宇野昌磨、坂本花織、紀平梨花ら精鋭ぞろいの日本チームが決意表明「フィギュアスケートグランプリシリーズ2022」記者会見

エンタメ総合
2022年10月10日
「フィギュアスケートグランプリシリーズ2022」記者会見©テレビ朝日

10月9日に「フィギュアスケートグランプリシリーズ2022」の記者会見が開催され、「グランプリシリーズ」の出場選手から宇野昌磨、佐藤駿、坂本花織、河辺愛菜、紀平梨花、小松原美里&小松原尊が登壇した。

オリンピック、世界選手権と並ぶフィギュアスケートの世界三大大会「グランプリシリーズ/ファイナル」。選手たちが世界6か国で行われる「グランプリシリーズ」を戦い、その成績上位者6人のみが「グランプリファイナル」に出場。世界一の座を争う。

さらに今回は、2020・2021年はコロナ禍で中止となった「グランプリファイナル」が、2006年に荒川静香が金メダルを獲得したイタリア・トリノの五輪会場で3年ぶりに開催される。

北京五輪の戦いが終わり、新たな4年間のサイクルに入ったフィギュアスケート界が次に見据えるのは「2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪」。果たして、次なる金メダル候補は誰になるのか。新たな4年間の始まりを告げる「グランプリシリーズ」の行方から目が離せない。

そんな熱き氷上決戦の開幕を目前に控えた10月9日、日本を代表する出場選手たちが記者会見に出席。番組メインキャスターの松岡修造、荒川静香(特別解説)、織田信成(解説)も見守る中、宇野昌磨、佐藤駿、坂本花織、河辺愛菜、紀平梨花、小松原美里&小松原尊が意気込みを語った。

宇野昌磨

それぞれ北京五輪で銅メダル、今年3月の世界選手権では金メダルを獲得した宇野と坂本。まず、宇野は「スタート」をテーマに掲げ、「自分が満足できる昨シーズンを送ったからこそ、もう一度ジュニアからシニアに上がったときのような気持ちで“成長”にフォーカスを当てながらスタートしていきたい。選手みんなけがのないように、練習してきた成果を試合で皆さんに見せられるように、全力を尽くしたいと思います」と、意欲をみなぎらせる。

いっぽう、今シーズンからショート・フリーともに振付師も一新した坂本は、「チャレンジ」がテーマ。「気持ちを新たに切り替えて、いいスタートが切れるようなシーズンにしたいです。まだまだ自分自身やりたいこともたくさんあるので、チャレンジ精神旺盛のまま、頑張っていきたい」と、清々しい笑顔を浮かべた。

自身初のグランプリファイナル制覇を目指して心機一転、さらなる高みを目指すことを誓った2人。真摯かつ頼もしい世界チャンピオンの言葉に、松岡&荒川&織田も心を打たれっぱなしの様子だった。

いっぽう、3年ぶりに「グランプリシリーズ」出場を果たす、2018年のグランプリファイナル女王・紀平も前を向く。トリプルアクセルを武器に日本女子のエースとして好成績を残してきたものの、昨シーズンはけがの影響もあって試合に出場できなかった紀平。だが、その間に大きな財産を得たという。

「昨シーズンは、もし普通のシーズンを送っていたら経験ができなかった学びがすごくたくさんありました。自分の中で追い込みすぎず、柔軟な考えができるようになってきました」と明かし、「学びを活かす」をテーマに復活宣言。「まだ状態的には、完全復活を目標には挙げられないかなと思います」としながらも、しっかりとした口調で「復活を目指して頑張りたい」と話し、会見場を沸かせた。

紀平梨花

さらに、佐藤は「安心・安全・安定」、河辺は「ベストな演技をして表彰台を目指したい」、アイスダンスの小松原美里&尊ペアは「自己ベスト更新」と、それぞれ今の己と向き合った末に見いだした目標を掲げ、きたる「グランプリシリーズ/ファイナル」への闘志をにじませた日本チーム。精鋭たちの高ぶる思いと、熱き戦いぶりに注目だ。

なお、上記のほか、「海外遠征の“相棒”」や「4年前と比較して成長した部分」など、会見で語られた各選手のコメント全文は次ページに掲載。

宇野昌磨 コメント

◆大会への意気込み

僕のテーマは「スタート」です。自分が満足できる昨シーズンを送ったからこそ、もう一度ジュニアからシニアに上がったときのような気持ちで“成長”にフォーカスを当てながらスタートしていきたいです。
そんな中、昨日の「フィギュアスケート ジャパンオープン2022」では、イニア・マリニン選手と同じ試合に出られてよかったなと思っています。あらためて新たな目標となる選手が現れ、置いていかれないようにもっと成長していきたいと強く思える試合になりました。
今シーズンは選手みんなけがのないように、練習してきた成果を試合で皆さんに見せられるように、全力を尽くしたいと思います。これからもよろしくお願いします!

◆海外遠征の“相棒”は?

去年1年間履いた「スケート靴」。去年調子がよかったのは、このスケート靴の影響が8割以上を占めていると思っています。もはや“体の一部”だと思っています。

◆今シーズンのプログラムで最も好きな瞬間は?

僕が最高だなと思うのは、練習してきたことが試合という大きな舞台で成し遂げられた瞬間です。そして、周りの人たちが僕の結果に喜んでくれている姿を見るのが「スケートをやっていてよかったな」と、一番うれしく思う瞬間です。

◆4年前を振り返って、「北京オリンピック」を目指していた頃の自分と、「ミラノオリンピック」を目指す今の自分を比較して、成長したところや一番変わったと思うところはありますか?

「平昌オリンピック」のときは、突っ走っていい結果を残すことができました。ただ、そこからの4年間にはいろんなことがあり、つらい思いといいますか、うまくいかない時期も長かったんです。そんな中でも、「北京オリンピック」のあった1年は成長し、いろいろなものを得られた年だと思います。今は4年という区切りではなく、まずは今年1年を自分が成長できるシーズンにしたいと思っています。

佐藤駿 コメント

◆大会への意気込み

僕のテーマは「安心・安全・安定」です。見ている皆さんに安心していただけるような演技をしたいということと、僕に足りないのは安定感だと思っています。なので、今シーズンは安定感のある演技がしたいです。そして、けがで昨シーズンは思うように送れなかったので、1シーズンを通してけががないように…という思いも込めました。

◆海外遠征の“相棒”は?

「パンダのティッシュケース」。小さい頃から、試合には必ず持って行くようにしています。なぜだか分からないんですけど、このパンダを見ると落ち着くというか、「頑張ろう!」という気持ちになるんです。

◆4年前を振り返って、「北京オリンピック」を目指していた頃の自分と、「ミラノオリンピック」を目指す今の自分を比較して、成長したところや一番変わったと思うところはありますか?

4年前、オリンピックは“夢のまた夢”でした。今も夢ではあるんですが、ここからの4年間は、僕にとって人生で一番大事な時期かなと思っているので、けがに気をつけながら自分自身満足のいくシーズンを送れるように頑張りたいです。

坂本花織 コメント

◆大会への意気込み

「チャレンジ」です。今シーズンはショートもフリーも振付師さんが新しくなりましたし、4年の節目を終えて次に向かう第一歩となるところなので、気持ちを新たに切り替えて、いいスタートが切れるようなシーズンにしたいです。まだまだ自分自身やりたいこともたくさんあるので、チャレンジ精神旺盛のまま、頑張っていきたいなと思っています。

◆海外遠征の“相棒”は?

「枕」。適当に買った枕ですが(笑)、ちょっと低反発になっていて、めちゃくちゃ気に入っているんです。高さも私にとってベスト。毎回持って行き、少しでも体の負担を減らして試合に挑めるようにしています。飛行機に長時間乗るときも機内に持ち込みます。ちなみに、カバーのイラストはラプンツェルです。

◆今シーズンのプログラムで最も好きな瞬間は?

練習からノーミスを続けて、試合でもしっかり最後のジャンプが決まって、最後のポーズをした瞬間が一番うれしい気持ちになります。その瞬間からいつも記憶が飛ぶというか…点数が出てキス・アンド・クライから降りるまで「うれしい!」という気持ちだけなので、点数も画面から消えたら忘れちゃうくらいなんです。とにかく「やり切った!」と思えた瞬間が一番うれしいです。

◆4年前を振り返って、「北京オリンピック」を目指していた頃の自分と、「ミラノオリンピック」を目指す今の自分を比較して、成長したところや一番変わったと思うところはありますか?

「北京五輪」までの4年間は「がむしゃらにやればできる」という気持ちだけでやってきたのですが、これからの4年はそういう気持ちだけではできない部分も大きくなってくる。年齢も重ね、体も大事にしなければいけないと思うことが多いので、自分を大事にしながら成長していけたらなと思っています。

河辺愛菜 コメント

◆大会への意気込み

「ベストな演技をして表彰台を目指したい」。去年のNHK杯では表彰台に乗ることができてすごくうれしかったのですが、カナダ大会ではボロボロだったので、今回は2戦とも自分の納得のいく演技をして、海外でも戦える選手になれるように頑張ります。

◆海外遠征の“相棒”は?

「(くまの)プーさんのティッシュケースと嵐のバッグ」です。ティッシュケースは小学生のときにお母さんに買ってもらって、そこからずっと試合のときには使っています。バッグはCDなどをリンクサイドに持っていくときに入れています。ティッシュケースはあると落ち着くので、いつも持っていますし、嵐のバッグはお守りです!

◆4年前を振り返って、「北京オリンピック」を目指していた頃の自分と、「ミラノオリンピック」を目指す今の自分を比較して、成長したところや一番変わったと思うところはありますか?

4年前はまだノービス(=11歳から13歳の選手が出場するジュニアよりも下の年代の大会)が終わるくらいの年だったので、「オリンピックに出たい」なんて、そんなにしっかりと考えたことがありませんでした。4年経った今はオリンピックがしっかりとした目標になっていて、絶対に出たいという強い気持ちに変わったかなと思います。

紀平梨花 コメント

◆大会への意気込み

「学びを活かす」です。今回はまだ状態的には、完全復活を目標には挙げられないかなと思います。でも昨シーズンは、もし普通のシーズンを送っていたら経験ができなかった学びがすごくたくさんありました。自分の中で追い込みすぎず、柔軟な考えができるようになってきましたし、いろいろな学び方があるんだなと思うようになりました。そんな“今までになかった学び”が見ている方にしっかりと伝わるような演技を目指し、応援してくださる皆さんの期待に応えたいです。そして、喜んでもらえるような成績を出すためには、まず健康。そこを忘れずに、復活を目指して頑張りたいと思います。

◆海外遠征の“相棒”は?

「マットレス」。今回はカナダにアパートを借りているので、そこにも持って行っています。海外のものは柔らかいものが多く、眠りが浅くなって練習の調子も悪くなってしまうので。眠りは大事にしています。

◆昨シーズン、ケガをしたときに支えられた人や言葉はありましたか?

家族やファンの皆さんに支えられました。私の中ではかなりガックリきたシーズンでもあったのですが、家族はまったくそれを気にしていないような明るさだったので、楽しく過ごそうという気持ちが芽生えてきました。「けがをしても、できることをすればいいや」とふっ切れたのは家族のおかげだと思うので、すごく感謝しています。もちろん、それでも後ろを向いてしまうときは、たくさんありました。そういうときSNSを開いたら定期的にファンの方がコメントをくださっていて、「みんなが待ってくれている!」と実感しました。あきらめず、前向きに戻ることができたのは、皆さんのおかげだなと思っています。

◆4年前を振り返って、「北京オリンピック」を目指していた頃の自分と、「ミラノオリンピック」を目指す今の自分を比較して、成長したところや一番変わったと思うところはありますか?

「北京オリンピック」では強い思いで頑張ってきたのですが、昨シーズンのケガもあって、今はいろいろな成長ができたと思います。次のオリンピックに向けては気負いすぎず、毎シーズンしっかりと計画通りに進め、出場できるように頑張りたいなと思います。

小松原美里 コメント

©テレビ朝日

◆大会への意気込み

今シーズンの私たちペアのテーマは「自己ベスト更新」です。2人の思いは一緒でした。「北京五輪」でオリンピックに初めて出場させていただいて、そこから続ける意味を考えたときに「よりうまくなりたい。だから続ける」と思いました。昨日の自分に勝ちたいと思います。

◆海外遠征の“相棒”は?

「香りもの」。滑る前に好きな香りを嗅ぐのが日々のルーティンなんです。香りはさまざまで、甘いものや、さっぱり系が多いかもしれません。

◆4年前を振り返って、「北京オリンピック」を目指していた頃の自分と、「ミラノオリンピック」を目指す今の自分を比較して、成長したところや一番変わったと思うところはありますか?

私たちはこの4年の間にケガもしましたし、毎年違ったチャレンジをたくさんしてきたと思います。そんな中、オリンピック後というのは初めての経験。今はどう移行していくか話し合いながら、次に向けて練習しています。アスリートとしてさらに厳しく、自分たちのスケートを見るようになったかと思います。

小松原尊 コメント

©テレビ朝日

◆大会への意気込み

「PB(パーソナルベスト)更新」です。もっとうまくなりたいという思いで、新しいことに挑み続けて頑張ります。

◆海外遠征の“相棒”は?

私は音楽が大好きなので、イヤホンが大事。そして、美里の存在も大事です。ちなみに、美里の香りものは、すごくすてきな匂いです。さまざまな香りがありますが、試合の日にだけ使う香りもあるので、その匂いを嗅ぐとすぐ緊張してしまいます(笑)。

◆4年前を振り返って、「北京オリンピック」を目指していた頃の自分と、「ミラノオリンピック」を目指す今の自分を比較して、成長したところや一番変わったと思うところはありますか?

日々の練習で厳しくなってきた自分と、成長したいという思いの強さに驚いています。ミラノは10年前に美里と最初にペアを組んだ場所なので、運命を感じながら頑張りたいと思います。

イベント情報

『フィギュアスケートグランプリシリーズ/ファイナル2022』 開催日程
2022年10月22日(土)~24日(月) 第1戦 アメリカ大会
2022年10月29日(土)~31日(月) 第2戦 カナダ大会
2022年11月4日(金)~ 6日(日) 第3戦 フランス大会
2022年11月12日(土)~14日(月) 第4戦 イギリス大会
2022年11月18日(金)~20日(日) 第5戦 日本大会(NHK杯)
2022年11月25日(金)~28日(月) 第6戦 フィンランド大会
2022年12月9日(金)~11日(日) グランプリファイナル(イタリア・トリノ)
※最新の放送予定スケジュールは番組公式HPを参照

番組公式HP:https://www.tv-asahi.co.jp/figure-gp2022/

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