カトリーヌ・ドヌーヴ最新作「アンティークの祝祭」本編映像解禁

映画
2020年04月25日
「アンティークの祝祭」

 近日公開の映画「アンティークの祝祭」の本編映像が解禁された。

 本作は“フランス映画界の至宝”と言われる女優カトリーヌ・ドヌーヴの最新主演作。自身の人生の終焉を察した主人公・クレール(カトリーヌ・ドヌーヴ)が、半生を共にしてきたアンティークを処分することで浮かび上がる「劇的な人生」と「本当に遺したい思い」を描く。「やさしい嘘」(2003年)、「パパの木」(2010年)などのジュリー・ベルトゥチェリが監督を務める。

 公開されたのは、言動が怪しくなる、幻覚が見える…など、自身に現れた呆けや老いを受け入れ、長年集めていたアンティークたちを手放していく、本作の要となる映像。

 クレール(カトリーヌ・ドヌーヴ)は終活のため、長年集めていたアンティークたちを庭先で売ることに。一人では手が足りないため、何人かの男性アルバイトに作業を手伝ってもらうが、作業半ばで別のアルバイトのため一度離れることをクレールに告げる。

 彼らに渡すアルバイト代を用意し庭に戻ってくると、たった今までそこにあったアンティークや男性たちが、忽然と消えていた。ショックを受け倒れこむクレールを男性たちが抱き起すと、アンティークの数々もまた現れる。

 訝し気に青い空を見上げるクレールは「帽子を取ってこなくっちゃ」とつぶやくと「もうかぶっているよ、ママ」と突然息子のマルタンが話しかける。「マルタン、ここで何を?なぜ荷物が庭に?」と困惑するクレール。「マダムの物です」と答えた相手はマルタンではなくアルバイトの一人だった。

 監督は「カトリーヌは才能があり、幻想めいた部分、偉大な自由の感覚を持っている。それに、彼女がすてきなものを愛し、偉大なコレクターであることを私は知っていたの。彼女にこの役の依頼を出して当然に思えた」と起用した理由を明かす。

 またクレールを演じたことについては「私は彼女のシルエットが大好きで、それは彼女そのものでありながら、同時にクレール・ダーリングの完全な化身でもあった。自分の最後の日を生きていることで、爆発するようなエネルギーと愉快ないたずら心を持つの。クレールは理性を失ってしまったのか、理性を失ったふりをしているのか…。カトリーヌは、その複雑な、どちらとも言えない状態を表現するのが優れているのよ」と大絶賛した。

映画「アンティークの祝祭」
近日公開

<ストーリー>
夏のある朝、クレール(カトリーヌ・ドヌーヴ)の決意は突然だった――。
70年以上におよぶ長い人生。ここのところ意識や記憶がおぼろげになることが増えてきた。「今日が私の最期の日」と確信した彼女は、長年かけて集めてきたからくり人形、仕掛け時計、肖像画など数々のコレクションをヤードセールで処分することにする。見事な品々の大安売りに、庭先はすぐにお客と見物人で賑わいはじめた。大きな家財から小さな雑貨まで家中を彩り続けたアンティークたちは、いつもクレールの人生と共にあった。それは、彼女の劇的な生きざまの断片であり、切なく悲劇的な記憶を鮮明に蘇らせるものでもあった。
一方、疎遠になっていた娘マリー(キアラ・マストロヤンニ)は、母のこの奇妙な行動を友人のマルティーヌ(ロル・カラミー)から聞きつけ、20年ぶりに帰ってくるが――。

<スタッフ&キャスト>
監督・脚本:ジュリー・ベルトゥチェリ
原作:リンダ・ラトレッジ著「La derniere folie de Claire Darling」

出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、キアラ・マストロヤンニ、アリス・タグリオーニ、ロール・カラミー、サミール・ゲスミ

©Les Films du Poisson – France 2 Cinema – Uccelli Production – Pictanovo