ピエール瀧、川栄李奈のヒール役を絶賛「バッチリ仕上がってました」

映画
2017年11月24日

『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』 アニメ『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』の舞台あいさつが行われ、日本語吹替版を担当するピエール瀧、川栄李奈が登壇した。

 ライカ作品『コララインとボタンの魔女 3D』の大ファンだというピエールは、日本語吹替版でクワガタ役を担当したことについて、「『コラライン』を観た当時、ストップモーションアニメの技術がここまで来たんだと感動していたんですけど、それから声優をやらせてもらえることになるなんて。ライカの一員になれてうれしいです。2つ返事でこの仕事を受けました!」と熱い思いを明かし、「ぜひ周りの人たちに勧めてほしい。仕事サボってでも観るべきだと思う!」と熱烈にアピールした。

 闇の姉妹役で初のヒールに挑戦した川栄は、そのダークな役をイメージさせる全身黒いドレスで登場。「私も『コラライン』が大好きだったので今回作品に参加できてうれしかったです」と喜びを語った。

 全編ストップモーションのため、1週間で3秒の映像を撮影する緻密な作業工程の本作。ピエールは「とんでもない努力から生まれた。画面の奥に写ってる人や物まで、全部に人の手が入っているんだというぜいたくな作品」とスタジオライカのクリエイターたちを称賛。またクワガタ役を演じるにあたり、「なるべくオリジナルのマシュー・マコノヒーの雰囲気を残し、自分なりの表現をいれていった」と明かした。

 川栄は、今回闇の姉妹役に挑戦するにあたり、その演技をひたすらに練習したそう。「オリジナルのルーニー・マーラさんのようにぞくっとするような話し方を練習しました。高笑いをするシーンは、普段から笑っていることが多いので得意だったかもしれません(笑)」と録音時を振り返った。さらに「せりふというよりも、戦うシーンの声の出し方がとても難しかったです。スタジオでたくさん指導していただきました」とその苦労を明かした。

 以前にも別の作品で共演している2人。川栄の闇の姉妹役に、ピエールは「前は親子役だったんですけどね。今回川栄さんが担当されると聞いて、へえと思ったんだけど、出来上がったものを観たらもうバッチリ仕上がってました。だって子供がこれ観て怖くて泣いたらしいですから(笑)」と川栄のハマりっぷりを熱弁。

 川栄からは、クワガタ役を演じたピエールに「役と変わらず、おちゃめで明るい人です。よくどこでも脱いでます(笑)」と過去のエピソードを披露した。

 さらに、ドラマや映画、CMなど幅広く活躍し注目されている川栄は、今後の女優としての目標を聞かれると「いろんな役でいろんな作品に出たいです。あとは、ホラーが好きなので、お化け役とかやりたいですね」と新しい挑戦への意気込みを語った。

 感動ポイントを聞かれると、ピエールは「一番感動するのは、人の手によって全部動かしながら少しずつ撮影されているということ。だからそういう意味で全カット全コマ感動しますよね。制作させてくれた人たちがいて、制作しようとするクリエイターたちがいるということが感動ポイントです」と、作品へのリスペクトを語った。

 川栄は「クボたちが船の上でご飯を食べるシーンなんですが、そこがグッときました」と明かすと「あれはアニメ史上一番良い刺身だった!」と同じく感動した様子のピエール。川栄も「日本の文化がとても緻密に描かれていて、細かく研究されている背景を聞いて、2回でも3回でも観たくなります」と作品への思いを語った。

 最後にピエールは「作品を観てもらいたいというより、ここまで人が努力して作り上げたものをスルーしてはいけない気がする。ぜひ1人でも多くの人に来ていただいて目に触れてほしいと思います」と観客へメッセージを送った。

 川栄も「日本の良さも作り手の愛も詰まっています。私たちも愛を詰めました。心が温かくなる映画です。2回でも3回でも観てほしいです」と。実際に使われたKUBO人形を手にし、ピエールから「落とすなよ!(笑)」とツッコまれつつ笑顔で撮影に応じ、イベントの幕は閉じた。

『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』
監督:トラヴィス・ナイト

日本語吹替版 声の出演:矢島晶子、田中敦子、ピエール瀧、川栄李奈、羽佐間道夫、小林幸子ほか

公式HP:http://gaga.ne.jp/kubo

<STORY>
三味線の音色で折り紙に命を与え、意のままに操るという不思議な力を持つ少年・クボ。幼い頃、闇の魔力を持つ祖父に狙われ、助けようとした父親は命を落とした。その時片目を奪われたクボは、最果ての地まで逃れ母と暮らしていたが、更なる闇の刺客によって母さえも失くしてしまう。追手である闇の魔力から逃れながら、父母の仇を討つ準備を進めるクボは、道中出会った面倒見の良いサルと、ノリは軽いが弓の名手のクワガタという仲間を得る。やがて、自身が執拗に狙われる理由が、最愛の母がかつて犯した悲しい罪にあることを知る―。

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