安藤サクラ主演×山田涼介共演「BAD LANDS バッド・ランズ」公開決定 原田眞人が監督・脚本・プロデュース【コメントあり】

映画
2023年05月30日
「BAD LANDS バッド・ランズ」©2023「BAD LANDS」製作委員会

映画「BAD LANDS バッド・ランズ」(9月29日(金)全国ロードショー)で、安藤サクラが主演を務めることが決定。さらに、共演には山田涼介(Hey! Say! JUMP)、監督・脚本・プロデュースを原田眞人が務めることが発表され、3名と原作者・黒川博行よりコメントが到着した。

第151回直木賞を受賞した「破門」や「後妻業」などで人間を突き動かす欲望を描いてきた作家・黒川博行による重厚な傑作小説「勁草」を「検察側の罪人」や「関ケ原」など数々の話題作を手掛けてきた名匠・原田眞人監督が待望の映画化。

主演は「ある男」で第46回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞した安藤サクラ。原田監督作品は初参加となる。壮大なファンタジーと日常感が話題となったテレビドラマ『ブラッシュアップライフ』で主演を務めた安藤が、本作では特殊詐欺を生業とする橋岡煉梨(ネリ)を怪演している。

そして、安藤演じる主人公ネリの弟・矢代穣(ジョー)役には、「燃えよ剣」以来2度目の原田監督作品の参加となる山田涼介。“持たざる者”が“持つ者”から生きる糧をかすめ取り生き延びてきたこの地で、特殊詐欺に加担するネリとジョー。2人はある夜、思いがけず“億を超える大金”を手にしてしまう。金を引き出す…ただそれだけだったはずの2人に迫るさまざまな巨悪。果たして、ネリとジョーはこの危険な地から逃れられるのか。

本作で安藤と山田は初共演となるが、安藤は山田に対して「本読みの時から矢代にぴったりだと思って、私と山田君でどんな化学反応が起きるのか楽しみです」とコメント。一方、山田は「安藤さんがお姉ちゃん役と聞いた時に安藤さんだったら委ねられるな。安心してやらせていただこうと思いました!」と語っている。

本作の監督・脚本・プロデュースを務めた原田は「安藤サクラは世界の主演女優賞を全て差し上げたい名演です。また、切なく危険な若者を演じきった涼介の天才に私は魂を食いちぎられました」とコメントし、原作の黒川博行は「安藤さんと山田さんとのコンビネーションもあいまって、期待以上の見事な出来ばえになった。原作者として、ほんとうにうれしい」と絶賛している。

そんな本作から、ティザービジュアルと特報映像も合わせて初解禁。疾走感あふれる鮮烈なティザービジュアルでは、ネリ、そしてジョーがある目的に向かって駆ける瞬間が映し出されている。「そこは 天国か 地獄か。希望なんて、とうに捨てた。」というコピーからは、幾分かの悲哀や自分の置かれている状況への諦めが垣間見える。

また、特報映像はネリとジョー2人の会話から始まり、勢いを増しながら展開していく。「ホンマもんの詐欺師にはなりとうない」と告げるネリ。社会の底辺で生きている“持たざる者”は、悪に染まるしか生きる術を知らない。そこからネリとジョーのさまざまな感情が駆け巡るように、“葛藤とともに天を仰ぎ”“誰かに怒り吠え”“企み顔”“歓喜する”カットが立て続けに映し出される。

徐々に上がっていく音楽のテンポに呼応するように、「ここは」「悪い奴らの」「天国で、地獄。」というテロップとともに、覆面の男たちや警察、社会の裏側に潜む人間が交錯する。さらに、高まる緊張感の最高地点で拳銃を構えるジョーと、ショットグラスに入ったアルコールを放るネリのカットも見逃せない。2人の視線の先には、なにが待ち構えているのか。ラストカットで駆ける、ネリは何を思いどこへ向かうのか。さまざまな展開を想起させる、スピード全開の特報映像となっている。安藤、山田、原田、黒川によるコメント全文は以下を参照。

安藤サクラ コメント

自分の知らない世界だったので登場人物たちのキャラクターの魅力にとてもワクワクしました。山田さんは本読みの時から「あ、矢代だ!ぴったりだな!」と思っていました。私と山田君でどんな化学反応が起きるのか楽しみです。原田監督とは自分が思ったことをいろいろ相談するようにしています。集中すべき時に集中して、 “自分らしくいる”という過ごし方ができるとてもメリハリのある現場で毎日楽しく過ごしています。いろんなキャラクターの俳優さんたちが交わって、どのシーンも楽しく魅力的で観たことのない化学反応を起こしていきますので、ぜひご期待ください。

山田涼介 コメント

安藤さんは、実はたまたま一度、プライベートでお会いしたことがありました。すごく気さくな方で、お姉ちゃん役と聞いた時は安心感がありました。安藤さんだったら委ねられるな。安心してやらせていただこうと思いました。原田監督とは、一度映画でご一緒しましたが、毎日本当に緊張感があり、命を削っているような現場でした。どんなシーンでも緊張感がある現場というのは、なかなかなく、貴重な経験だと思って一生懸命やっていたので、またお声掛けいただいてとてもうれしかったですね。ぜひ、ハラハラドキドキしたスピード感あふれる本作を楽しみに待っていてほしいと思います。

原田眞人監督 コメント

黒川博行さんの原作は2015年の発売直後に読みました。俗にいう「オレオレ詐欺」犯罪グループの内実がリアルに描かれていて、その世界観に惹き込まれ、監督目線で登場人物をあれこれ動かしたことを憶えています。実に刺激的な読書体験でした。その最大のポイントは、犯罪グループの元締めを補佐する立場の主人公・橋岡を女性にしたらどうだろうということでした。例えば、ドストエフスキーの「虐げられた人びと」に登場するネリーを黒澤監督が「赤ひげ」に「包摂」したように。
ただ、私が手を挙げるのが遅かったために、映画化権は某社に渡っていました。辛抱強く6年待って、実現に漕ぎ着けたのは「ヘルドッグス」製作チームのおかげです。橋岡の性転換を心よく承知してくださった黒川さんにも感謝です。
理想のキャストも組めました。安藤サクラは「生きにくい」を「生き抜く」ネリーの魂の綱渡りを、橋岡ネリとして、美しく哀しくいとおしく舞ってくれました。世界の主演女優賞を全て差し上げたい名演です。原作の橋岡の疫病神的パートナーとなるサイコパス・矢代穣は、沖田総司が現代によみがえったらこうなるのではないか、というコンセプトのもと山田涼介に参加してもらいました。沖田以上に切なく危険な若者を演じきった涼介の天才に私は魂を食いちぎられました。彼らを彩る関西演劇陣の濃厚なアンサンブルにも圧倒されます。一人一人紹介するのは公開間近まで待たねばならないのがとても残念。
沼津生まれのロスアンジェリーノ東京人の私が憧れ続けた「大阪弁フィルム・ノアール」はこの秋、世界に打って出ます!

黒川博行 コメント

監督の名を聞いて、一も二もなく映画化に同意した。
名匠・原田眞人――。多くの作品をわたしは見ていた。「クライマーズ・ハイ」や「わが母の記」をはじめ、近作の「関ヶ原」や「検察側の罪人」、「燃えよ剣」は重厚にしてスケールの大きい傑作だった。あの原田監督がわたしの『勁草』をどんなふうに映像化してくれるのか、楽しみでしかたなかった。そこへ演じるのが安藤サクラと山田涼介、これも申し分ない。安藤さんのさわやかな個性と自然な演技は原作の犯罪性をきれいに掬いとってくれるだろうとわたしは期待し、山田さんとのコンビネーションもあいまって、期待以上のみごとな出来ばえになった。原作者として、ほんとうにうれしい。

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