萩尾望都『エッグ・スタンド』を「劇団スタジオライフ」が初の舞台化

エンタメ総合
2017年02月08日

劇団スタジオライフ『エッグ・スタンド』制作発表 男優のみの演劇集団「劇団スタジオライフ」が3月に上演する萩尾望都作品『エッグ・スタンド』の制作発表が行われた。

 第二次世界大戦中、ドイツ占領下のパリを舞台に、少年ラウル、ユダヤ人の娘ルイーズ、レジスタンスの青年マルシャンの3人が出会い、繰り広げられる物語。「Noirチーム」「Rougeチーム」のWキャストで上演する。

 ラウルを演じる2人は、「稽古していて、上質な古いフランス映画に自分が入り込んだよう。繊細な感情の機微を舞台上で表現できるように…」(松本慎也)、「懐かしい感じがして、これこそスタジオライフの原点だと。久しぶりで新鮮だし、難しいけどわくわくしながら取り組んでいます」(山本芳樹)と稽古の様子を語った。

 また脚本・演出の倉田淳から「キャストは、台本と原作漫画をふたつ並べて、ときには絵の瞳や佇まいを参考に稽古しています」と、萩尾ワールドの新作に真摯に挑む姿が明かされ、萩尾からは「倉田さんは今回も皆さんを冬のパリに連れて行ってくれると思います。感受性豊かな劇団員の方たちと倉田マジックで何か感じる舞台にしてくれると思います」と舞台へのエールが送られた。

『エッグ・スタンド』は1984年3月号「プチフラワー」にて読み切り100ページで掲載された作品で、萩尾望都作品集の中でも傑作の一つ。キャバレーの踊り子ルイーズと少年ラウル、レジスタンスのマルシャンが出会い、孤独を抱える三人の共同生活が始まる。その中でマルシャンとラウルは、ルイーズが二年前にドイツから逃亡してきたユダヤの血を引く者と知ることとなる。ルイーズの秘密に寄り添うように自分の秘密を打ち明けてゆく少年ラウル……それは少年が抱えるには、あまりにも重すぎる秘密だった!

 30年以上前に書かれた作品でありながら、今も色褪せることなく鋭く深く胸に迫ってくるこの『エッグ・スタンド』という作品を劇団スタジオライフの演出家・倉田淳が初の舞台化に挑む。

『エッグ・スタンド』
3月1日(水)~20日(月・祝) 東京・シアターサンモール
3月24日(金)~25日(土) 大阪・ABCホール

原作:萩尾望都『エッグ・スタンド』
脚本・演出:倉田淳

出演:
松本慎也・山本芳樹、曽世海司・久保優二、岩﨑大・笠原浩夫、
船戸慎士 奥田努 仲原裕之 宇佐見輝 澤井俊輝 若林健吾 田中俊裕 千葉健玖 江口翔平 牛島祥太 吉成奨人 藤原啓児

劇団公式スタジオライフ:http://www.studio-life.com/