、今回もこういう演技で新しい表現方法を学ぶことができてとてもうれしいです」と、さらなる高みを誓った。

『秘密を持った少年たち』制作発表会見

番組情報

金曜ドラマDEEP『秘密を持った少年たち』
日本テレビほか
2023年10月6日(金)スタート
毎週金曜 深夜0時30分~0時59分ほか
※初回は深夜0時40分~

配信:TVer、Huluにて毎話放送後配信開始

<キャスト>
佐藤海音 / 大原優乃 / 西田至 / 大東立樹
米尾賢人 / 冨田侑暉 / 竹内黎 / 伊藤圭吾 / 齋木春空
ゆいかれん / 橋本マナミ / 大谷亮平

<スタッフ>
監督:中田秀夫、桑島憲司、藤澤浩和
脚本:目黒啓太、杉原憲明、内平未央
主題歌:「SHORYU (→↓↘+P)」 / 龍宮城 (Sony Music Labels Inc.)
プロデュース:植野浩之、藤澤季世子
制作:佐藤貴博、道坂忠久
プロデューサー:山王丸和恵、森田美桜(AOI Pro.)、荒河七子(AOI Pro.)
制作プロダクション:AOI Pro.
製作著作:『秘密を持った少年たち』製作委員会

番組ホームページ:https://www.ntv.co.jp/deep-himitsusyonen/
番組X(Twitter):@deepfriday_ntv

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