福士加代子が校了ぎりぎりまでこだわった著書『福士加代子』の出来に太鼓判「目指すは100万部!」

エンタメ総合
2022年03月15日

福士加代子

1月に行われた大阪ハーフマラソンで現役最後のレースを終え、2月に自らの競技人生を初めて語った著書『福士加代子』を出版した福士加代子が、カンテレ本社で取材会を行った。

オリンピック4大会に出場するなど20年以上も陸上界を牽引してきた福士。カンテレは17年間にわたりドキュメンタリー取材で福士に密着を続け、福士もカンテレ主催の「大阪国際女子マラソン」で過去6度走るなど両社の縁は深い。リラックスムードで登場した福士は取材会冒頭、「本を書きました。売りたいのでよろしくお願いします(笑)」といきなりの福士節で笑いを誘った。

引退から1か月半がたち、生活や気持ちの変化については「特に変わりなく、今日もジョギングしてきました。もっと寂しくなるかと思ったのですが、そんなに寂しいということもなく、楽しく過ごしています。そこまでストイックな食事制限をしていたわけではないので、その点もあまり変わりなく。ただ、最近は動かないときは本当に動かないので、練習をしていたころの方が血のめぐりがよくて、いいスポーツをしていたなとあらためて思っています」と。気になる引退後の生活については「ワコールの社員なので、毎日ではないですが9時に出勤して5時半ごろまで働いています。会社に行けば大体面白いことがあるので充実しています。現役を引退してからの方がやることが多くて、時間が経つのが早いです」と会社員生活を満喫している様子。

自伝本出版の経緯についても明かし、「3、4年前、いろは出版の社長とご飯に行ったときに『本を作ろうか』みたいな話になって。その場のノリで終わるのかと思っていたら、引退が見えてきたころ、『そろそろ作ろうか』と言われて、『ほんとに書くんだ!』って(笑)」と当初は真に受けていなかったという。だが、自身の名前がそのままタイトルになったことについては「気に入ってます!」とニッコリ。「最初は『丸裸』みたいなイメージだったんですけど、出来上がってみると内容も本当に『福士加代子』だなと。書いていくうちに自分の中でいろんなことが整理できました。誰かに何かを伝えたいというより、自分の本だなって思います。気が向いた人に読んでもらえたら」と福士らしさ全開で自著をPRした。

福士加代子

本書には所属チームの監督や社長、友人、先輩、後輩などが福士に寄せたメッセージも収められており、その中でも印象に残ったメッセージについて聞かれると「田中希実ちゃんのメッセージは、そこまで真剣に考えてくれてるんだということが分かってうれしかった」と福士。「彼女は言葉にするのが上手なので、『私、そういう風に言いたかったんだ…』ということが分かって、自分の考えが整理できました。田中先生ですね(笑)。最初は後輩にメッセージをお願いしたら、言わされてる感が出るんじゃないかと思って『ほんとにやめて』って言ってたんですけど、じゃんじゃん載せてもらってよかったです」とうれしそうに語った。

長く現役として活躍できた秘訣についての質問が飛ぶと、「怪我のせいにしてしっかり休んだからですかね。『怪我なんだからしかたない』と悠々と休んだおかげで、違う部分が見えてきました。いろいろな人にも助けてもらいました。怪我が治った後の練習も無理して多くすることはなかったです。『怪我したんだから、最初は10分でいい』って感じで。そのおかげですね。怪我の度に、新しい体の使い方が分かってくるのも楽しかった」と“けがの功名”だったと明かした。

本書のあとがき前の「加代子のタイムカプセル」の章では、「ちょっとでもニュアンスが違ったら嫌なので」と校了ぎりぎりまでこだわり続け書き直したと本に懸ける思いも明かしつつ、「本当に素直に書きました。監督や先輩後輩、いろいろな方にいろいろな切り口で書いていただいて、助かりました。ありがとうございました。とっておきの福士加代子が入っているので、ぜひ、手に取ってみてください!」とアピールした福士。『福士加代子』は初版7,000部、3,000部増刷され、現在1万部を突破しているが、「目指すところは100万部! 前に10万部って言いました?(笑)10万より100万の方がいいじゃないですか」と朗らかに笑って会見を締めくくった。

福士の想いが詰まった著書『福士加代子』は、いろは出版から1,650円で販売中。