全員悪人!?唐沢寿明『あまんじゃく』に山中崇、中村俊介、松本若菜ら

ドラマ
2020年03月18日
『あまんじゃく』

 3月30日(月)放送の『ドラマスペシャル「あまんじゃく 元外科医の殺し屋 最後の闘い」』(テレビ東京系)に、山中崇、中村俊介、松本若菜らが出演することが分かった。

 本作は、唐沢寿明演じる元外科医の殺し屋・折壁嵩男が法で裁けない悪人を成敗しながら、生死を懸けた闘いを繰り広げ、現代医療の狂気を鋭くえぐるクライム・サスペンス。

 今回発表されたのは6人。嵩男に依頼する元料理人の宗村将史を金田明夫、悪徳料理評論家・三波正昭を大鷹明良、ある組織の戦闘要員・比留川茂を山中崇が演じる。

 また闇金融の借金取り・椙山啓介を中村俊介、内科医・梶睦子(木村多江)の紹介だという依頼人・椙山絵麻を柴本幸、嵩男に近づく謎の美女・煮雪梨花を松本若菜、睦子の息子・梶優雨を高橋來が演じる。

<田淵俊彦プロデューサー コメント>

ギリシャ神話の智慧の神プロメテウスが、炎の神ヘパイストスの竈から火を盗み出し人間に与えたことで、人間は多くの文明や技術を産み出した。しかし、同時に人間は火で武器を作り、戦争を始めるようになった。平和でもめごとがなかった人間界は急変して悪にまみれ、年がら年中いざこざや争いごとが起こるようになったのだ。以来、世の中には「善と悪」「清と濁」が混在する。そんな当たり前のことが分からなくなるほど、現実社会には「虚と実」が忍び込んでいる。一体、何が悪で何が正義なのか。今、私たちはそういった「悪の真理」を深く読み解くべき時にいるのではないか。
ソクラテスは言った。「誰ひとりとして悪を欲する人はいない」。ギリシャ語の「善」という言葉には道徳的な意味合いはない。「自分のためになる」という意味だけだ。何と独善的な言葉だろうか。逆に、「悪」とは「何のためにもならない」という意味だ。
盗人は自分のために必要なものだから盗むのだから道徳的には間違ったことはしていないというのだ。このパラドクスを見ても、「善と悪」が如何に主観的な感覚かが分かるだろう。
私は『あまんじゃく』はそんな哲学的思想にあふれた作品だと思っている。今回の「悪」は、そんな私の思いを代弁していただける方々に演じていただきたかった。そして大ベテランの金田明夫さんをはじめとして、大鷹明良さん、中村俊介さん、柴本幸さん、山中崇さん、松本若菜さんという私が信頼する実力派の皆さんにお願いすることがかなった。その演技は迫真に満ちていて、「果たして主人公の唐沢寿明さんが立ち向かうことができるのだろうか」と思えるほどの、見事な「悪人」像が出来上がった。さすがである。彼らの誰が悪人で、誰が善人なのか?誰が嘘をついていて、誰が真実を語っているのか?そして誰が間違っていて、誰が間違っていないのか?視聴者の皆さんはそのパラドクスに悩むことだろう。しかし、それはきっとテレビの前での楽しい作業になるに違いない。

<あらすじ>
折壁嵩男(唐沢寿明)は、元は優秀な外科医だったが、今は相棒の弁護士・横倉義實(橋爪功)から殺しの依頼を受け、法で裁けない悪人を闇へと葬り去る殺し屋だ。この日の依頼人は元料理人・宗村将史(金田明夫)。ターゲットは三波正昭(大鷹明良)という悪徳料理評論家である。三波はかつて、宗村の娘・亜子を罠にかけ凌辱し、自殺に追いやった過去がある。嵩男は宗村の依頼を受けることに。そして嵩男は、三波の愛人・煮雪梨花(松本若菜)に近づく。彼女を利用して三波を徹底的に追い詰め、最後は完璧に抹殺する嵩男。そんな中、世間では優秀な人間の死体から心臓や脳が抜かれるという、奇妙な事件が立て続けに起きていた――。
一方、三波の暗殺計画を進める嵩男の元に、さらなる殺人依頼が来る。嵩男のかつての恋人・梶睦子(木村多江)の紹介だという椙山絵麻(柴本幸)が、DV夫・啓介(中村俊介)を殺してほしいというのだ。
さらに嵩男は妻・千代乃(大場久美子)の難病に悩む恩師・名和潤造(野口五郎)とも偶然に再会する。運命の糸に手繰り寄せられるように予期せぬ出来事が続く。そしてそれは、やがて思いもかけない巨悪の存在につながっていく。
人類の領域を超えた科学を悪用して、世界を変えようとする巨大組織。組織の戦闘員の比留川(山中崇)に息子をさらわれた嵩男は、我が子を救い出すため、これまで対峙したことのないこの強大な敵に立ち向かう決心をしてアジトに潜入する。しかし、それは同時に、自らの命を懸けた闘いを覚悟することに他ならなかった。現代医療の狂気を鋭くえぐる、クライム・サスペンス。シリーズ最狂にして、最後の幕が上がる。

ドラマスペシャル
『あまんじゃく 元外科医の殺し屋 最後の闘い』
3月30日(月)
テレビ東京系 後9・00~10・48

原作:藤村いずみ
脚本:泉澤陽子 監督:木村ひさし
出演:唐沢寿明、木村多江、橋爪功
ゲスト出演:野口五郎、金田明夫、大鷹明良、山中崇、中村俊介、大場久美子、柴本幸、松本若菜、高橋來

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