古舘佑太郎「言葉で説明できない衝動を感じてほしい」映画『いちごの唄』完成披露

映画
2019年06月05日

映画「いちごの唄」完成披露試写イベント 7月5日(金)公開の映画「いちごの唄」の完成披露試写イベントが行われ、古舘佑太郎、石橋静河、和久井映見、岸井ゆきの、峯田和伸、宮本信子、菅原伸太郎監督が登壇した。

 本作は、脚本家・岡田惠和と銀杏BOYZ・峯田和伸による同名小説を映画化した、一年に一度、七夕にだけ会える二人の青春ラブストーリー。主人公の二人を演じるのは、古舘佑太郎と石橋静河。共演には、宮本信子、和久井映見、光石研らベテラン勢と、清原果耶、岸井ゆきの、蒔田彩珠、泉澤祐希、恒松祐里ら人気若手俳優が集結。監督は、岡田脚本のドラマ『泣くな、はらちゃん』『ど根性ガエル』を手掛けた菅原伸太郎。

 古舘は「ただいま、大変緊張しています」と緊張した面持ちで語り「それもこれも、これだけたくさんのお客さまに集まっていただいたおかげです。ありがとうございます」と感謝した。

 古舘は、撮影前は「コウタという人間をどう演っていいか分かんなくて、何度も(役と)ケンカし、絶交宣言したこともありました」と振り返ったが、ヒロインの“あーちゃん”こと千日を演じる石橋と顔を合わせたことで「ガラッと変わって、『頭で考えるな! 感じろ!』ということを彼女に教えてもらいました。役としてだけでなく、僕も彼女のことを“女神”だと思っています!」と語った。

 石橋は「ありがとうございます」と照れつつ「私自身も不安だったんですが、(古舘が)コウタにしか見えず、チャーミングでユーモアのある動きをされるのがおかしくて、そこから2人の関係性が始まった気がします」と。

 峯田も、古舘=コウタそのままだと強調し「しゃべっている時に目を大きくして顔を近づけてくるところとか(笑)。インタビューでも古舘君は『僕はコウタとは違うんで』と言うけど、僕から見たら同じ」と断言した。

 宮本も「(衣装の)半ズボンが似合ってて、いまどき珍しいけど、すてきだなと思いました」と語り、コウタの母を演じた和久井は、以前、別のドラマで共演した際に見せたシリアスな様子とは一転して「目がキラキラして、表情がクルクル変わる古舘君を見て『どっちが本当なんだろう?』と思ってました」と優しく語った。

 以前から古舘をよく知る岸井は、10代の頃の古舘について「もっと尖ってて、怒っているイメージがあった」と証言したが、古舘は「10代の頃は尖ってて、20代になって大人になりました」と照れくさそうに釈明。共演陣からの“古舘評”に「自分じゃ分かんないです」「汗が止まんない!」と戸惑いを見せた。

 宮本は、本作を通じて自身の“初恋”を思い出したりしたことは?と尋ねられ「学生の時にちょっとすてきだなと思う先輩がいたりして、心臓がドキドキしたことは覚えてますね」と。

 その宮本から「あなたは?」と振られた峯田は「高校3年間、ずっと好きだった人がいたんですけど、ひと言もしゃべらず、廊下から見てただけでした。『今日も登校してるな』と」とほろ苦い恋の思い出を告白。このエピソードには続きがあるそうで「去年、初めて同窓会に行ったら(恋の相手が)いらして…」と明かし、そこで当時の気持ちを伝えたそうだが「『あなたのことが好きで、バイトしてた花屋も知ってて、見てました』と言ったら『それたぶん、私のドッペルゲンガーです』『花屋でバイトした記憶がないです』とか言われて、俺が見てたのは何だったんだ!」と語り、会場を笑わせた。

 峯田は、あらためて本作について「原作は小説で、足掛け3年くらいかかってこうして映画も完成して、無事に出産できてよかったなぁという気持ちです。岡田さんがお母さんで僕がお父さんで、岡田さんが身を削って生んでくれて『生まれた』と聞いて(産婦人科の)待合室で『あぁ、よかった!』みたいな気持ちです」と完成の喜びを語った。

 物語の中には銀杏BOYZの楽曲が取り入れられているが、峯田は「1曲1曲作っている時は、恋人とうまくいかなかったり、駅で別れて家まで歩いて帰ったときに見た景色が歌詞になっていたり、報われない時に曲が出来て、その時は寂しさを抱えてたりしたけど、それが数年たってまさか物語になって、皆さんに見てもらえるなんて…。いろいろ報われたなと思います」と。

 本作で長編監督デビューを飾った菅原監督も峯田の言葉に深くうなずき「(作品は)子供みたいなもの。すごくかわいいし、ちょっとブサイクなところもあるけど(笑)、それを皆さんがどう思うのか? 共感であったり、いろんな思いを持っていただけたら」と語った。

 最後に古舘は「僕が最初に銀杏BOYZを聴いたのは15歳の時。何も説明できないけど『うわっ!』という感情がこみ上げてきて、部屋でひとりで大暴れして本棚を倒したりしました。僕が思う青春って説明できない感情が爆発するもので、僕はそれを銀杏BOYZに教わりました。皆さんにとっても言葉で説明できない衝動を感じていただけたらうれしいです」と呼びかけた。

「いちごの唄」
7月5日(金)より新宿ピカデリーほか全国ロードショー

<出演>
古舘佑太郎 石橋静河
和久井映見 光石研 清原果耶 小林喜日 大西利空
しゅはまはるみ 渡辺道子 ポール・マグサリン 山﨑光
蒔田彩珠 泉澤祐希 恒松祐里 吉村界人 岸井ゆきの
峯田和伸 宮本信子

<スタッフ>
監督:菅原伸太郎
原作:岡田惠和・峯田和伸「いちごの唄」(朝日新聞出版)
脚本:岡田惠和
音楽:世武裕子・銀杏BOYZ
主題歌「いちごの唄」(歌:銀杏BOYZ)
製作:「いちごの唄」製作委員会
製作プロダクション:ファントム・フィルム
配給:ファントム・フィルム

公式サイト:ichigonouta.com
twitter:@ichigonouta
instagram:ichigonouta.movie

©2019「いちごの唄」製作委員会

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