北野武監督、フランス映画祭2017のオープニングセレモニーに登場

映画
2017年06月26日

126316_01_R 先日、都内でフランス映画祭2017が行われ、今冬に日本公開予定の映画『ルージュの手紙』の主演カトリーヌ・ドヌーヴが団長として、オープニングセレモニーと上映前舞台あいさつに登壇。また、フランス映画祭2017親善大使の北野武監督もオープニングセレモニーに登場し、フランス映画について語った。

 本作は、カトリーヌ・ドヌーヴと日本でも大ヒットした『大統領の料理人』の主演、カトリーヌ・フロというフランスを代表する2大女優の初共演で贈る話題作。監督・脚本は『ヴァイオレット-ある作家の肖像-』『セラフィーヌの庭』など女性を描くことに定評のあるマルタン・プロヴォが務める。

 オープニングセレモニーで、ドヌーヴは「25回目のフランス映画祭の団長を務めることができ、大変感動しておりますし、今年もフランスの映画を多く皆さんにお見せすることができます。今回11作品が選ばれていますが、そのうち4作品は女性監督のものであります。これは大変重い、意味があるものだと思います。また新しいことでもあり、私はこのチョイスに賛同いたします。多くの方々が来られたことに大変、うれしく思っております」と喜びを語った。

この日、フランス映画祭2017の親善大使として北野監督が登場。「僕にとってフランス映画は、ジャン・ギャバンから始まって、セルジュ・ゲンズブールとジェーン・バーキンの『ガラスの墓標』、それから大女優のカトリーヌ・ドヌーヴさんの『昼顔』『シェルブールの雨傘』などから影響を受けています」とドヌーヴの映画からも影響を受けたことを明かした。

 さらに、「最近は親子で楽しめる映画(が多く)、それもいいのですが、映画には観終わった後に恋人同士や友達同士で語り合ってお互いの見方を知っていく、そういう役目もあると思うので、その点ではフランスの映画は語り合うのに適しています。大女優さんと大監督がそろって、25回目を迎えられたことは本当におめでたいことですし、私もこの壇上で挨拶させてもらう事は非常に光栄に思っています」とフランス映画を称賛した。

 また、本作の上映前にドヌーヴは「皆さんを感動させ、また笑わせてくれる映画だと思います。人生について、命とは何かを語っている映画ですけれども、“いつもとはちょっと違う語り口”でその内容を伝えています。上映をお楽しみください」とファンにと呼びかけ、舞台あいさつは終了した。

『ルージュの手紙』
2017年冬、シネスイッチ銀座ほか全国公開。
監督・脚本:マルタン・プロヴォ
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、カトリーヌ・フロ、オリヴィエ・グルメ
配給:キノフィルムズ/木下グループ

<ストーリー>
パリ郊外、モント=ラ=ジョリーに住むクレール(カトリーヌ・フロ)の元に、何の痕跡もなく30年間姿を消していた血のつながらない母、ベアトリス(カトリーヌ・ドヌーヴ)から電話があり、重要で急を要する知らせがあるので会いたいと言われる。クレールは今でも、大事な父を捨てた彼女のことは許せなかった。父はその後、自殺をしてしまったのだ。真面目すぎるクレールと自由で人生を謳歌しているベアトリス。性格が全く違う二人だが、互いを受け入れ、ベアトリスの古い秘密が明らかになることによって失われた年月が埋まっていく。いつしかクレールは、ベアトリスの生き方に影響され人生の扉を少しずつ開きはじめる。

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