

11月5日(金)公開の映画「ほんとうのピノッキオ」より、新場面写真が解禁された。
1883年に出版されたイタリアの作家・カルロ・コッローディの「ピノッキオの冒険」は、100年以上にわたって世界中で読み継がれてきた児童文学。ディズニーによるアニメーションも広く親しまれてきた。現在、ギレルモ・デル・トロ、ロバート・ゼメキスによる新作も進行中だ。しかし、誰もが思い浮かべるのは“うそをつくと鼻が伸びる”エピソードであり、この名著の主人公が、無邪気な操り人形に見せかけて、実は行く先々でトラブルを巻き起こす、“悪童”だということを知る人は少ない。
世界中で愛される名作童話の知られざる“ほんとうのピノッキオ”の映画化を実現させたのは、カンヌ国際映画祭コンペティション部門の常連であり、「ゴモラ」「リアリティー」の2作品でグランプリを受賞したイタリアの鬼才マッテオ・ガローネ。6歳のときに初めて「ピノッキオ」のストーリーボードを描いた逸話を持つガローネ監督が、そんな念願のプロジェクトに取り組むにあたって、イタリア国内外の一流スタッフを招集した。
その結果、2020年にイタリアのアカデミー賞にあたるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で衣装デザイン賞・メイクアップ賞・ヘアスタイリスト賞ほか5部門で受賞。翌年の英国アカデミー賞ではメイクアップ&ヘア賞、米アカデミー賞では衣装デザイン賞・メイクアップ&ヘアスタイリング賞にそれぞれノミネートされた。
解禁されたのは、細部までこだわり抜かれた本作の特殊メイク、衣装デザインが目を引く場面写真。ピノッキオが旅のさなかで出逢うキツネやカタツムリなど、動物と人間とが絶妙なバランスでハイブリッドされた奇妙な生き物たちや、ターコイズブルーのカールしたヘアを持つ妖精の特殊メイク。そして彼らが暮らすおとぎの国の世界観と同時にピノッキオが生まれた19世紀後期を思わせる繊細でディテールに凝った衣装の数々は、一見するとまるで絵画のようで、息をのむほど美しい。本作の幻想的な世界観を表現する上で欠かすことのできないエッセンスとなっている。
「観る者を魔法の世界に入り込ませ、キャラクターと一緒にいるような気持ちにさせなくてはいけない」と語るガローネ監督が、中でも一番苦労したというのがピノッキオの特殊メイク。驚くほどリアルに再現されたピノッキオの顔の木目は誰もがCGと見間違うほど。
撮影当時8歳だったピノッキオ役のフェデリコ・エラピは、3か月もの期間中、毎日4時間この特殊メイクを施して撮影に臨んだという。これには、多くの作品で特殊メイクを手掛け、2度のアカデミー賞に輝いたマーク・クーリエも「1週間や2週間ならまだしも、3か月もなんて誰もやったことがない」と前代未聞の試みだったと明かしている。
作品情報
「ほんとうのピノッキオ」
2021年11月5日(金)公開
公式サイト:happinet-phantom.com/pinocchio/
公式Twitter:@Pinocchio_2021
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