冷静なファルコンと直感タイプのウィンター・ソルジャーの関係性に変化が?『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』

エンタメ総合
2021年04月23日

ディズニープラスにて現在配信中のマーベル・スタジオ最新ドラマシリーズ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』が、2021年4月23日(金)に最終話が配信される。ディズニープラス史上最も視聴されたドラマシリーズとして、全世界でNo.1初週視聴数を記録。さらに、日本でも映画作品も含めた全コンテンツの中で歴代No.1の初週3日間の視聴数を記録している。

本作で特に配信前から注目を集めていたのがファルコンとウィンター・ソルジャーのコンビ。最初は予想どおりお互い分かり合えないと言い合いばかりだったが、ストーリーが進むにつれて、その関係にも表面だけでは分からない変化が表れている。脚本家のマルコム・スペルマンが「2人はちょうど火と氷のよう。サムは本能で自発的に行動するタイプですが、バッキーはもっと冷静で計画的」と語るように、真逆の性格の2人が、ジョン・ウォーカーやジモ、カーリといった周囲の影響もあり、ようやくお互いをパートナーとして認められるような関係になっており、視聴者からも二人のコンビに注目がさらに集まっている。最終話を前に2人の関係性を振り返る。

第1話では、2人がそれぞれ苦悩する姿が描かれた。ファルコンは家庭の問題に加えて、黒人である自分がキャプテン・アメリカの盾を受け継ぎヒーローの象徴となることを思い悩み、ウィンター・ソルジャーは自分が洗脳されて暗殺者として多くの人を手にかけた過去と向き合っている。しかし、ストーリーはファルコンが盾を博物館に寄贈したことから動き出す。ファルコンは黒人である自分が象徴にはなれないと思っているため自分に盾の存在が重すぎると考えていた一方で、ウィンター・ソルジャーはキャプテン・アメリカから直接受け継いだファルコンこそ、盾を持つべき人間だと反発。ファルコンの悩みを知らずにウィンター・ソルジャーは何度も「なぜ盾を手放したのか」と問いただし、ファルコンは「今さら取り返せというのか」と現実を見ないウィンター・ソルジャーにイライラで、お互いに歩み寄る気配はない。ついにはカウンセラーの前で大人げなく言い合いまでしてしまう。

しかし、ファルコンが博物館に寄贈したはずのキャプテン・アメリカの盾は、政府によって二代目キャプテン・アメリカであるジョン・ウォーカーの手に。突然現れたニューヒーローだが、ファルコンとウィンター・ソルジャーはジョンを全く信用しておらず、目の前に現れても2人は仲間とは認めない。なにかと小競り合いをしていた2人だが、ジョンに対してはまるで共有の敵を目の前にしたかのような連帯感を持っており、お互いの感情が分かるからこそを理解してジョンから離れていく。意見がぶつかることが多いものの、お互いの過去を知っているからこその信頼性だということが伝わってくる。

盾をめぐっての小競り合いが続くものの、ファルコンがフラッグ・スマッシャーズを追っていると聞いて勝手についていくウィンター・ソルジャー。しかし2人の前に現れたのは超人血清を使った戦士たち。そこで血清の情報を手に入れるためウィンター・ソルジャーは『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』でベルリンの刑務所に収監されていたジモの元へ向かう。ソコヴィアの軍人だったジモなら超人血清についての情報を持っていると考えたウィンター・ソルジャーは、勝手にジモを脱獄させてしまうのだ。この行動にはさすがにファルコンも激怒。しかし、ジモによって超人血清の情報がマドリプールにあることが分かり、さらにチャーター機や潜入のための変装までジモが用意すると、ファルコンも一緒に行動することを認めざるを得なかった。

ファルコンが独自で動いたのは義賊として活動しながらも徐々にその過激さを増していくフラッグ・スマッシャーズのリーダー、カーリとの接触。超人血清を手に入れ、救いを求める人たちのために活動しているというカーリの活動に対してファルコンは理解を示す。一方で、「君の戦いには賛同している。戦い方に反動しているだけだ」と、彼女の考え方が、彼女自身が一番嫌っている至上主義者の主張と同じだということを気づかせる。弱い人を助けたいと活動するカーリと、アベンジャーズでありながら黒人で何の権利も持たないファルコンは立場が違えばお互いが分かり合えた存在であったのは確かだ。普段は直感ですぐ行動するウィンター・ソルジャーも、ファルコンの立場が分かるからこそカーリとの交渉を彼に任せていた。2人は行動を共にすることによって徐々にお互いの立場や考え方を理解し始める。

ジョン・ウォーカーの件で再び盾はファルコンの元に。相変わらず盾を持つことを悩むファルコンだが、徐々にファルコンの立場を理解し始めたウィンター・ソルジャーは、初めて彼の立場を思いやる言葉を口にする。しかし盾はウィンター・ソルジャーにとって家族同然であり、ファルコンが手放したと知った時に喪失感を感じたことも正直に語る彼に、ファルコンは「自分が何者かは自分で決める」と、初めて盾を自分の手にする決意を語る。その一方で過去の悪夢から逃れられないウィンター・ソルジャーに対して「自分を救うためではなく、相手の力になってやるんだ」とアドバイスを送り、初めてお互いをパートナーとして認め合う。ただし、素直になれない2人は“あくまで仕事上”の“ただの2人”ということで決着を見るが、これで自他ともに認める“相棒”となった。

最終話を前にようやくパートナーとしての関係性を作り上げた2人。しかし事態はフラッグ・スマッシャーズだけでなく、キャプテン・アメリカとしての活動をはく奪されたジョン・ウォーカーの暗躍も関わってくるようで、まだまだどんな展開を見せるのか全く予測不能!最終話で2人は一体どんな結末を迎えるのか。


『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』
監督:カリ・スコグランド(『パニッシャー』『ウォーキング・デッド』『ハウス・オブ・カード 野望の階段』エピソード監督)
脚本:マルコム・スペルマン(『マイ・ファミリーウェディング』)
出演:アンソニー・マッキー(ファルコン役)/セバスチャン・スタン(ウィンター・ソルジャー役)/ダニエル・ブリュール(バロン・ジモ役)

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