佐藤健、役者を目指したきっかけは『TRICK』阿部寛と映画「護られなかった者たちへ」で11年ぶり共演

映画
2021年08月16日

10月1日(金)より全国公開される映画「護られなかった者たちへ」の完成披露試写会が行われ、佐藤健、阿部寛、清原果耶、緒形直人、吉岡秀隆、倍賞美津子、瀬々敬久監督が登壇した。

「このミステリーがすごい!」受賞作家・中山七里の傑作小説を映画化した本作は、東日本大震災から10年目の仙台で起きた不可解な連続殺人事件を軸に、その裏に隠された切なくも衝撃の真実を描く、感動のヒューマン・ミステリーとなっている。

連続殺人事件の容疑者として追われる主人公・利根泰久を演じた佐藤は「東日本大震災がどれほどの被害と悲しみを我々にもたらしたかは、日本だけではなく世界中の人々が知るものかと思います。実際は震災そのものだけでなく、そこからさまざまな問題が波及していて、今回はそのうちの生活保護に焦点を当てて撮影をしました。初めて原作を読んだ時にさまざまなことを教えられました。今の日本に投げかける、意義のある作品になったと思います」とあいさつ。

利根を追う宮城県警刑事・笘篠誠一郎を演じた阿部寛は「まさに去年夏にこの作品を撮影したのですが、撮影ができるかできないか分からない状態のまま、撮影できて、受け入れてくださった宮城の方々にも非常に感謝しています。震災から10年がたちましたが、いまの社会が抱える、日本のいろいろな問題がこの作品に盛り込まれていますので、ぜひ受け取ってください」と作品への思いを語った。

佐藤と阿部は「劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル」(10)以来、11年ぶりの共演。佐藤が「阿部さんは、“阿部さん”ですね(笑)。11年前に初めてお会いした時から”阿部さん“でした。『TRICK』が好きすぎて、それがきっかけで役者になりたいと思ったくらいの作品なんですね。堤(幸彦)監督に直談判して、その『TRICK』でご一緒させていただいて、阿部さんがその作品で演じられていたのを今でも鮮明に覚えています。そんな阿部さんと、この作品でさらに深まった役でご一緒できて、非常にうれしいです」と明かした。

阿部も「11年間、佐藤さんのいろいろな作品を見ていたので、現場に入った時に集中力、責任感もあって、刑事役だったので、佐藤さんに委ねてやっていて、非常に集中力のある素晴らしい役者さんだなと思いました」と、感慨深げに語った。

オール宮城で撮影された本作。清原は印象に残っているシーンについて「私は気仙沼の街並みだったり、漁船が並んでいる風景がすごく好きで、朝早くても空気が澄んでいて、土地も人も温かく迎えてくださったなという印象があります」とコメント。

倍賞も「ロケをした家は一軒家で、カラスの鳴く声も聞こえて、のんびりとそこの空気を感じながら撮っていたのを覚えています。うどん、おいしかったですよね? すごく食べていたよね?」と、一緒にうどんを食べるシーンを演じた佐藤に話を振ると、佐藤は「すごく食べていました! 多分10人前分くらい食べていましたね(笑)」と振り返った。

緒形は「64- ロクヨン-」(16)以来で瀬々組に参加。「コロナで、梅雨時期だったので、Wパンチで現場は大変そうでしたが、久しぶりの瀬々組はいい緊張感に包まれていて、雰囲気もよくて、テンポよかったですね」と、現場の雰囲気を懐かしんだ。

吉岡は「僕が阿部さんに護衛されていて、そこに健君がつかみかかってくるシーンがあるのですが、健君が阿部さんに一瞬にして、マットを超えて突き飛ばされていたんですね」と印象に残る出来事を語り、「 “やりすぎじゃないですか?”って阿部さんに言ったんですが、“本人が思いっきり来てくれって言ってた”って阿部さんは言うんですよね。でも、2回も3回もやっていて健君かわいそうだなって思ってきちゃったんですけど、健君の身のこなしとかも見てて、すごい現場だなって思ってました」と撮影秘話を明かした。

佐藤は「全員あそこまで飛ぶとは思っていなかったです。さすがです」と苦笑い。すかさず「どんなにぶつかってもこなしてくれるだろうなっていう信頼感があったので、遠慮せずにやりました」と話す阿部に、佐藤も「捕まる役なのにそんなに飛ばされるんだとは思いました(笑)」と阿部にツッコミを入れながらほほ笑み合った。

瀬々監督は本作に込めたメッセージをあらためて聞かれると「震災の時にドキュメンタリーの手伝いで、避難所である石巻の小学校に行ったんですが、その場所でも、この映画の3人のように出会いがあったり、別れがあったり、どんな悲惨な場所でも人間の生活があるんだなと感じました。その感情をこの映画の中にも託したいとは思っていました。どんな状況であっても人間的な生活を目指していきたいなという思いを託しました」と力説した。

佐藤は印象に残るシーンについて「今日はいらっしゃらないですが、永山瑛太さん(演じる三雲)に怒りをぶつけるシーンがありまして、そこが印象的でした。理不尽なことに対する怒りや、やるせなさを、作品を通して共感してもらえればなと思っていたので、大切なシーンだなと思っていました。何回もやらせてもらって、いいシーンだったなと思います」と撮影を振り返った。

そんな佐藤の役へ向かう姿勢に関して、瀬々監督も「横にいるので褒めるのも恥ずかしいのですが、(佐藤の役に向かう姿勢が)尊敬しているところでもあり、好きなところですね。」と絶賛した。

阿部は雨の中、林遣都演じる後輩刑事の蓮田と共に利根を追いかけるシーンを振り返り「30年ぶりに全速力で走りました(笑)。1本2~300メートル走るのですが、本当に大変でした。そこから半年間、足が痛かったです」と会場の笑いを誘った。「走る距離が長かったですよね。“阿部さん、大丈夫なんですか?”って聞いても、その時は“大丈夫”と言ってたんですけど、時間差だったんですね」と佐藤が笑うと、阿部は「多分、筋を痛めました」と語り、会場を沸かせた。

最後に佐藤は「僕がこの完成した映画を見たときに、胸に残ったことは、命の重さや命の尊さというよりも『誰かが、“誰かに生きていてほしい”と思う気持ち』に一番心を打たれました。大切な人がいるということ、そんな日常の幸せに感謝しながら、皆でより良い国に、より良い生活を目指して、そのためにどうするべきか共に考えながら、そんなことを思うきっかけとなる映画になってるんじゃないかなと思っております。たくさんの方に観ていただきたいと思っております。皆さんのお力を貸していただけたらうれしいです」とメッセージを送った。

作品情報

「護られなかった者たちへ」
2021年10月1日(金)全国公開

©2021映画『護られなかった者たちへ』製作委員会

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