テーマは「“今”の飯」10・14放送『ウルトラハイパーハードボイルドグルメリポート』見どころを紹介

エンタメ総合
2019年10月13日
『ウルトラハイパーハードボイルドグルメリポート』

 『ウルトラハイパーハードボイルドグルメリポート』(テレビ東京系)が10月14日(月)に放送。収録を取材したTL記者が見どころを紹介。

 この番組は、2017年10月に第1弾が放送され、その後も第2弾、第3弾の放送も大きな反響を呼び、今年7月には2時間スペシャルとしてゴールデン帯で復活。今回、次回作を望む声に応えて最新作の放送が決定した。

 第5弾となる今回は、「“今”の飯」をテーマに、大規模なデモが行われている香港や、エーゲ海を臨むギリシャ東端の小さな島に生まれたヨーロッパ最大の難民キャンプを訪れ、そこに暮らす人々に密着取材。彼らはどのように生き、何を食べ、何を思うのか。

 1か月前に15人乗りのボートに45人以上が乗せられて、合計13隻も漂着したギリシャの難民漂着飯&密航ブローカー飯。トルコから9キロ、ギリシャの東端にあるレスボス島は、元々の人口約8万人に対し、2015年以降に移り住んだ難民・移民は約7万人という、島民の人口とほぼ変わらない人がおり、ヨーロッパ最大の難民キャンプとなっている。

 3000人対応の施設に1300人収容しているほか、テントが足らず次々に新しいテントが立つなどの過密状態。その中で、問題なく暮らせるわけもなく、さまざまな問題が起こっている。そしてついに不満が爆発し、難民たちが警察を襲撃する事態に。

 難民キャンプで印象的だったのは、ご飯を見せてくれた18歳の男性。8か月前に同郷の10人と漂着したという彼は、3時間並び食事をもらうが、8人は食べて、2人は残すなどし、常に食料のストックがしているという。

 そんな彼は、支給されたチキンライス(豆が入ったご飯の上にチキンが乗っているもの)を笑顔でディレクターに勧め、そのあと「今幸せ?」と聞かれても、「同じキャンプに彼女がいて、いつか一緒にドイツに行くのが夢なんだ」とはにかみながら話していたこと。

 それと、家族の体調が悪く助けてほしいと番組スタッフを自分たちが住むキャンプに連れていき、「ここは危険な場所。助けてほしくて来たのに…。ここにいるなら死にたい」と涙ながらに訴えた母親。

 これには小籔千豊さんも「これは苦しいな」とつぶやくほど。目の前で「助けてほしい」と言われても助けることもできず、ただ見守るだけ…。

 取材中も、ボートが漂着。着いたばかりの人たちは何を食べるのか。無事に漂着した人は、一時収容キャンプへ。到着した時間によっては、朝ご飯を食べられずお昼からになることも。

 衝撃的だったのは、着ているライフジャケットはきちんとした救命用具ではないというのと、エンジンに描かれているメーカー名が日本企業っぽい名前だったこと。

 ライフジャケットは、自分たちで用意するそうだが、売られているお店が用意したものが、ただのビニールだったり、子供用はプールで使うものだったりということが。もし本物ではないと発覚しても、その時は既に着けている人は亡くなっているという…。

 そして、漂着して初のご飯(レバノンのパンに豆とオリーブ)を見せてくれた家族のお父さんが「子供の未来のために難民になることを選んだ」という言葉。

 アフガンからイランに移住したという家族だったが、イランで難民が暮らすのが大変で、さらに稼ぐためにシリアに行き戦う…。何度も誘われたが乗らなかったという。

 番組スタッフは、難民たちが密航するために船の手配などをするブローカーにも接触。船を出すという場所を見ると、洋服などの荷物からライフジャケット、警察に壊されたエンジンの破片などが…。

 分かりやすく密航について教えてくれた男性は、トマトとピクルス、チーズを挟んだトーストを食べながら、ブローカーになった理由などを語る。

 「この仕事好きですか?」という問いに「ただ好きだよ」と返すも、「犯罪では?」という投げかけに「何だって犯罪なんだよ…」と。「赤信号を渡るのだって犯罪だろ?俺は自分が悪いことをしているなんて全く思っていない。悲惨な状況から逃げてきた客は、新しい人生を必要としている。だからここで手助けをしている」と。また「高いお金をもらっているから、絶対に成功させないと…」という言葉も印象的だった。

 ただのお金稼ぎだけではなく、同じ人間をどうにか助けてあげたいという気持ちから出ているけど、やっていることは犯罪。…難しい問題だ。

 そして、日本でも連日ニュースになっているデモ中の香港へ。小籔も「今もゴリゴリ(デモが)起きているときに行っているのか。よく行きはったな!」と。それもそのはず、ある街の路地では、デモ参加者が街中のゴミ箱や信号機を破壊したり、駅の入り口を封鎖したり…。そこへ警察部隊が現れ、「催涙弾を投げる」という予告をするという攻防が。

 そんな街で見つけたご飯は、街で偶然出会ったおじいさんの「デモ無関係飯」。しかし、これまた考えさせられる。デモには参加しないというおじいさんだが、「これからは若い人たちの時代。僕は国が良くなろうが、悪くなろうが、その時にはいないから…」と。見放したようにもとらえられるコメントだが…おじいさんなりの考えもあるのかと。

 そして、デモに参加している男性に接触。フルマスクとゴーグルなど顔を隠すことと、声を変えることで出演を許可した男性が紹介したのは、取材場所の大学の学食にあるチキンライス。食べながら、なぜデモをしているのかなどを語る。

 実際に参加している方の話を聞くと、ニュースで見ているときと違う考えがくる。小籔さんもおっしゃっていたが、「ニュースだけが全部じゃない」というのと、自分が知らない世界はたくさんあるんだなと感じた。

 今回もかなり真面目な内容で、かつもっと世界で起きていることを知りたいと思うことばかり。あっという間の1時間24分。未来を担う若い世代にも、映像の一つひとつを見逃さずに見てほしい。

『ウルトラハイパーハードボイルドグルメリポート』
テレビ東京系
10月14日(月・祝)後10・00~11・24

©テレビ東京