「キリエのうた」アイナ・ジ・エンドが松村北斗、村上虹郎らとライブパフォーマンス「最初で最後だと思うと言葉が詰まる」

映画
2023年09月26日
「キリエのうた」アイナ・ジ・エンド

映画「キリエのうた」(10月13日(金)全国公開)の公開直前プレミアシアターライブが9月25日(火)に開催され、アイナ・ジ・エンド、松村北斗(SixTONES)、村上虹郎、粗品(霜降り明星)、⽯井⻯也、広瀬すずが登壇した。

主人公は路上のミュージシャン。圧倒的歌唱力の持ち主、アイナ・ジ・エンド(以下、アイナ)が抜擢された本作では、アイナが映画初主演にして自ら歌う詞と曲を書き下ろしている。さらに、松村北斗、黒木華、広瀬すずらが共演し、物語を彩っていく。

このたび開催された公開直前プレミアシアターライブに、アイナ、松村、村上、粗品、⽯井、広瀬が登壇した。同イベントはライブイベントで、アイナによる「名前のない⽉」「燃え尽きる⽉」のパフォーマンスでスタート。

「キリエのうた」松村北斗

続く「ずるいよな」ではアイナの歌唱に加え、松村、村上がギターを演奏。本作で人生で初めてギターを練習したという松村は、初挑戦についてアイナに問われると「そうだった、俺めっちゃ素人だった!って、今思い出しました(笑)」と我に返る。また、村上については「風琴さん(村上が演じた人物)は私と一緒にライブをたくさんする、ギターの先生みたいな存在です」とアイナ。村上も「楽しかったですね」とほほ笑んだ。

アイナはこの楽曲を2人と共に披露することについて「最初で最後だと思うと言葉が詰まるといいますか、1年以上前からこの撮影をしていたのでやっと、初めて聞いていただけると思うと正直、感無量で言葉が詰まってしまいますけど大切な曲です」と伝えた。

「キリエのうた」村上虹郎

イベントではトークセッションも。オープニングから熱いパフォーマンスを披露したアイナは「ずっと緊張しちゃって でも、今日来てくださったお客さんが目を逸らさずに見てくださって、もうそれだけ幸せです。今日は来てくださって、そして配信の方もありがとうございます」と感謝の思いを語った。

一方、松村は「僕はギターの披露が終わったので、あとは気楽にしゃべって帰れればいいなと(笑)。皆さんにもこのイベントを楽しんでいただけたらなと思います」、村上は「こんにちは。元気になってきました! 思ったより(会場が)限定的な人数だから、すごくプレミアなチケットを皆さんゲットできたみたいで… (登壇者が)豪華ですね」、粗品は「撮影時はまだ結婚していました(笑)。今日はトークの方も任せてください」、広瀬は「私は今日、ほぼ何もしないんですけど(笑)、皆さんと一緒にこのイベントを楽しもうと思います」、石井は「すずちゃんと北斗君にすごく悪い、いやな中年の役で出させていただいております」と、三者三様のあいさつを繰り広げた。

「キリエのうた」粗品

そんな中、村上は劇中の印象的なせりふを挙げ「『女を使ってお金を稼ぐみたいなところが、うちは母も祖母も女を武器に生き延びた道産子なんですけど』。イッコさんのせりふです。これを聞いたときにまず、ああ、そうかと。代々の遺伝子的なカルマがあるんですね、彼女が背負っている。出ていこうと思っているけれど、そこから逃れきれない何かを感じました」と本作の魅力を語っていく。

そんな繊細な物語から、“13年”に及ぶ魂の救済を見つめることにちなみ「この13年間、もしくは13年前はどのように過ごしてましたか?」という質問が。アイナは「私は4歳からずっとダンスをやっていたんですけど、学校に行くときのスクールバックには教科書とかが1冊も入っていなくて。全部ダンスのレッスン着とかでしたね、本当にダンスが大好きで。大阪に住んでいたんですけど、難波の『OCAT』というところで練習していました」と振り返った。

「キリエのうた」松村北斗

松村は「13年前はちょうどこの仕事を始めたころで。何ができて何ができないのかも全く分からない時代でした。学生時代はずっと空手をやっていたので、何かこの芸能界に空手と通ずるものがないかなと必死に探していましたね」と。また「13年前だと中2ぐらいなので、まだ静岡に住んでいたんです。今、静岡に住んでいた頃のことをメインでエッセーを書いているんですけど、全然面白いことがなくて。だから、もし当時の自分に何か伝えられるなら“こまめに大きめなハプニングを起こしてくれ”と伝えたい。エピソードがカラッカラなんです(笑)」と。広瀬も「地元が松村さんと一緒なんですけど、13年前は静岡にまだ住んでいました。私はバスケをずっとやってましたね」と明かした。

「キリエのうた」広瀬すず

そして、一同は本作における挑戦を振り返っていく。松村はギターについて「初めてだったので、本当に苦戦しました。本編では特に間みたいなものを意識してできるだけ感じ取ろう、それを頑張らなきゃいけないっていうのがありました。ただの演奏というよりも、感情的なところに集中することが多かったかなと思います」。広瀬は「岩井監督は演出を特に細かく指示されない方なので、アイナちゃんと肌が触れ合う瞬間を普段から増やして、キリエとイッコの距離感がなくなったらいいなと、それにすごく時間をかけるようにしていました。カメラが回っていないときもアイナちゃんと一緒にいたり。いろんな話をしたりしていましたね」と語った。

そんな本作を率いる岩井監督に向けてキャスト陣から一言。松村は「撮影が終わった後に2人で食事に行かせてもらったんですけど、椅子から立ち上がって迫りくるようにしゃべってくださって。すごく楽しい時間だったので、また2人でご飯に行って立ち上がってしゃべってください(笑)」とアピール。広瀬も「私もご飯に行きたいです。でも私は座ってしゃべるのがいいです(笑)」と笑顔を見せた。

「キリエのうた」⽯井⻯也

そして、今回のイベントで岩井監督の思いを熱弁したのが石井。本作について「また一つ神話ができたなと思います。全国の若者たちには、番大事な時期にコロナ禍というとてつもない時代を過ごさせてしまって。勉強しないといけないことっていっぱいあるけど、それができなかった世代で。そんな世代にこの映画を見てほしいと、岩井監督も言っていました。でも、この映画が伝えたいことは若者へのメッセージだけではないと思うんです。若者たちが本当にヘロヘロになりながら生きてるんだよということを大人たちにも発信したかったんじゃないかなって。だからぜひ、おっちゃんにも見に来てもらいたいなと思います」と語った。

最後に、アイナが「岩井俊二さんの世界に皆さんと飛び込んでもう1年以上たったんですけど、やっと歌とかを聞いてもらえて。正直何も分からない自分が飛び込んだことが不安でたまらなかったんですけど、今日、目を合わせて見てくれて、石井さんもいっぱいしゃべってくれて すごく感慨深い日になりました。よかったら『キリエのうた』、何回見ても面白いと思うのでいっぱい見てほしいです。今日は皆さんに時間をもらえてうれしかったです、ありがとうございました」と涙を流しながらあいさつし、イベントを締めくくった。

「キリエのうた」アイナ・ジ・エンド

作品情報

「キリエのうた」
2023年10月13日(金)より全国公開

出演:アイナ・ジ・エンド、松村北斗、黒木華/広瀬すず
村上虹郎、松浦祐也、笠原秀幸、粗品(霜降り明星)、矢山花、七尾旅人、ロバートキャンベル、大塚愛、安藤裕子、鈴木慶一、水越けいこ
江口洋介、吉瀬美智子、樋口真嗣、奥菜恵、浅田美代子、石井竜也、豊原功補、松本まりか、北村有起哉

原作・脚本・監督:岩井俊二 「キリエのうた」(文春文庫刊)
音楽:小林武史
主題歌:「キリエ・憐れみの讃歌」Kyrie avex trax
企画・プロデュース:紀伊宗之(「孤狼の血」シリーズ「シン・仮面ライダー」「リボルバー・リリー」他)

製作プロダクション:ロックウェルアイズ
配給:東映

公式HP:https://kyrie-movie.com/

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